時事解説「ディストピア」

ロシア、イラン、中国等の海外ニュースサイトの記事を紹介します。国内政治、メディア批判の記事もあります。

アメリカの中東軍事作戦で200万人が殺された

2015-03-29 00:11:31 | リビア・ウクライナ・南米・中東
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「核戦争防止に取り組む世界の医師団」によれば、
米国の中東における軍事作戦で、米政権が発表している統計の10倍の人が死亡している。

米国の12年間にわたる中東軍事作戦で、
イラク、アフガン、パキスタンの3か国だけで130万人が殺害された。



国際組織Physicians For Social Responsibility
(または核戦争防止に取り組む世界の医師団。1985年にノーベル平和賞受賞)の報告書を
リア・ノーヴォスチが伝えた。


米国とその同盟国たるイエメンおよびシリアの共同作戦による死者はこれには含まれていない。
これを加味すれば、死者数は200万人に上る可能性があるという。


「この数字は発表されている推計(メディアや専門家が典拠に用いているもの)
 のおよそ10倍である。米国は対テロ作戦で死亡した自国軍の犠牲については
 正確な統計を取っているが、市民間の犠牲については何らの統計もとっていない。
 悪意ある無作為である」と報告書。

続きを読む http://jp.sputniknews.com/politics/20150327/99082.html#ixzz3Vh3h6nm1
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この記事は、あくまでも「アメリカの」戦争犯罪について書かれたもので、
同時に中東を侵攻したイギリスやフランスについては言及されていない。


両国を合わせシリアやリビアなどの他の地域にまで対象を拡大すれば、さらに被害者数は増える。


冷戦が終結してしばらくして、フランスでは『共産主義黒書』という書物が売られた。
これは元共産主義者が保身のために書いた転向宣言書で、
ロシア革命以降の各共産主義国の国内・国外の犠牲者数について論じたものだ。


著者らは得意げにベラベラと薄汚い口と手を動かしている一方で、
現在進行形で自国の政府が行っている中東軍事作戦には沈黙していた。

おまけに、同様の内容を示した書物は西側諸国を対象にしても書けるのである。
それも、コミュニストより遥かに短いスパンで同様の犠牲者数をはじき出せる。


こういう卑劣漢が意気揚々と肩で風を切って歩いている以上、
近年のフランスが目に見えて右傾化、差別的な社会、暴力的な国家になっているのは自明の理だ。



実のところ、今、日本の馬鹿者どもが貴重がっているトマ・ピケティすら
彼をよく知る人間の間では、保守的な人間として評価する者もいる(私もそう思う)。



どうも、日本の知識人は、サルトルしかり、カミュしかり、アルチュセールしかり、
フーコーしかり、レビストロースしかり、ギデンズしかり、ブリュドゥーしかり、
フランスの学者を異常に過大評価する嫌いがある。特に哲学や社会学の分野において。


もちろん、全否定するのも考えものだが、少なくとも彼らの言葉にも限界があることを
知らねばならないだろう。今の日本の思想家(笑)が右傾化しているのも、
いつまで経っても他所の国の思想家の解説やコピーに執心し、その批判が出来ていないからだと思う。

韓国の沖縄

2015-03-29 00:10:23 | 軍拡
沖縄の米軍基地問題は現在、もっともホットな話題の一つだが、
実は同様の問題が韓国にもある。いわゆる防衛ミサイル問題である。


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米国は韓国に移動可能な地上用ミサイルTHAADの配備する可能性を検討している。
この計画は韓国の非政府社会団体側からの手厳しい反応を呼んだ。

およそ120の社会団体が韓国政権に対し、
自国領内に米国のTHAADの配備を拒否するよう呼びかけた。



団体らは、米国の計画は北東アジアの、ひいては朝鮮半島の平和を破壊し、
韓国と中国との関係を害する恐れがあるとの見解を表している。



韓国の非政府社会団体「平和と統一に道を開く市民」の付属グループ
「平和と軍縮に賛成」を率いるチョ・スィンヒョン氏は、
THAAD配備で朝鮮半島における軍事、経済の反目は強まり、
国益も南北朝鮮間の平和と再統一という目的も損なわれてしまうとの危惧感を表し、
次のように語っている。


「朝鮮半島にTHAAD配備が行われることで、中国、ロシア他この地域の諸国の軍事、
経済上の国益は損害を蒙り、韓国の国家安全保障および経済発展は重荷を負わされることになる。

最後は米国ミサイルの配備は韓国の国益も国民の利益も損なうのだ。
だから我々は朴大統領に対し、朝鮮半島へのTHAAD配備を退けるよう要請することを決めた。」


韓国駐在のアレクサンドル・チモニン露大使は
THAADは地域の緊張を高めかねないとして、米国に対し、韓国領内に配備しないよう呼びかけた。

米国のこの計画は中国にも強いネガティブな反応を呼んだ。


中国人専門家らは、米国は朝鮮半島へのTHAAD配備で可能となる情報収集は
北朝鮮の軍事施設に限らず、中国領内もその範疇になるだろうと危惧感を表している。


韓国外国語大学付属ロシア調査研究所のキン・ヒョンケク所長は
米国MDの朝鮮半島配備問題では地域の近隣諸国の、ひいては
露中の危惧感も考慮すべき
との見解を表し、次のように語っている。



「米国のTHAAD配備に関わる問題は、
 正直にいうと一般の韓国市民に浸透しているわけではない。
 一介の市民としての私の理解では、この問題を考えるときは、
 米韓が長きにわたる軍事協力を北朝鮮の脅威に対抗する
 目的と絡めていることを考慮する必要がある。


