

ワシントン記念塔の後は、スミソニアン。スミソニアン博物館という名称だと思っていたのだが、スミソニアンとは、Smithsonian Institution(スミソニアン協会)に属するミュージアム(18の博物館・美術館・動物園)とその研究部門を総称するもの。その規模の大きさ(2003年で2400万人が来た)、広さ、所蔵品の多さ(2003年で1億4350万点、展示されているのは全体の2%)、予算の莫大さ(2004年で年間約623億円)、など、どれを取っても比較にならないほどすさまじい。しかもそれを無料で見せてくれるというのだからこれまたスゴイ。
まず行ったのがNational Air and Space Musemu(航空宇宙博物館)。ここの展示物は全て実物で、映画「翼よあれがパリの灯だ」で有名なリンドバーグのSprit of St. Louis(1927年世界初の大西洋単独無着陸横断飛行)から、第二次大戦のゼロ戦、各国の戦闘機などがあり、更には、1969年に月面着陸したアポロ11号の指令船や1972年アポロ17号が持ち帰った月の石(触れる)もあるといった、空を飛ぶもの全てを網羅した場所である。実物が、ここに集結して色んなものと隣り合わせになっているのだから、本当に驚いてしまう。
そして、私が見たかったモノがある航空宇宙博物館の別館、Steven F. Udvar-Hazy Center(スティーブン・F・ウドバー・ハジー・センター)。ここまでは、航空宇宙博物館からシャトルバス(45分)で移動。ここには、ビジネス・民間航空機、戦闘機など、ビックリするくらい広い場所に、まるで模型のように整然と並べられている。
私が見たかったモノとは、日本に原子爆弾を投下したB-29エノラ・ゲイ。第二次世界大戦の航空コーナーに、日本の特攻機の桜花、特殊攻撃機の晴嵐、戦闘機の紫電改などとともに、エノラ・ゲイは過去に担った役割を忘れたかのように穏やかにピカピカした機体を横たえていた。実際に体験したわけではないけれど繰り返し聞かされてきた戦争の話など、どっぷり平和に浸かりきって忘れかけてはいるものの、何とはなしに複雑な気分でウロウロしてしまった。
新年あけましておめでとう~♪
な雰囲気は全くなく・・・。この日はまずWashington Monument(ワシントン記念塔)に予約していた整理券を持って、登りに行く。
高さ169.3㍍のこの塔は、初代大統領ジョージ・ワシントンの偉業を称えて作られ、ワシントンD.C.で一番高い建物である。(1899年にこれより高い建物を作ってはいけないという条例ができたのだそうだ。)セキュリティを通るとエレベーターが70秒でてっぺんまで連れて行ってくれ、東西南北の窓からはワシントンD.C.を俯瞰することができる。時によってレンジャーが塔について説明してくれるのを聞きながら898段の階段を降りる(約1時間)、ということもできる。この日ちょうどそれをやると言われたのだが、連日の疲れと午後の博物館巡りを考えて、2人もパス。
Old Post Office(オールドポストオフィス)でランチをした後は、White House(ホワイトハウス)へ。アメリカ合衆国大統領官邸である。9.11のテロ以降、一般への公開はされておらず、遠くから見るだけ。庭のグリーンに映えて白い建物がまぶしいが、ちょっと遠くて物足りない。ホワイトハウスの南の広場には、大統領のクリスマスツリー(右の写真の大きいツリー)と各州からの小さなツリーが飾られていた。夜にはそれらもライトアップされ、Washington Monument(ワシントン記念塔)も見えてキレイだった。
その後は、The Mall(モール)と呼ばれるエリアをひたすら歩いた。ワシントン記念塔(登るのは明日)から、第二次世界大戦記念碑、朝鮮戦争戦没者慰霊碑、ベトナム戦争戦没者慰霊碑などを見て、西のLincoln Memorial(リンカーン記念館)まで2㌔を往復すると、結構な体力と時間を消費した。
リンカーン記念館は、第16代大統領エイブラハム・リンカーンの偉業を称えて建立されたもので、中には5.8メートルにも及ぶリンカーンの像があるのが有名。だが、何とこれも修復中で、周囲に組んである足場の隙間から彼の顔が覗けた程度。しかしその隣りの壁に、彼の有名なゲティスバーグでの演説(1863年11月19日)があって、久々にその台詞を思い出した。
"... government of the people, by the people, for the people..."
(人民の人民による人民のための政治・・・)
ベトナム戦争戦没者記念碑の北にはNational Academy of Sciences があり、その前にはアルバート・アインシュタインのブロンズ像がある。等身大程度かと思いきや案外でっかくてビックリしたが、何だか「ほわん」とした感じで可愛らしい。一見の価値あり。
夜は繁華街のDupont Circle(デュポン・サークル)でイタリアン。