ならなしとり

外来生物問題を主に扱います。ときどきその他のことも。このブログでは基本的に名無しさんは相手にしませんのであしからず。

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外来生物問題に見られるダメな言説のパターン

2009-08-30 23:03:41 | 議論
熊森や池田清彦達に反論してきて彼らの意見のだめなところの知見の蓄積ができてきましたので、ここに公開します。外来生物問題を語る人を見たときに判断材料の一部にでもしてください。

既存の外来生物の定義を分かっていない
“「自然との共生」というウソ”の著者である高橋敬一氏を具体例としてあげます。氏の場合、“「自然との共生」というウソ”のP99でこのように述べています。

>外国から入ってきて、なおかつその移動に人間が関与している種が外来種と呼ばれることが多い。しかし国境などは人間が勝手に決めたもので、本来ならばある地域へ他の地域から入ってきた種はすべて外来種と呼ぶべきだろう。

問題となっているのは生態学で言うところの地理的隔離や自然史が無視されているからです。べつに国境で区別しているわけではありません。日本の場合は島国のためそういった外国から来る外来種の判別が容易というだけの話で実際は琵琶湖産アユの放流など国内での移動も問題視されています。

勝手にオリジナルな外来生物の定義を作りたがる
池田清彦が典型例です。彼の場合は“外から来たもの”というくくりで自力で来た生物も人為的に来た生物も外来生物とします。また文化も外来生物などと言い出して外来生物という言葉を恣意的に使うケースも見られます。
この部分は書籍などを出している人によく見られます。皆「独創的なアイディアを出せるオレすごい!!」がやりたいのですね。

自分が作り上げた定義の論証がおざなりである
 作りたがる論者とほぼセットで見られます。自分の定義を作ったはいいが、それが既存の定義と比べてどこが優れているのか、現実のどの部分と整合しているのかということについてきちんと根拠を示して論証せずに自分の定義を使って外来生物問題を批判します。意外と博士号を取った人に見られます。科学のルールを忘れたのでしょうか。学生時代に論文くらい書いたでしょうに。

管理された外来生物とそうでないものを混同する
けっこうあるパターンです。人の管理下でのみ生育できるイネなどを持ち出して「外来生物は人の役に立つ。外来生物を廃絶するのは好くないor駆除しようなどという連中は損得計算ができない」などといった使い方をされます。実際には管理下に置かれずに暴走した外来生物や管理下を離れた場合のリスクが高いと考えられるものが外来生物問題での争点になりますから管理された外来生物を持ち出すのは的外れです。

防除は無駄と勝手に決め付ける
 防除(外来生物の拡散や増殖を防ぐこと。駆除も含まれる)は税金の無駄などと決めつけるパターンです。具体的に批判しようとすると防除で採られた方法やその外来生物の防除では努力量当たりの成果がどれくらいかなどといった相場を理解していないと有効な批判にはならないのでかなり大変です。ちなみに僕は熊森などのように外来生物対策に懐疑的な人たちがここまで踏み込んだ発言をしたことを未だかつて見たことがありません。

やがて新しい生態系がつくられるから問題ないとする
 防除は無駄とセットで見られることもあります。ここで持ち出される根拠としてはライオンとシマウマなどといった在来生物同士の関係が持ち出されます。在来生物のような関係にならないからこそ問題視されるんですけどね。これを持ち出す人に限って「私は外来生物の持ち込みには反対だ」などというケースが多いです。彼らの論理に従った場合、一度定着した外来生物はそのまま増えるにまかせ、拡散を防ぐための封じ込めや駆除などは却下されます。結果的に外来生物を持ち込んだ側勝ちの状況を作り上げているだけで外来生物の無制限な持ち込みに賛成しているのとあまり変わりません。

そしてここが一番肝心ですが・・・・・・
そもそも外来生物問題(ないし外来生物の具体的な事例)がどういうものか分かっていない。
 どうも外来生物問題というのがどのような生物によって引き起こされ、どのような影響があるのかという個別事例への知識が乏しいことが多いです。ですから本人たちは華麗に外来生物問題全般に反論したつもりでも「現実にはあなたの理屈に合わない事例がある」と具体例を持ち出されてあえなく沈没ということになります。どうもダメな論者は外来生物の事例を1つ、2つ知った程度(理解したではないことに注意)で外来生物問題全般を語りたがるんですね。個別の反論に留めておけばいいものをなぜかメタなことにまで反論したがる。ただしこうも考えられます。すなわち個別事例に具体的に反論できないから具体性が必要とされないように見えるメタな部分へ反論を行って全否定しようとするのではないかと。ただ、やっぱりメタを語るには相当の個別事例を踏まえないとあえなく反論をくらって沈没してしまうんですけどね。

僕の場合はこれらのパターンに一つでも当てはまったらその人は外来生物問題を理解していないものとみなしています。ただ、慎重を期すには上記のパターンに二つ以上当てはまっているかを目安にしてもいいと思います。二つ以上という根拠は単純に僕の経験則なのでこれを参考にするかどうかは各自で決めてください。

ブラックバス運んで逮捕 続報?