この相互の行動がもし、ロシアや中国といった、
この地域のほかの国に脅威を与えているのであれば、
実際、周辺諸国にどの程度の脅威となっているのかを特定する必要がある。


それにすでに、様々な勢力のバランスを基盤に韓国社会における
こうした脅威を理解することから始めて、一定のアプローチが形成されなければならない。


私としては、韓国政府内の責任を負える人物が頭を働かせ、
中期的国益も長期的国益も考慮してこの問題の解決に取り組むべきだと思う。」


韓国指導部はこの問題に関する世論におそらく耳を傾けるものと思われる。
だが指導部がこれを考慮する構えかどうかは、明確ではない。

現時点で韓国政権はTHAADの国内配備の最終的結論を出していないが、
周辺諸国の政府からはこの問題に関して韓国へ掛けられる
圧力をはねのけるよう呼びかけがなされている。

続きを読む http://jp.sputniknews.com/opinion/20150321/58516.html#ixzz3VgyRFJU3

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どこぞの中国や北朝鮮の脅威を口実に集団的自衛権を認めようとする国と手口がそっくりだ。

ちなみに、今の韓国は左翼も含めて北朝鮮に少しでも対話の姿勢を見せると
文字通りの袋叩きにある社会になっていて、実際に統合進歩党という政党が
去年、解党を命じられた。どちらが独裁国家なのかさっぱりわからない。


ミサイル防衛システムは何だかんだで配備されるだろう。
ロシアや中国では、すでにこのシステムがアジアを脅かすものだと看破し、
アメリカ(NATO)に対して抗議の姿勢を見せているが、
この件に関して、イランラジオのホセイニー解説員の説明が大変参考になる。



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アメリカ統合参謀本部のデンプシー議長が、韓国を訪問し、終末
高高度防衛ミサイルの配備をめぐって、韓国の軍事関係者と会談を行ったことは、
中国、ロシアそして北朝鮮の反応を引き起こしました。


デンプシー議長は今月19日から始まった、3日間に渡る韓国の軍事関係者との会談で、
北朝鮮という脅威への対抗を目的とした、両国間の軍事・安全保障面での協力に加えて、
高高度防衛ミサイルを韓国に配備することについても協議を行っています。



これまで長期間にわたり検討されている、
韓国への高高度防衛ミサイルシステム・サードの配備の問題は、ア
メリカの軍事関係者にとっての課題であり、今月から本格化しました。



今月の初めに、アメリカ太平洋軍のロックリア司令官は、
北朝鮮の軍事力をめぐる一連の喧騒の後、韓国へのサードの配備は必須であるとし、
その実行を求めています。


アメリカは、このミサイルを配備する目的は
あくまでも北朝鮮のミサイルの脅威に対抗するためだと主張していますが、
中国外務省はサードの使用は、韓国の安全保障上の実質的なニーズをはるかに超えているとし、
アメリカのこのような行動は朝鮮半島の治安の状況に着目すると、
この地域の情勢をさらに危機的な状況に陥れるだろうと表明しました。



また、ロシアの軍事関係者も、
朝鮮半島の情勢に関与している国々は、慎重に行動すべきだとしています。



アメリカ・ロッキード社が製造したサードは、
標的の追跡能力が2000キロに及び、北朝鮮や中国、
さらにはロシアの一部までもがその射程圏内に含まれます。



このため、韓国にサードを配備するというアメリカの決定は、
北朝鮮の反対に加えて常に中国やロシアの反対に直面してきました。


中国とロシアは、アメリカが北朝鮮の脅威を誇張し、
韓国で自らの軍事力を利用することで、
地域でこの両国に対抗し、利益を得ようとしていると考えています。



さらに、1953年の朝鮮戦争の停戦以来、
南北朝鮮が実質的にはまだ交戦状態にあり、平和条約を締結していないことから、
朝鮮半島におけるアメリカ軍の挑発的な行動をはじめとする
あらゆる軍事的な行動は危険なものであり、朝鮮半島の危機をさらに悪化させる可能性があります。


しかし、はっきりしていることは、アメリカが現在起こっている抗議に注目せず、
自らの利益の確保のみを考え、朝鮮半島で危機を作り出すために
韓国に高高度防衛ミサイルシステムを配備しようとしていることなのです。


アメリカは、定期的な軍事演習の実施により、
韓国へのこのミサイル防衛システムの配備を主張することで、
この地域の情勢不安を誘い、同時に韓国に対し、自国の新しい兵器の売却を目論んでいます。




アメリカはまた、韓国との軍事協定を強化し、
中国の怒りを煽ることで、韓国と中国のより緊密な行動を阻止しようとしています。



現在、中国は韓国の最大の貿易相手国であり、
両国の貿易額は2354億ドルと推定されていますが、
一方でアメリカと韓国の貿易額は1156億ドルにとどまっています。


このため、韓国は苦渋の決断を迫られているといわれていますが、
その理由は韓国がこの問題に関して中国の懸念を無視できないことにあります。


こうした理由で、韓国はアメリカの圧力にさらされながらも、
これまで高高度ミサイルシステムの配備を巡る、
アメリカとの直接的な協議を全て断ってきており、
両国の軍事的な協議はあくまでも安全保障協力の枠内でのものであると釈明しているのです。


http://japanese.irib.ir/news/%E6%9C
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おそらく、韓国はアメリカの要求に従い、ミサイルの導入にサインをするだろう。

現地の市民の反対を無視し、支配者同士が勝手に決める軍拡。
それに抗う市民は、場合によっては従北のレッテルを貼られ排除され、
あるいは虫の羽音程度のものとみなされ、無視される。構造は日本の沖縄問題のそれと同じだ。