ならなしとり

外来生物問題を主に扱います。ときどきその他のことも。このブログでは基本的に名無しさんは相手にしませんのであしからず。

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乗鞍岳クマ事件その後

2009-11-28 23:42:45 | 保全生態学
9月に起きた乗鞍岳でのクマ事件で現場に赴いた米田氏の報告がupされていましたので御報告します。それによると、今回の事件で事故にあわれた方は計10人、死者が出なかったのは周囲の方々がクマに襲われた人を助けようとクマの注意をそらした結果によるものだそうです。また60年間この地域ではクマによる事故がなく、クマに対応できるような武器を持っていなくとも責めることは難しいとのことです。
・・・ほんとはもっと早く紹介する予定でした。遅れてすみません。

ここからは愚痴になりますが・・・
なんで熊森はこうしたレポートを出さないのかな?あれほど噛みついておいて何もしないというのはもはや専門家を騙った悪質な野次馬に見えるんですけど。実践主義のようですけど現場に人を送って調べなかったのかな?ほんとにクマ保全やる気あるの?
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感情との折り合い

2009-11-26 23:50:52 | 議論
 すいません。武田氏批判のおまけの方はもう少し時間がかかります(今週中にはできるといいのですが・・・)。現在、また風邪をひきましていろいろ予定がくるっております。
 そんな近況報告は置いといて。今日は批判をするということに対する雑感を書きます。僕も多少、生物多様性関係のおかしな言説に対して反論をおこなっているのですが、そのときにおかしな言説にはまってしまう人に対してイラッと来てしまうことがあります。はまってしまう人を見ると少しネットで検索すれば簡単に間違いと分かることでも調べずに「○○氏すご~い。やっぱ外来生物対策なんてデタラメなんだ」となっていることが多いんですね。しかも教師なんかにもいる。で、こういうのに対して「なんでそいつの言ってることが正しいのか裏取りしねえんだよ。お前の頭には何がつまってんだ、おい?」となってしまう僕がいるんですね。でもこういう感情を振り回して理詰めで罵倒するようになっては周りの人からも引かれて、結局マイナスになるというのがうすうす分かるんですよ。自重するように心がけてはいるのですが・・・。
いわゆるニセ科学批判をおこなっている人はこういった気持ちとどう折り合いをつけているのでしょうか?機会があったら聞いてみたいです。
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ここが変じゃない?武田さん2 バスとギルのコンボ攻撃

2009-11-22 20:47:01 | 武田邦彦
 はい、前回と同じく今回もブラックバスについてのつっこみを入れていきます。前回は伊豆沼を紹介しましたが、もしかしたら納得のいかない人もいるかも知れません。たとえば「やっぱり水質が悪かったわけだしほかの要因も無視できないのではないか」。うん、他の要因も絡んでいるというのはおそらくどの保全の現場においてもそうでしょう。あまたの要因が絡んでより絶滅が加速することを専門用語で絶滅の渦といいますしね。
というわけで、今回は前回より水質などの環境がいいところの事例をご紹介します。場所は京都の深泥池というところです。深泥池について簡単に説明しますと、ここには他では見られない特異な生物相をもっています。植生から言えば、地衣類の一種の世界分布の南限であり、トキソウという珍しいランの仲間も自生しています。このほかにも氷河期の生き残りと思われる生物が多数生息している貴重な場所です 。
ブラックバスが主に影響を与える水生生物相について説明します。深泥池には1970年代にはカワバタモロコやメダカ、ドンコなどといった在来魚が多数生息していました 。このころの在来魚は15種です。ですが、ブラックバスとブルーギルが確認された1979年からの数年で4種の魚が消え、この20年間で9種の在来魚が絶滅あるいは激減しました。これらはブラックバスをはじめとする外来魚の影響と思われます。ちなみにこの間に護岸や水質汚濁といった人為的影響に大きな変化はありません。
また、そのほかの水生生物でも、1979年と2002年を比較したデータによれば、フタバカゲロウという水棲昆虫やトンボ類が2002年では以前と比べ激減しています 。なぜこれがブラックバスとブルーギルの影響といえるかというと、ユスリカなど泥にもぐる水生生物は増えているからです。仮にコイの場合は底の泥をひっかきまわしますからこうはならないでしょう。

投網による調査では1979年にはヨシノボリやメダカなど多様な魚類相を持っていましたが、その後の調査(2004年まで)ではメダカは確認されず、ほかの在来魚の全体に占める割合も少なくブルーギルが優先した状態にあります。ちなみにブラックバスとブルーギルは1998年からの駆除努力により70年代からの個体の子孫と思われるブラックバスはほぼ駆除し、ブルーギルも8割以上を継続して駆除していけば2010年には100個体以下にできるという試算ができています 。
ブラックバス編のメインはこれで終わりですが、おまけも用意してあります。
 