2009-08-26 22:28:59 | 外来生物
 先日のブラックバスを運んで逮捕になった人についてネットで調べていたら、本人がコメントをしているというブログを見つけました(もっとも本当に本人かは不明)。
感想だけ先に言うとかなり胡散臭い上に問題発言まで含まれています。
仮にこの人が本人かつ言っていることに嘘が含まれていないという仮定で考えてみましょう。
まず、この人は6月に池原ダム近くの釣り禁止区域で釣りをし、警察から注意されたようです。ここは朝日新聞の記事と一致します。
そして、8月に同じキャンプ場で泊まっていた親子連れバスアングラーと話をしたところ、子供がバスが釣れなくて残念そうな顔をしたのでバスを釣って持ってきたようです。この部分はどこの新聞社の記事とも違いますね。

>で8月、キャンプ場に泊まった私は同じキャンプ場に来ていた親子のバスアングラーと話しをしていて子供が『ブラックバス釣れなかった』と残念そうな顔をしたのでキャンプ場から一番近い七色ダムの流れ込み(距離にして1km位)でバスを釣り上げバーベキューセットを入れてきたプラスチックの箱に入れて持ってきてあげた。子供は喜んで写真撮影したりして両親からも感謝されキャンプ場をチェックアウトしました。プラスチックの箱にバスを入れてあるので、ゆっくり走らないと水びたしになる。リリースしに行く途中で職務質問され即逮捕されました。

>キャンプ場から一番近い七色ダムの流れ込み(距離にして1km位)

ここがどこかは特定できませんでした。地図を見たところ七色ダム周辺にはキャンプ場は見受けられないのですが。ですが、一キロも移動してキャンプ場にもっていっている時点で外来生物法にはしっかり引っかかります。ブラックバスの場合、そのバスを釣った湖沼、河川に隣接する道路に出た時点で外来生物法に違反しているとみなされます。これはバス釣り業界主導で作ったサイトにも書いてあることです。さらに見てみると問題発言がありました。

>5. Posted by 中田 2009年08月24日 23:01
ですね。車で2~3分ですからそれくらいかな。池原ダムから言えば下のダムですからね。警察の言う持ち出して他の場所に放流というのはちょっと違います。ちなみに、池原ダムの流れ込みまで7kmあります。一番近いボート乗り場でも2~3kmあるけど、そこからキャンプ場に持ち込みして撮影してる人もいたけどね。

重要な部分を抜粋します。

>一番近いボート乗り場でも2~3kmあるけど、そこからキャンプ場に持ち込みして撮影してる人もいたけどね。

これは問題発言です。なぜなら類似の違反行為をする人がほかにもいるということだからです。そしてご本人はさらに墓穴を掘るような発言をしています。

>10. Posted by 中田 2009年08月25日 00:22
運んだ事は認めてますよ。しかし、運搬が違法だとは知らなかったです。それに、みんながしてるって言うのも20年も前からしてる事です。それに説明も悪いかもしれませんが、みんなもしてるって意味はその場に5匹も10匹も本格的に水槽やタンクに入れて運搬して撮影してた人達が私の10m以内にいたって事ですから。ピンポイントに私だけを逮捕したしね。それに何もしてない訳じゃないですよ。私は法には素人なので弁護士に頼んでますから行動は慎重にしないとと思います。何をしているかは言えませんけど時間が必要な事なので。アナタが車を運転していて法定速度50kmの道路を60kmで走っていて周りの車らは80kmでアナタを追い抜いて行ってるのにアナタが捕まったらどう思います?私は知らなかったとはいえ罪は認めています。警察の横暴な行動をはっきりとさせたいだけです。

他にも違反者はいるから自分だけ捕まったのは警察の横暴というのは完膚なきまでに泥棒の屁理屈です。 さらに言えば、20年前からというのも気になります。20年(ないし5年以上)前から釣りをしていて池原ダムのそういった事情について知っていたのでしょうか?それともここ最近の内にそういった情報を知ったということでしょうか?仮に前者であった場合、そんなにバス釣り歴の長い人が外来生物法を知らないというのがますますありえなく思えます。僕は外来生物法施行時にバス釣り業界が大々的に外来生物法の特集やパブコメのテンプレートを用意していたのを知っていますので。
池原ダム周辺で一度抜き打ちで外来生物法に違反していないか検査する必要がありますね。

