時事解説「ディストピア」

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レールモントフについて

2014-10-30 22:00:38 | 文学
ネルーダやプーシキンに匹敵するぐらい好きな外国詩人。

簡単にいえば、皇帝に逆らったために投獄されたり戦地へ送られたりした挙句、
最終的には決闘で死んでしまった享年26歳の青年詩人。それがレールモントフだ。

詳しい伝記は以下のサイトで閲覧可能である。

http://japanese.ruvr.ru/2014_10_15/278697001/
http://jp.rbth.com/arts/2014/10/20/50727.html
http://jp.rbth.com/arts/2014/03/25/47673.html


日本で言うならば、天皇制を批判して殺されたような人物で、
それだけでも、この人物がかなり日本の詩人とはタイプが違うことがわかるだろう。

当然ながら、彼が亡くなった時も、自業自得と得心する人間が多かったらしい。


彼の作品が一部しか翻訳されていないのは、かなり残念なことで、
これは中原中也や小林秀雄を抜きにして近代日本詩が語られているようなものだ。


それでいいのかと思うのだが……まぁ、変に取り上げられるよりはましか。

その数少ない訳詩、「雲」(一条正実訳)を紹介しよう。


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空ゆく雲

永遠のさすらいびとよ

るり色のステップを真珠の鎖さながら

わたし同様 追われる身のお前たちは駈ける

いとしい北から 南をさして

お前たちを追うのは身の運命(さだめ)か?

ひそかなねたみか?明らさまな悪意か?

それともおかした罪がお前たちを苦しめるのか?

それとも友の毒ふくむ中傷にはかられたのか?

いやいや、実りなき畑にお前たちは飽いたのだ

お前たちは情熱にも悩みにも縁がない

永遠にひややかで永遠に自由なお前たちに祖国はない

追放はない


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