参考資料
 深泥池の自然と暮らし,2008,p16
http://www.jca.apc.org/~non/report/mizoro-2004-hokoku.pdf 
 深泥池における魚類相の変化
深泥池の自然と暮らし,2008,p78
深泥池の自然と暮らし,2008,p168~170

おまえらに生物多様性は語れない

2009-11-20 23:03:19 | 武田邦彦
 今回は箸休めのような記事です。
ネットで検索していたら池田清彦と武田邦彦のコラボ動画を見ることができました。

『現代のコペルニクス』#1

あほらしいので僕は前篇しか見ていません。まあいつも通りの池田のいちゃもんつけなので外来生物の部分は特に驚きはしませんでした(管理された外来生物とそうでないものをごっちゃにするとか)。こちらを読みながら動画を見てください。
しかし池田の超馬鹿な発言で腰を抜かしました。いわく「人間は非常にたくさんいるから遺伝的多様性が高い」そうです(元動画の17分30秒あたりから再生してみてください)。
はい?人間の場合は遺伝子プールがほぼ均一(9割以上は同じ遺伝子のはず)でむしろ近縁の絶滅危惧種のチンパンジーより種レベルでみた場合の遺伝的多様性は低いはずじゃなかったっけ?ここら辺は人類学を少しでもかじった人間なら常識の範疇でしょう。それにつっこめないで相槌しか打てない武田氏も嘆かわしい。生態学も含めてまともに専門用語を理解してすらいない。

なにが『現代のコペルニクス』だ。コペルニクスに土下座して謝れ。
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ここが変じゃない?武田さん

2009-11-18 00:03:25 | 武田邦彦
 お待たせしました。武田邦彦氏の外来生物に対する主張についてつっこみを入れていきます。
では、武田氏の論理のおかしな所を指摘していきましょう。まず指摘するのは、武田氏のブラックバス(オオクチバスとコクチバスの総称)に対する認識についてです。武田氏はこう主張しています。

>たとえば、外来種として有名なブラックバスは1920年代に食糧確保を目的として輸入され、当時は日本の淡水魚に勝てなかった。でも、次第に日本の自然が汚れてきたので、ブラックバスが繁殖するようになったのだ。

つまり、武田氏は自然環境が良好ならバスは繁殖しないし、ほかの在来生物を駆逐することもないと言いたいのでしょう。ここでいう日本の自然が汚れたというのが具体的に何を指しているのかはっきりと述べられていませんが、おそらく水質の悪化などを指していると思われます。

それでは武田氏の主張に対する反例を挙げさせていただきます。まず、オオクチバス指定時の小委員会で使われたデータ[i]によれば、環境改変がない場所474ヶ所の内の248ヶ所でオオクチバスの被害が顕著とあります。
このデータはランダムサンプリングをしているわけではないので統計資料として用いるには注意が必要ですが、たとえ環境の変化が軽微であったとしてもオオクチバスが在来生物に猛威を振るうということがあり得ないことではないことはおわかりいただけると思います。
 
 さらに具体例を紹介しましょう。宮城県に伊豆沼・内沼という湖沼があります。ここはラムサール条約登録湿地であり、多数の水鳥とそれを支える水生生物が生息していました。もともとここの水質は悪いのですが、絶滅危惧種のゼニタナゴが漁業として成り立つほど多く水揚げされた場所でした。具体的には定置網1ヶ統1日当たり580尾が漁獲[ii]されていました。オオクチバスは1992年に220kgの漁獲があった後、1996年に700kgが水揚げされるまで漁獲はありませんでした[iii]。 
しかし、この1996年から伊豆沼・内沼の魚類相は一変します。漁獲の多かったタナゴ類、モツゴなどが大きく減少し(タナゴ類は95年までは5~11tあった漁獲が96年には0.8t[iv])、2000年の段階ではハゼ科魚類2種とメダカ、ゼニタナゴが定置網による調査で確認されなくなっています。またモロコやモツゴなども個体が大型化し、小さな個体が見られなくなっています。こうした大型化する現象はオオクチバスが侵入した水域でよくみられます。漁獲も1995年までは30~40tで推移していたのが1997~1999年には11~13tに減少しています。一方、オオクチバスの漁獲は1997~1999年にかけ急増し、毎年2~3tが漁獲されるようになりました。 この間、伊豆沼・内沼における水質は目立った変化を見せていません。タナゴ類の産卵場所となるカラスガイやイシガイなどが大量へい死しているわけでもありません[v]。つまり、目立った環境の変化がないにも関わらずオオクチバスは増え、在来種に猛威をふるったわけです。