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ここがおかしい熊森協会4 口だけは立派だが・・・・・・

2009-08-25 11:12:41 | 熊森
 今回は熊森の論者としての態度にメスを入れます。・・・・・・正直、資料を熊森のHPであさっていたら、あまりにもあまりな彼らの言い草に目まいがしました。頑張って書きますので今少しお付き合いください。

熊森のドングリ運びについての見解
>過去数年間ドングリ運びを実施・検証して来た限り、指摘を受けたような問題は起きていません

だったらそれを論文にして査読付の雑誌に投稿すればいいじゃないか。もっとも、ご自身のHPですら自前のドングリ運びについて調査したデータを見たことがありませんけど。ほんとに検証してるんですか?おかしいと言っている側は実際にドングリを水につけて発芽率やドングリ内の虫の生存率を調べて論文として発表しているんですけど。どうして熊森側は同様のデータを出さないんですか?
また、外来生物問題では専門家と討論したいといいつつも専門誌に自らの見解を投稿したことはありませんでしたよね。ほかの部分も読む限り熊森は自身をトップレベルのプロと認識しているようですが、それならなんで専門家と直接向き合って対等なフィールドに上がってこないのでしょうか。リングに上がっても来ないやつをプロボクサーとして認める人がいると思いますか?
ちなみに僕が目まいをおこした文章が熊森が岐阜県に対して行ったつぎの主張です。全文引用はしないので気になった人は元記事をあたってください。

>熊森:ヒャー。乱暴、乱暴。場所によって生息密度はぜんぜん違いますよ。まして、ヘアートラップにはハチミツが仕掛けられているのでしょう。クマを寄せ集めておいて、その場所で生息密度を出して面積でかけたら、実際よりかなり多い数になりますよ。そんなので、生息推定数なんて出ませんよ。実は、ヘアートラップ法で、生息推定数など出ない。業者にお金がいくだけだというのを知った上で、きいてみたんです。

そのわりには自分のHPでヘアートラップのどこがどうおかしいのか見解を披露なさったことがありませんが・・・・・・。顧問の門崎允昭氏がヘアートラップはおかしいというご意見をお持ちのはずなのでそれを出せばいいだけに思えますが・・・・・・。

>県庁:この方法がだめというのなら、どうしたら生息数が分かるのか、批判するなら代案を出すべきだ。
熊森:生息推定数を正確に出す方法などありません。猟友会でクマに詳しい人に、この辺で何頭ぐらいクマがいるかきいたら、とてもおおまかでよかったらわかるかもしれません。
県庁:岐阜県には、クマの顔を見分けられる猟友会がいるって聞いたことがない。ヘアートラップ法がだめなら、何で生息推定数を出すのか。
熊森:生息推定数の正確に近い数など、逆立ちしても出ません。それが自然というものなのです。
県庁:そうしたら、保護管理が出来ないじゃないか。何頭いるか分からないと、何頭殺してもいいとか数字が出せなくなるじゃないか。

(゜∇゜ ;)エッ!?おいおい本気で言ってるの!?
重要なのでもう一度引用します。

>生息推定数の正確に近い数など、逆立ちしても出ません。それが自然というものなのです。

・・・・・・おい、ちょっと待て。限りなく正確な生息数の把握の必要性はワイルドライフマネジメントの本なら基本中の基本として書かれている部分でしょうが。生息数を把握した上でどの程度までなら捕獲などをしても個体群が存続できるか方針を立てるんですけど。生息数が把握できないということはどういう対策をすればいいのかわからないに直結するんですよ。熊森もこの程度のことは認識しているはずですよね?
岐阜県の担当者のまっとうな言い分に「それが自然だ」と言ってなんら具体案をださずに逃げる熊森。乱暴なのはどちらでしょうか。自称実践自然保護団体はその実ただのクレーマーでした。これで獣害問題に口を出してもどこも取り合いたくないのは確かでしょう。
熊森の辞書に情報精度を高めるという言葉は存在しないのでしょうか。一瞬この記事にデスノートのAAを貼ろうかと思いました。
リングに上がれ。まずはそれからだ。

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今回の逮捕と絡めて なぜ外来生物を運ぶことが規制されるのか

2009-08-23 21:39:42 | 外来生物
 どうもネットを見ていると今回の事件が問題なのかわからないといった意見が散見されます。そんな人たちのためにちょっとばかりなぜ外来生物を運ぶことが法律で規制されるほどやってはいけないことなのか解説します。

