ならなしとり

外来生物問題を主に扱います。ときどきその他のことも。このブログでは基本的に名無しさんは相手にしませんのであしからず。

マクロビオティックとフグ

2009-07-30 12:37:11 | いい加減なモノ
 先日マクロビオティックという自然志向な食生活についての批判的エントリを見ました。

どらねこ日誌「マクロビ関連エントリまとめ」

いろいろとすさまじいです。白砂糖は麻薬とか電子レンジで加熱すると遺伝子が壊れて死んだ食品になるとか、むしろどうやったら思いつくんでしょうね。リンク先ではそれらに丁重な反論をおこなっています。かなり勉強になりました。

さらにマクロビの権威の人のHP

5、人間の体は食事で作られる
>自分達が生活している土地で出来た食べ物を自然が与えたそのままに食べること、それが「身土不二」の原則です。それも皮をむいたりせずに丸ごと全部いただくのです。これを「一物全体」と言います。

重要なのでもう一回引用

>皮をむいたりせずに丸ごと全部いただくのです

これを見て思ったことがあります。それはマクロビの人はフグを食べるときどうするんだろうということです。フグは種類にもよりますが大概体のどこかに毒のある部分があります(参考)。丸ごと全部ということは当然毒のある部位も食べることになります。マクロビでは白身魚のフグはマグロのような赤身魚と違って摂ってもOKなはずです。

マクロビオティックの食事の基本
>脂肪の少ない白身魚なども週に数回食べてもいいです。

毒の少ない養殖したフグを食べるという手もありますが、できるだけ天然のものを食べるという信念をもっているマクロビなら天然物と養殖物がどちらも手に入る状況であえて養殖物を選ぶ理由もないはずです。さらに一般に流通しているフグは毒のある部位が取り除かれているので全部食べるつもりなら、たいていの場合自分でさばくということになります。ただ、最近のフグによる食中毒の原因は素人が自分でさばくことによるものが多いんですが・・・・・・。


命が惜しかったらマクロビなんてとてもじゃないけどできませんね。

追記
すこし文章を付け加えました。

はじめからあっちの岸にいた人じゃないかなぁ

2009-07-26 22:23:34 | いい加減なモノ
 例の恥知らずな人について少し調べてみました。

ひとよみにっき更新情報

2005/01/03分 スピリチュアルな人生に目覚めるために―心に「人生の地図」を持つ
江原啓之かよ。江原の本を読んで宗教についてすっきり理解できたらしいです。
お次はこちら。

2005/01/28分 娘の結婚運は父親で決まる―家庭内ストックホルムシンドロームの自縛
この本の著者には何冊もの本を通して救われているそうです。この本の著者のホームページがあるのでそこのコラムを読んでみました。

なぜ、人は人をいじめるのか

>●なぜ痛くないのか。

 人は、怒りで頭がいっぱいになると、痛みを感じなくなるからである。このことは誰も指摘していないが重大なことである。

だれも指摘してないってのは言いすぎでしょうよ。怒ってアドレナリンが出れば痛みを感じなくなることがあるくらいwikiにも載ってますがな。よく知られたことをさも知られてないかのように吹聴するのってどっかで見たことありますね。

こういうものを見ていく限り、最初っから自身が体験したことを重視するタイプのトンデモさんだったのではなかろうかと。

これを愛などと強弁されるのは腹が立つ

2009-07-25 14:47:45 | いい加減なモノ
 ひさびさに怒っています。理由はとてつもなく恥知らずな言い訳を聞いたからです。

血液型性格診断と偏見

ここのコメント欄にネタにされた記事を書いたご本人が登場してこんな言い訳をしています。

>シゲ 2009/07/23 07:21
こんにちは。「ひとよみにっき」を書いた人間です。
どうにも急に閲覧者が増えて、いろんな人がコメントを書いていて一貫性が見えず、みなさんがどこにどう反感を感じているのか、ということと、私の思いとの間のズレがどこにあるのかが良く見えず、こちらのブログを読ませていただきました。
なるほど、能見さん親子もかなり偏見の多い書き方をされてるんですね。そのあたりは事実誤認でした。
こちらのブログは大変参考になるので、いろいろしっかり読ませていただきます。
しかし、いろいろ難しいものです。
でも、たとえ偏見であっても、身の回りの人に興味を持つ事は悪い事でもないと思うのですが、どうでしょう?
無関心よりははるかに愛のある行為じゃないでしょうか?
偏見や先入観はその相手と交流する中で修正していけば良いわけですし、先入観をなくせと言っても人間なんだから難しいでしょう。「こわそうな顔をしてるから乱暴な物言いをするのではないか?」とか、勝手に思いこんでしまったとしても「どっちかわからないからお話しして確かめてみよう」となるなら問題はないでしょうし。
「●型なのだから、これこれという性格なのでは?」と思う事が相手への興味を持つきっかけになって、そこから交流が深まるのなら、それは決して悪い事ではないと思います。本来の血液型と性格の関係性は、そういう社交のきっかけづくりというポジションにこそ、大きな意味があると思うのです。
でも、それを「科学的根拠がないから単なる偏見だ、よろしくない」としてしまっては、交流のきっかけをひとつ失う事にしかならないと思うのです。
ともあれ、こちらのブログはトータルにいろいろ書かれてあって参考になりました。
もう少しゆっくり考えてみます。
ありがとうございました。

