詩と写真 *ミオ*

歩きながらちょっとした考えごとをするのが好きです。
日々に空いたポケットのような。そんな記録。

いまさらイエモン

2015年07月12日 | 雑記
 この土日は久しぶりに晴れて、からっと乾いた洗濯物を取り込む時の匂いが、ああいい気持ちっと言っていてしあわせを感じました。小さなしあわせ感て大事です。
 と、言いながら、話は反対側に行くよう?なのですが、なぜかいまさらイエモン、という話です。ボーカルの吉井和哉さんは、先日、眞鍋かをりさんの妊娠と結婚という報道があったので、しあわせつながりにならなくもないかもしれませんが。

 夫によると、イエモンは高校生の頃には大ブーム中で、カラオケに行くとみんな歌いまくっていたそうなのですが、私はまったく知らずにここまで!過してきました。どこかで小耳に挟んでいたのかもしれないのですが、意識にのぼってくることもなく(という言葉の使い方が正しいのかどうか不安ですがあとで調べます……)。

 それが、確か高松にいた頃、2、3年前でしょうか、夫は歌が好きで、良さそうな歌番組があると録画したりするのですが、録画しておいたある番組を一緒に見ていたときに、吉井和哉さんが『点描のしくみ』という歌を歌っていて、面白い曲だなぁと思って、何度も繰り返して見ていました。歌詞が面白いし、曲も声も雰囲気があっていいなぁと言っていると、夫に「イエローモンキーというバンドのボーカルだった人だよ、『球根』て名曲知らない?」と言われ、ふーん、と返し、それから『球根』を聴いたのかどうだったのか、そうかなぁ名曲かなぁ渋いなぁ、みたいに思ってそのまま忘れてしまいました。

 そして数カ月前。ショッピングモールの中の靴屋さんでスニーカーを探していたとき、ある音楽が流れて、聞いたことのある音楽ではあったのですが、ちょっと衝撃、というか完全にしびれてしまいました。詩の内容、曲の展開、なんだっけこの曲?!私が普段書こうと試みている詩よりもずっと破壊力?がある!!あ、詩って一体なんなんだろう?!
 聞えてきた歌詞を頼りにネットで検索(便利な世の中だ)。そこで出てきたのがイエローモンキー『SPARK』でした。でもそこからまたしばし経過。車で出掛けたときに、夫が持っていたイエローモンキーのアルバムを聴いて、すっかりはまってしまいました。
『球根』?天才だね!

 うまく説明できないので、横着して、ある日の日記。
 「今日は雨で、今はほとんど降っていないようだけれど外は灰白色の世界。秋の虫のような涼やかな声が聞える。私の矢印はとても短くて、同時に幾つも発生することも多いのだけれど、どれも長い時間をかけて削り磨いてきたものではなく、すぐに失速する。そして真ん中に開いた穴の真空状態、無風の、すべてが静止しているかのような時間が訪れる。人に向かっていく気持ちもない。急ぎ手に入れたものも宙に浮いて。私はこうなる。いつもこうなる。
 だからふと『球根』という曲を聞いたりすると、あ、いいなぁと思う。とても外から。こういう激しさ、今の私にない心地にしばし浸ってみる。」

 わかります?!
と、言われても困ると思いますが、私はどういう人間か、と言えば(訊かれてないけど答えます)、とっても抑制が利いてしまう人間なのです。若い頃には激しい気持ちもあったのですが、ずっと守られて育ってきたせいか、そして生来の臆病から、すごく守ってしまうのです。あらかじめ考えてしまう。変にかしこぶって(勝手に造語……自分の中で利口ぶって振る舞うということ)、知らないくせに、経験もしないで、こうなったらこうなるだろう、だからやめとこう、と思ってしまう。あらかじめ考える割に、考えることがとんちんかんで、結局は行き当たりばったりになってしまうものの。

 そしてそんな人間の激しい気持ちはどこへ向かうかというと、自分に向かってしまうのです。どんどん閉じていってしまう。そして素晴らしい空とかきらきらした景色とかにどうしようもなく感情移入してしまう。そんな青春時代でした。どうしようもなく、無力な人間です……。書いていてちょっと悲しくなってきました。

 青春時代は過ぎたけど、いまもそうは成長していなくて、「こんな人間が詩を書くなんて。黙って生きろ!」とときどき思う。と、書いている。ばかですね……。それとも、もしかしたら思い切り生きられない分、何か書きたくなるのかな。
 
 そんなわけで、とても地味に生きている私、いまさらながらイエモンを楽しく聞いています。
(なぜイエモンが小さなしあわせの逆を行くかというと、この激しさが「生きている!」という感じだから。「小さなしあわせ⇔生きている!」についてはいつか書くつもりです。たぶん。)


空のスペクタクルには安心して気持ちを注ぎ込める


昔ほどではないものの


高松にいたとき、夕食の準備をしていたら窓がすごい色に染まっていた




夫はカメラを持って、私は携帯を持って外に出てみた




水があると空は二枚分
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