1.外来生物とは
 外来生物とは(意図的、非意図的を問わず)人間によって、もともと棲んでいた生息地からその生物の移動能力を超えて別の生息地(棲んでいなかった)生息地にもたらされた生物のことです。人間の活動に伴い昔からわずかながら外来生物は存在していましたが、ここ50年ほどで一気にその種類数、個体数が増大しました。原因はペットや産業目的などです。また偶然運ばれて定着してしまったというケースもあります。

2.外来生物のどこが問題とされるのか?
 外来生物というのはしばしばその土地に元来棲んでいた生物(固有種)を大幅に減少させたり、酷いときには絶滅させます。また、外来生物の中には農林水産業に被害を与えたり、人に被害をもたらしたり、生態系の機能を損なう生物がいます。このように固有種や農林水産業に悪影響を与える生物を侵略的外来生物といいます。通常、研究者などが外来生物と呼ぶものは侵略的外来生物のことを指します。外来生物問題は人を起源とした環境破壊であるので環境問題にカテゴライズされます。

3.外来生物による被害の例
ミナミオオガシラ
 このヘビはグアムに持ち込まれグアム島の鳥たちのいくつかを野生絶滅させました。たとえばグアムの固有種であるグアムクイナ(日本のヤンバルクイナに近い飛べない鳥)はグアム島ではこのヘビにより絶滅し、残った個体を捕獲、繁殖させたものがヘビのいない島に放されています。

メラルーカ
 この植物はフロリダのエバーグレイズ湿原で猛威をふるっています。この植物は吸い上げた水をすぐに蒸散させるため、湿地が乾いて別の生態系に変化させられているのです。このため湿地に生息する生物はその棲家を狭められています。

このように侵略的外来種は放っておくと甚大な被害を与えます。またどの生物が侵略的なのか否かの予測も難しいのです。そのため外来種への対策には入れない、捨てない、拡げないことが推奨されています。入れないとはそもそも外来生物を持ち込まないことで、捨てないとは持ち込まれた外来生物を人間の管理下に置くことで生態系などに影響を与えない、拡げないとは野外に出てしまった外来生物をそれ以上拡散させないことで被害を最小限に抑えることです。
日本でも遅まきながら外来生物対策として外来生物法が2005年に施行され上記の3つを基本として外来生物対策にあたっています。

4.なぜ外来生物を運ぶことが問題なのか
 今回の逮捕ではブラックバスを運んだことが逮捕の原因です。ではなぜブラックバスを運ぶことが問題となるのでしょうか。まず、ブラックバスというのはオオクチバスとコクチバスという2種類の魚の総称です。今回は奈良県の池原ダムで逮捕されたので、運ばれたバスはオオクチバスとみていいでしょう。オオクチバスはほぼ全国に生息していますが、コクチバスはオオクチバスに比べ分布が限られており奈良県でコクチバスが確認されたという情報は僕の知る限りでは無いからです。
このオオクチバスですが、この魚は北米原産の魚でIUCNという世界的な自然保護機関の作った世界の外来侵入種ワースト100に選ばれている魚です。つまりそれだけ持ち込まれた先での影響が危惧されている外来生物ということです。また、日本でもこの魚に関する研究は多くなされており、それらの研究結果から対策をすべき外来生物という合意が研究者間で得られています。このため紆余曲折を経て外来生物法で飼育や持ち運びが基本的に禁じられている特定外来生物にオオクチバスは入っています。
今回逮捕されたのは外来生物法で規制されている拡げないに反する行為をやってしまったからです。全国に拡がってしまったといえど外来生物を他所に持っていくということは外来生物の遺伝子交流を促進し、遺伝的多様性を増すことで一層外来生物を増やしてしまうことなどが危惧されます。ですから、今回の逮捕は妥当であると考えます(実名報道はやりすぎかもしれないけど)。

参考文献
移入・外来・侵略種―生物多様性を脅かすもの
外来種ハンドブック

ブラックバスを運び逮捕される

2009-08-20 20:11:46 | 外来生物
 奈良県で釣ったブラックバスを生きたまま運び警察のお世話になった人が出ました。

釣ったブラックバスを車に=「彼女に見せたかった」、男逮捕-奈良県警
8月19日20時38分配信 時事通信

 特定外来生物のオオクチバス(ブラックバス)を生きたまま車に運んだとして、奈良県警吉野署は19日、特定外来生物法違反容疑で大阪市生野区生野東の電気工事士中田盛央容疑者(42)を現行犯逮捕した。容疑を認め、「釣った魚を彼女に見せたかった」と供述しているという。
 オオクチバスは特定外来生物に指定されており、生態系を壊す恐れがあるため、運搬や飼育が同法で禁止されている。県警によると、生きたバスを運んだとして、逮捕されたのは全国でも珍しいという。
 逮捕容疑は、同日午前11時10分ごろ、奈良県下北山村の池原ダムで釣ったオオクチバス2匹を生きたまま、水を張ったクーラーボックスに入れ、車に運搬した疑い。
 同署によると、池原ダムはバスの釣り場として有名で、中田容疑者は、18日から彼女と釣りに来ていたという。 