戯けたことをぬかすな!!コメントでこのご仁は最初は血液型による偏見を持っていても徐々に治していけばいいなどと言っていますが、偏見が治らないまま差別につながったらどうするんでしょう。自分に都合のいい未来予想をするという詭弁の典型ですね。
さらに腹が立つのはこの一文。

>無関心よりははるかに愛のある行為じゃないでしょうか?

偏見を愛だなんて言う人間は初めて見ましたよ。ちなみに僕の親父はAB型なんですが、AB型って劣等種で異常だと血液型人間学で言われてるんですけど。自分の家族に対して劣等で異常なんて偏見を持つ人の愛なんていらねえよ。何様のつもりだ。
自分の偏見を愛だなんてほざいて正当化しようとすんじゃねえよカスクズ!!!

しかしこの人こんなんで自分が論理的だとプロフィールに書いてるんですよね・・・・・・。つける薬あるのかな?

モンハン始めました

2009-07-24 21:48:40 | Weblog
 ちょっとネタにつまったので最近やっているゲームのことでも。
2ヶ月ほど前からモンスターハンターポータブル2Gを始めました。このゲームについては知らない人はいないと思うのであれこれ説明はしません。しらない人はググッてください。現在、プレイ時間60時間ほどで村下位の星4、武器は太刀を使用しています。
ここまで来るのはちょっと大変でした。始めたばかりの頃は操作に慣れず雪山でシカに殺されたり、緊急クエでフルフル相手に4回3落ちしました。いまではあんまり自慢になりませんけど、なんとかガノトトスやバサルモスもソロで倒せるくらいにはなりました。訓練所のダイミョウザザミも太刀でなら5分以内に殺せます(当たり前か)。素材採集に付き合い鍛えてくれた友人たちに感謝です。
しかし・・・・・・キノコ採集クエでキノコが規定数集まらないままタイムアップしたときは悲しかった。モス殺しても生肉ばかりで特産キノコは出てこないし。オレの50分を返せ。

ゴリ研感想 その二

2009-07-21 21:58:15 | 保全生態学
 だいぶ間が空きましたが、ゴリ研の感想の続きです。前半の発表が済んでからは少しお茶の時間。この間に質問の時間に聞けなかったことなどを聞きました。快く答えてくださった発表者の方々ありがとうございます。
後半はハゼ関係2題とブラックバス駆除1題、オイカワの移植に関する遺伝子分析1題と最後に岐阜県レッドデータブックについての発表がありました。とくに興味深かったのはオイカワの移植に関する発表で、この発表によれば国内のオイカワのミトコンドリアDNAのタイプは大きく3系統に分かれ、その主要な分布域から東日本型、西日本型、九州型としたそうです。やはり、琵琶湖の鮎放流のせいか多くの場所で琵琶湖に見られるDNAのタイプが見つかったそうです。ただし、琵琶湖でみられるDNAのすべてではなく、特定のDNAに偏りがあったそうです。これは鮎の放流の際に集団遺伝学で言われるボトルネック効果が働いたのだと僕は思います。
レッドデータブックについては向井先生が発表なされていました。今回のレッドデータブックでは岐阜県に生息するタナゴ類すべてとスズキやクルメサヨリなどの海水魚がリスト入りしていました。タナゴ類については卵を産みつける貝がすべてレッドリスト入りしていることが理由でこれについては僕も理解できました。ただ、スズキなどの海水魚がレッドデータブックに追加されたのは理解できなかったので質問したところ、過去には岐阜県内にも遡上してきていたのでそれが最近の開発で出来なくなったのを生活史が破壊されていると解釈してレッドデータブックに載せたそうです。後日このことを友人に話したら不可解な顔をしていたのでこれはこれから議論になるかもしれません。(まだつづくかなぁ)

情報の多様性という寝言

2009-07-18 23:00:42 | 議論
 環境問題に関わる本の書評などを見ていると「主流の言ってることとは反対だけど情報の多様性を保つのに貢献している」などといった言説に出くわすことがあります。しかし、こういった発言のほとんどは出鱈目を許容する温床、卑怯者をぶくぶく太らせるえさにしかなっていないようです。
たとえばアマゾンの「環境問題のウソ」に対するこの書評。