タナゴ類が減った理由を考察してみます。オオクチバスはタナゴ類やハゼ類をよく捕食します。ここで問題なのはタナゴ類が捕食されるだけでなくハゼ類も捕食されるということです。なぜこれが問題かというと、ハゼ類はタナゴ類が産卵する貝類の宿主となる[vi]からです。つまり、ハゼ類が捕食されるということは貝類の再生産を妨げ、結果タナゴ類の再生産も妨げられるということです。伊豆沼・内沼でタナゴ類が回復しないのもオオクチバスの捕食により現存する個体群と未来の産卵場所の両方がダメージを受けているからだと思われます。
これでも十分かと思いますが、駄目押しにもう一つ用意してあります。お楽しみに。




[i] http://www.env.go.jp/nature/intro/4document/sentei/fin_bass02/ext01.pdf
[ii] 川と湖沼の侵略者ブラックバスp51
[iii]川と湖沼の侵略者ブラックバスp49
[iv]川と湖沼の侵略者ブラックバスp48
[v]川と湖沼の侵略者ブラックバスp56
[vi] タナゴ大全,2009,マリン企画p155

クイズ企画?

2009-11-15 23:05:01 | 外来生物
 現在、武田氏批判の資料集めが終わり、プロットを作り終えました。今週の半ばには批判第一弾を公開できると思います。ただ批判するのも面白くないので、今回はブラックバスに関して僕が使うデータを取った場所を当ててもらいたいと思います。以下の5つから2つ選んでください。

1.伊豆沼(ラムサール登録地)
2.琵琶湖(ラムサール登録地、バス問題でいろいろ騒ぎが起きた)
3.深泥池(希少生物多数生息)
4.片野鴨池(ラムサール登録地)
5.芦ノ湖(バス釣りのメッカ、ブラックバスが最初に放流された)

さあ、このうち僕が使うのはどの場所のデータでしょうか?5つの内2つが正解です。正解者には・・・・・・なにも出ません(笑
というのは冗談で、正解された方は僕がコメント欄で「さすが○○さん!」と褒めます(そんなのなくてもいいよというのは無しで)。コメント欄かブクマにて回答受付中です。

追記
忘れてた・・・回答の締め切りは批判第一弾が出るまでです。
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トンデモさんに思う

2009-11-12 21:26:34 | 議論
 ブクマでのみつどんさんのコメントに誘発されて思ったことです。

>トンデモさんの特徴として、切磋琢磨できない、しないと言うのがあると思うんだ最近。このお方はしない方。思いつきをもう一歩深めようとしない。/深めようとして他のトンデモ吸収しちゃっても困るけれど。

 トンデモさんの特徴に切磋琢磨しないかあるいはしても中途半端というのはあるように思います。先日の彼もそうですね。あれは外来生物のことを理解しているというより新聞やテレビで見聞きしたことが1,2度ありますよくらいのレベル。こっちもまさかあんなことを言っておきながらホテイアオイやマングースを対策の例に持ってこられるとは思わなかった。自分が持ってきた事例で持論を自爆させてどうする(w
彼は生命倫理を持論に持ってきていたけれどシンガーのようなその道で有名な人のことはおそらく知らないし、著作を読んだこともないと思われます。判断した理由は論理構成がつたないから。少なくとも倫理や哲学、論理学をやってる人間なら根拠の記述には注意を払うでしょう。根拠の部分をちゃんと述べないと他人には理解してもらえないですからね。せめてどういう関係性があるのか説明して欲しかったと無い物ねだりをしたいです。

いろいろぼろくそに書いていますが、こっちもまさかここまでぼろくそに書けるほど無知とは思わなかったんだ。

こちらのブログ(ダーウィン種の起源を読むの北村氏のブログ)でもいろいろ考察されているので興味のある方はこちらもどうぞ。

まとめておくか

2009-11-10 20:03:31 | 外来生物
 来週あたりから武田氏の言っていることのどこがおかしいのか検証を始めていきたいと思います。その前に半月ほど前にあった論争のまとめをします。武田氏という汁気たっぷりの獲物の前では雑事に等しいですが。
コメントをしますと自分から言っておきながら半月以上もコメントをしないのなら、コメントをする意思なしとみなしてこちらで勝手にまとめを始めてもかまわないでしょう。