この行為がどう問題なのかはゆーにさんのところで丁寧に解説されていますのでそちらをご覧ください。
僕の感想は、よりにもよってバサーが逮捕かよ!?と思う反面やっぱりねという気持ちもあります。ただバサーは数年前の外来生物法のときにブラックバスの特定外来生物指定に集団で反対し、専門の雑誌では外来生物法が施行されたらどうすればいいのか特集まで組まれており、一般人よりはよほど外来生物法に詳しいはずなんですが。
2chなどではこれで逮捕というのはおかしいといった意見も見受けられますが、これは十中八九確信犯でしょう。

しかし、このように警察沙汰になるのは未判定外来生物のカエルを輸入したノアズアーク以来でしょうか。外来生物法のことを良く知っているはずの人間がこういった法律違反をするのは残念ですが、外来生物法の取り締まりが緩いことを逆手にとって法律違反をしても捕まらないだろうと、たかをくくっていたのではないかと思われます。
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NHKで外来生物

2009-08-19 23:12:48 | 外来生物
 今日なんとはなしにテレビを見ていたら、NHKで外来生物について特集が組まれていました。

ちょっと変だぞ 日本の自然「気がつけば様変わり 大激変SP」

僕は途中からしか見ていないのですが、この特集で主に取り上げられた外来生物はアライグマ、北海道のウチダザリガニ、沖縄の熱帯魚、カミツキガメなどでした。ほかに取り上げられた外来生物もクワガタやマツノザイセンチュウなど割とポピュラーな外来生物が多かったように思えます。また、外来生物と対比させる目的で在来生物のカワウも取り上げられていました。
 内容としては、正直なところ他の番組の焼き直しのような感じをぬぐえませんでした。なんというか浅い。アユやオイカワなどが出ているにも関わらず、国内外来生物の話がなかったのは残念でした。おそらく製作サイドが混乱をさけるためにあえてやらなかったのだと思いますが、いい加減、国内外来種についてもしっかり知らしめなくては遺伝子撹乱についての理解なども遅れるのではないでしょうか。
また、せっかく出演者たちが畑や田んぼでナスやトマトなどの外来生物にふれているのに、それらが外来生物であることには触れられないままでした。番組では古くからある外来生物としてナズナやクローバーを紹介していましたが、外来生物問題をより深く考えるには身近にある野菜類を紹介してもよかったのではないでしょうか。
できれば私たちの身の回りにあるトマトやイネといったものも厳密には外来生物であり、利もあり害もある外来生物たちとどう折り合いをつけていくのかまで踏み込んで欲しかったです。一緒に出演されておられた五箇先生(外来昆虫の研究で有名でメディアに出ることも多い)も基本的な話だけで踏み込んだ話はあまりありませんでしたし。ただ、五箇先生が外来生物問題の行き着く先として生物相の均質化を述べられていたのはよかったです。やはりそこが外来生物が問題視される要因の一つですから。
全体的に不満ばかりですが、それでもこういった特集が組まれること自体は喜ばしいので今後もやってほしいと思います。

ここがおかしい熊森協会3 そもそもこれじゃ話にならないよね

2009-08-17 20:36:49 | 熊森
 ただいま獣害などについての情報も集め始めた管理人です。正直、あまりに熊森が独善的で嫌気もさしていますが、たぶん僕以外はだれもこんなことをやってくれないと思うので自己満足のために頑張ります(笑。
 第三回目は熊森のアライグマ等に対する言説を見ていきましょう。これまでで一番熊森が欺瞞的に見える個所かもしれません。皆様はあきれない、怒らないための心の準備はできましたか?では始めます。

現実的、無意味な「アライグマ根絶」

>私たちは、以下の理由から環境省や一部の研究者がすすめる外来種殺処分は、大問題だと考えています。
 一度野に出た外来動物を根絶したり、一定の数に維持し続けることは不可能です。莫大な税金を毎年使えば一時期数を減らすことはできるかも知れませんが、手を緩めればまた元に戻ってしまいます。国内・海外では、ごく小さな島を除いて外来種根絶策は失敗しています。結局、無用の殺生・税金の無駄遣いとなってしまいます。
動物達に負担をかけない方法での解決策を

 無用の殺生なんてことを言い出したら、そもそも外来生物に在来生物が食われたりすること自体が無用の殺生です。なぜなら、本来そこにいないはずの生物に食われる予定なんてありませんから。さらに熊森は動物たちに負担をかけない解決策を希望しているようですが、それならば何故、アライグマなどへの対策は新しい生態系が出来上がるのを待てというのでしょうか。対策が遅れればその分、在来生物が食われたりするわけですが。在来生物にかかる負担は無視ですか?命を大切にってのは在来生物は適応範囲外なの?
倫理を持ち出すならこういうことにも目を向けてしかるべきではないでしょうか。ここで勝手に外来生物駆除=莫大な税金を投入するもの→継続的に続けられはしない→無意味という前提の三段論法が展開されているのも個人的には腹が立ちます。
さて、つぎはものすごい問題発言かもしれません。

>また、外来動物を殺さなければならないという考えは、外国人に対する偏見・差別につながっていく
おそれがあります。

すごいですねえ。熊森の中では外国人=外来生物の図式が出来上がっているのでしょうか。そもそも外来生物の定義上、本来の生息域から人為的に(つまり、本来ありえないその生物が持っていない移動方法で)持ち込まれた生物が外来生物となります。人間の輸送手段という人間が開発した方法で来ている外国人の場合、外国人=外来生物の図式にはならないんですが。あ、いやこういうことを言うのは別に珍しくもないですよ。古くは池田清彦が「環境問題のウソ」などで言っていたのでそれをぱくった、もとい参考にしただけでしょうし。ただ倫理に踏み込んだ話をしておきながら人種差別的な発言が出てくるとは想像の斜め上をいきました。

また、熊森が言うところの外来種殺処分派のシンポジウムとセミナーの感想で、  

>公的な機関が、このような一方的な考えの人ばかりを壇上に挙げて、公的な場所で、公的な資金で、一方的なセミナーを開催することに、大きな問題を感じました。

と言いつつも、

>兵庫県立人と自然の博物館田中哲夫主任研究員は、「法律は新たな移入種には有効だが、既に定着している種については効果薄」と指摘しています。やっと、熊森の主張と同じ人が研究者の中に出てきました。

というのは、もはや自分たちに都合の良いとこしか見ない(というか見えない?)ものとして解釈すべきでしょうかね。ちなみにこの熊森の主張と同じ研究者が処分派のシンポジウムでアライグマについて講演したわけですが。

>半分は反対意見の人をも壇上に上げて、討論するべきです。外来種殺処分派の主張には問題点がいっぱいあるのに、殺処分に反対するわたしたちには、指摘する時間さえ保障されません。

問題点をきちんと指摘できるなら是非やってもらいたいところですが、少なくとも熊森では無理でしょうね。とりあえず自分の論理矛盾を直すところから始めないと研究者と議論することはおろか大学生、高校生レベルのディベートにすら発展しないでしょう。だって自己矛盾や事実誤認なんて議論としては論外だもの。
さて、個人的に一番呆れた・・・・・・というか嗤ったのが以下の文章です。

>早稲田大学教授池田清彦著、「環境問題のウソ」3 外来種問題のウソとホント 
(2005年12月出版 ちくまプリマー新書、760円)を、読まれたある顧問が、外来動物は皆殺しにしなければならないというウソが、はっきりわかったと言われていました。みなさんも、是非お読み下さい。

生命の尊厳がわからなくなった研究者に洗脳されて、行政のみなさんが決められたことは、哀れなアライグマたちの皆殺し。熊森は、人間の考えつくことが空恐ろしくなります。

そうか、池田清彦で開眼しちゃうレベルなのか熊森の顧問とやらは。たいして論理的思考できないのね。
さらに負け犬の遠吠えレベルのご発言。

>熊森はマスコミに、熊森の外来種観を取り上げて国民のみなさんに問うてほしい、どっちの言っていることがまっとうか外来種根絶派の学者と紙上討論させてほしいと、何度か頼みましたが、どこも取り上げてくれませんでした。

紙上討論ねえ。あんな歪んだ生命観、外来種観で研究者あいてに討論できると思ってるんですね。そもそも研究者に相手として見られていない現実があるわけですが。うちでよければやってみます?
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熊森で外来生物のことを書いてる人を見つけました