・彼の主張(言いたいこと)
 一言で彼の主張をまとめてしまえば“外来生物を殺すな”でしょう。というよりもそれ以外の主張が存在しません。いたってシンプル。ただし後述する問題点により一気に複雑怪奇な論理になります。

・論理がわからん
 彼の論理は根拠を説明することを省いているため他者が見て理解不能な主張が多いです。たとえば

>動植物の根絶政策の上に、鉱物と人間を同列に取りあげて考えてみた場合どうしてもナチスの虐殺政策に重なる場合があります

といった主張です。そこでどうして鉱物と動植物を同一のものとして語れるのかこちらにはまったくわかりませんでした。
こちらもこれ以上書くのは疲れるのであとはコメント欄や先方のHPで探してみてください。あまりの多さに僕はめまいがしました。

・対案に無理がある
 彼は自身がきちんと外来生物問題を解決しようと考えていることを示すために対案を出してきますがどれも薄っぺらです。たとえばマングースなどに対しては不妊手術を用いるというのが彼の主張ですが、駆除する側をナチスと言い出しておきながら不妊手術はないでしょう。ナチスが身体障害者などに対し行った強制断種の事実を知らないのでしょうか。ここから言えるのは彼は論理の副作用に注意を払わない論理的思考ができていない人間ということです。


・もろもろ総合すると・・・・・・
 どうも彼はその場の思いつきと好みで論理を組み立てて、事実関係や整合性は二の次とする人のようです。ぶっちゃけオレ様理論家。で、つっこまれると反論もできずに「あなたはわかっていない」とかいった捨て台詞を吐いてトンずらすると。僕がこの人に言いたいのは「理屈こねる前に図鑑よんだら?」ということですね。もう「外来種ハンドブック」読んで理解しろなんて高度なことはこんな人に要求しません。小中学生向けのハンドブックタイプの薄い図鑑がリバーフロントなどから配布されていますから、まずはそれから読んで外来生物の事例を知ってください。あと、思想的根拠とやらが知りたきゃ環境倫理学でも勉強したら?あなたに理解できる答えがあるかどうか知らんけどね。

ブクマなりコメント欄で要望があればもう少しやるつもりです。

武田邦彦がすげえこと言った!(外来生物問題に首を突っ込んだ)

2009-11-08 12:28:03 | 外来生物
 臨時ニュースです!!地球温暖化やリサイクルに対し批判的な言説をおこなっている武田邦彦氏がついに外来生物問題について言及しました!

日本と日本人  外来種と多様化
リンク先を見て「これなんて池田清彦?」なんて言いっこなしです。
僕が特に注目しているのはこれ↓

>たとえば、外来種として有名なブラックバスは1920年代に食糧確保を目的として輸入され、当時は日本の淡水魚に勝てなかった。

でも、次第に日本の自然が汚れてきたので、ブラックバスが繁殖するようになったのだ。

素晴らしい!この短いセンテンスにいくつ突っ込みどころがあることか。
是非ともネタにさせていただく。ぶっちゃけ池田清彦よりも食いでがあるよ!


武器持ってふざけるなよ・・・

2009-11-08 11:43:18 | Weblog
 まだ体調が悪いので本格的な記事は書けません。代わりといってはなんですが今日見たニュースに関しての感想を。

矢刺さった高校生死亡

 眉間というのはおそらく偶然でしょうけど、アーチェリーというのは人に向けて使うのが本来の用途ではないので、ふざけていたものと思われます。ただ、こういうものは元をたどれば人や動物を傷つけるための武器なんですから、扱いに注意すべしましてや必要がないなら人に向けるなというのは武器から発展してきたスポーツをする人間のマナーではないかと思います。武器から発展してきたスポーツって一歩間違うと防具付けてたとしても大怪我を負いかねないものなんですよ。たとえば剣道の突き。ごく稀ですけど防具の隙間から竹刀がのどにあたって死ぬこともあります。僕もけいこ中に防具の隙間から突きが入ってグェッとなったことは何度かあります。あれはけっこう苦しいです。あとは剣道がらみでいうと剣道をやり始めたときに竹刀にささくれがあったらすぐ削るか換えるように先輩や先生から言われます。どうしてこんなことを言われるかというと、ささくれた竹刀だと相手の面を打った瞬間にささくれの破片が飛んで相手の目に入る危険性などがあるからです。ですから剣道をやる人間にとって自分の使う竹刀にささくれがないかチェックするのは重要なことです。自分だけでなく相手も怪我をするかもしれませんから。
しかし今回、事故を起こしてしまった生徒はこれからどう自分と向き合っていくんだろうな・・・。
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