2009-08-15 00:15:35 | 熊森
 ネットでドイツの外来生物対策について調べていたら、こんな記事を見つけました。

【好評連載】小山直美のドイツ報告
第3回 ドイツの野生動物 その2 外来種


ふむ、どっかで見たことあるような・・・・・・と思ったらなんと熊森のサイトで見たものでした。

ドイツの外来種事情

この二つの記事をよく見てみると文章のスタイルが似通っているだけでなく、使っている写真まで同じなんですね。最初の記事に使われているものは熊森で使われている写真を拡大したものです。
もしかすると熊森の外来生物問題に関する記述の大半はこの人が書いているのかも。
 熊森が言っているドイツの外来生物事情についても個人的には違和感ありまくりなので現在調べている最中です。ただ、日本語で読めるよい資料が見つからず、英語圏のサイトを調べないといけないので「ここがおかしい熊森協会」には組み込めないかもしれません。たぶん半年か1年先にはまとめを発表・・・・・・できるといいなぁ~。気長にお待ちください。
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ここがおかしい熊森協会2

2009-08-11 18:42:35 | 熊森
 第2回です。どういうわけか一部の人からは期待されているようで、梨はプレッシャーで潰れ、果汁がぐちゃっと染みだしそうです。そんなことになったら部屋が汚れるので頑張って耐えますが(笑。
そんなどうでもいいことは置いといて本題です。熊森の外来生物対策に対する批判を見てみましょう。

【外来動物根絶派の主張のまやかし】

>× アライグマは天敵がいないから、このまま放置しておくと日本中アライグマだらけになる?
 外来種根絶派の研究者の中には、上のように言う人がします。

 とりあえず、どこの誰がそんなこといったの?まあ、全国的にアライグマが生息するようになるということをアライグマだらけになると言うのであれば、間違いではないでしょう。各地でアライグマの分布域は拡大していますから。あと「言う人がします」ってのは好意的に考えて「います」の間違いですよね。もしも「言う人がいる気がします」とかだったらシャレにならんし。

>確かにアライグマは、日本では人間以外に天敵はいません。しかし日本で明治時代に生態系の頂点にあったオオカミを絶滅させた後、キツネやタヌキが爆発的に増えたりしていません。自然界の中で、天敵がいないからと、動物がいつまでも無限に増え続けることはあり得ません。

 基本的な指摘から。オオカミの獲物って主にシカやイノシシですからキツネやタヌキにそれほど強力な淘汰圧として働くとは考えにくいのですが。ちなみにシカはオオカミが絶滅したあと人間の狩猟で一時期激減しました。北海道のエゾシカの事例が有名です。また、確かに資源が有限である以上、無制限に増え続けるのは不可能なわけですが、増えていく過程で在来生物を減少させることも問題なわけでして。ここで熊森は有名なオオヤマネコとカンジキウサギのグラフを持ってきていますが、これって在来生物同士の関係ですよね。外来生物問題では何が起こるか予想できない(しにくい)というフランケンシュタイン効果が危惧されているために“予防の観点から持ち込まない”ということが推奨されているわけですけど、何のつもりでこのグラフを持ってきたのでしょう?まさかいずれ落ち着くから問題ないとでもいうつもりでしょうか。だとするなら熊森は予防という概念を理解していません。外来生物問題では在来生物同士のような関係になるかどうかわからないからこそ持ち込まないという選択肢が推奨されているのに、いずれ落ち着くなら問題なしという立場をとるならそもそも外来生物を持ち込むことに積極的に反対する理由がないです。つまり熊森の言動は予防原則を形だけなぞっただけのポーズということになります。

>外来種は生物なので、当然生態系に何らかの影響を与えます。しかし人間による自然破壊、環境汚染に比べれば、はるかに軽微なものがほとんどです。人間による自然の乱開発を止められない環境省が、外来種をスケープゴートにして責任逃れしようとしているとしか思えません。

軽微というなら根拠を示してください。また外来生物が開発のスケープゴートになっているといいますが、逆説的なことを言えば熊森も外来生物の害から目をそらすために開発をスケープゴートに持ってきているわけでして、非常に不毛で非生産的な責任のなすりつけ合いをマッチポンプで行っているように見えます。どちらも問題でそれぞれ対処が必要という視点になぜ立てないのか。

>研究者・捕獲業者の中には、自分たちの利益になるからという理由で、外来種根絶を声高に叫んでいる人たちが多くいます。自治体の外来種捕殺事業では、研究者・業者に多くの税金が流れています。

 税金が流れているから何なのでしょう。問題はそれが有効に使われているか、費用対効果にみあうのか具体的な批判をすべきであって、具体例も出さずあたかも金目当てであるかのように批判するのは陰謀論者と同レベルに自らの言論を堕とすだけかと。批判事例にしても情報が少なすぎて判断しかねます。まず、600万円がどのように使われたのか全く情報がありません。猫などが混獲されたようですが、それらがその後どうなったのか述べられていません。正直なところ断片的な事実の羅列だけであり、これだけで批判をするというのが無茶です。

根拠なき意見は言論の場で無責任な放言にしかならないことを自覚してください。これで批判したつもりというのは片腹痛く、熊森がまるでピエロに見えます。

ここがおかしい熊森協会1

2009-08-09 00:45:00 | 熊森
さて、8月にやると言っていた日本熊森協会のおかしな所を指摘する「ここがおかしい熊森協会」を始めていきます。第一回目は外来生物に対する熊森の見解を見てみましょう。

【外来種問題に対する熊森見解】

ここにある熊森の主張を一部引用します。

>(熊森の主張 )
 在来生態系からの全頭排除が可能なもの
 ⇒捕獲して飼育
 在来生態系からの全頭排除が不可能なもの
 ⇒世界的に見ても根絶殺害は不可能。
 新生態系が形成され、落ち着くのを待つしかない。
 ただし、そのうち
 (1)人間への被害が大きいもの 
 →被害防止、被害補償を中心とした対策を実施すべき
 (2)在来希少種を絶滅させる恐れがあるもの
 →在来希少種の方を、囲い込み等により保護すべき

 できもしない根絶駆除を目指して外来動物を殺害し続けることは、生命軽視思想以外のなにものでもない。手を緩めると、また元の生息数にもどるので、無用の殺生、税金の無駄遣いである。

捕獲して飼育はいいとして誰が飼育設備や資金を捻出するんでしょう?熊森さん自身がやるなら別にいいかもしれませんが。
それよりも僕が環境保全として問題と考える熊森さんの主張があります。
>(2)在来希少種を絶滅させる恐れがあるもの
 →在来希少種の方を、囲い込み等により保護すべき

孤島に生息する希少種の場合どうするんですか?また、囲い込みを外来生物が突破してきた場合は?これらの事例はあり得ないことではありません。世界でも外来生物の被害を受けやすいのは大陸から離れた島々ですし、日本でも小笠原諸島でグリーンアノールなどが固有種を絶滅に追いやっています。とくに疑問に思うのですがアノールのように小さい外来生物に突破されない隔離ってどうやるの?飼育するという手もありますけど、一般に飼育できる数には限界がありますし、そもそも飼育方法が確立されていない種や飼育下での遺伝的劣化はどうするのでしょう。
また、前提への質問になりますが、命を脅かされているのは外来生物の侵略を受ける在来生物も同じなのにどうして在来生物だけが一方的に生息域を狭められなくてはならないのでしょう。希少種の場合、生息域が狭まるのは絶滅を促進させる要因にもなるのですが。
次に今後の熊森の方針について見てみましょう。

>熊森の外来種問題に対する今後の方針
  「特定外来生物法」に対して
1、外来野生動物の輸入規制をさらに進め、原則全種輸入禁止とする。
2、その動物が外来種だからという理由だけで殺害される平成の残虐法「特定外来生物法」を改め、外来動物の生命も在来種並みに尊重されるように変える。
3、外来動物の飼育者に対する飼育規制が常軌を逸した厳しいものであるため、生きものとして飼えなくなって捨てる人が続出している。善意の飼育者が、飼育している外来動物の寿命を全うさせるまで飼い続けられるように、規制を緩和していただくよう動く。行政や地元に対して無用の殺生を回避し、被害防止、被害補償を中心とした対策の推進をお願いする。

2の主張が全く謎です。そもそも外来生物法は外来生物というだけですぐさま駆除を許可するという法律ではありません。外来生物のなかでも特定の条件を満たした一部の外来生物の対策をするというのが外来生物法です。法律の趣旨を勘違いしているとしか思えない主張です。また、外来生物の命を在来生物と同等に扱わなくてはならない理由もここでは述べられていません。
3では飼育者に対する規制が常軌を逸した厳しいものと主張していますが、具体的な例が全く挙がっていません。飼育の許可というのは基本的にその外来生物が逃げ出さなければいいはずです。
とくに放逐が心配されている水棲外来生物や昆虫類を飼うのに使われることの多い水槽に関する環境省の記述を見てみましたが、僕が見る限りでは特に厳しいものとは判断できませんでした。記述を見る限りでは室内で飼う場合は壊れていない水槽にちょっとしたショックで外れない蓋をしていれば問題ないように僕には思えます。
そもそも、すぐに飼っている動物が逃げ出すような設備で飼育している人を一般にまともな飼い主とはみなさないでしょう。これ以上規制を緩和しろということは逃げ出すような設備で飼うような飼育者にもOKを出せということでしょうか。それでは外来生物がいままで以上に拡散する温床になってしまうと考えますがいかがでしょうか。
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