> 『情報』の多様性, 2008/1/12
By アホ毛 2.0 "アホ毛" (東北の僻地) -

いろいろとご批判もあるようですが、こういう本のよい所は、
生物多様性ならぬ『情報』多様性を維持することに貢献する所だと思う。

『温暖化している、故に全世界が一致団結すべし』というような理想は、
一見素晴らしいが、世の中の流れがただひとつに集約され、
他の意見や主張を軽視する態度は、一種のファシズムではなかろうか。

昨今マスコミ―一昔前の地球寒冷化説ブームは何処吹く風で―が、
地球温暖化を自明の真理として一方的に情報を発信し、
異なる意見を殆ど取り上げない中、こういう本を一度読んでみるのも悪くないと思う。

生物の授業で、同じ種が近親交配を繰り返し、遺伝子情報を純系化させすぎると、
いざと言うとき、環境の変化に対応できず、その種は簡単に滅びてしまう、
というような事を教わった記憶がある。
同じように、(環境問題だけに限らないが)同じ意見や主張を自画自賛して、
考え方を硬直させすぎると、後々取り返しのつかないことにも繋がるのではなかろうか
と私は感じる。

そういう観点から言えば、こういう本を一度読んでみるのも悪くはないだろう。

残念。それただの出鱈目ですから。この本の内容については昔書いたのでそれを読んでみてください。
だいたいこのレビュアーの理屈に従えば麻薬が社会に広まるのはよくないといったごく当たり前のことすらファシズムになります。はっきり言って自分の正当性を作りたいために相手にファシズムのレッテルを貼っているようにすら思えます。
情報が多様であってもそこから自分が確からしい選択をとれないのであれば多様であろうがなかろうが意味がないのではないでしょうか。
まあ、そもそもきちんと調べない人に限ってこういうことを言うケースが多いようです。個人的にはなんら己の正当性を立証できない人間が多様性という正しく思える言葉に頼っているのではないかとにらんでいますが。情報の多様性に貢献しているなどとぬかす前に裏をとれ裏を。

これからの進化生態学 感想

2009-07-17 23:41:08 | 書籍
 九大の矢原先生のブログで知った本です。進化生物学の理論を生態学に当てはめることで発展したのが進化生態学です。そしてこの本は進化生態学の知見を紹介していく本です。個人的には3章の飛行の進化と5章の性比と性配分についてのところが面白かったですね。
ただし、この本にはESS(進化的に安定な戦略)や適応度といった進化生物学の専門用語が頻繁に出てきますが、適応度のように基礎的な専門用語の解説はありません。むしろ進化生物学の基礎的な部分を勉強したことを前提に書かれている本であると思います。ですから、この本を読む前に他の基礎的な部分が書かれた入門書を読んでからこの本を読まないと何が何だかわからなくなる恐れがあります。大学1年生にはかなり敷居が高いのではないでしょうか?(大学1年で進化生物学について基礎的な知識を持ってる人ってそう多いわけでもないし)。そういった意味ではこの本はある程度基本を押さえた初心者が中級者にステップアップするために読む本ではないかと僕は思います。

ゴリ研感想 その一

2009-07-12 23:47:02 | 保全生態学
 え~ここしばらく更新していませんでしたが、そろそろゴリ研のことを書こうと思います。今回のゴリ研は岐阜大学でおこなわれ、約三十人ほどの人が集まりました。今回の講演数は全部で10でこれは例年より少ないそうです。
そんなゴリ研でしたが、僕がゴリ研前半で面白いと思ったのはアベハゼとイズミハゼの地理的変異と沖縄県の川で採れた魚のことでした。
アベハゼとイズミハゼは共にアベハゼ科に属するハゼでアベハゼが宮城~種子島に、イズミハゼが琉球列島や種子島に分布し、体の斑紋で区別するとされています。しかし、この両種の中間的な特徴をもつ個体が九州にいるそうです。そして日本全国のアベハゼとイズミハゼのミトコンドリアDNAを調べたところ、アベハゼ型とイズミハゼ型の2系統に分かれていることが明らかとなったそうです。このDNAの系統の分布は本土と沖縄では斑紋とほぼ一致した分布を見せていますが、一部の地域では斑紋は違っていてもDNAのタイプは同じということがあるようです。また、紀伊半島ではアベハゼの生息域でありながらイズミハゼのDNAが見つかったことで沖縄からイズミハゼが黒潮等に運ばれて侵入した可能性が示唆されているそうです。
 沖縄の川で採れた魚については、その数の多様性に驚かされました。たしか一つの河川に数百種もの魚が生息しているという話でした。いいなあ、いつかいってみたいなあ。

岐阜行ってました

2009-07-05 20:55:11 | Weblog
 さて、しばらく更新がなかった当ブログですがそのあいだ何をしていたかというと、ちょっと岐阜に行ってました。なぜかというと、今年岐阜でおこなわれたGORI研究会に参加していたからです。GORI研究会は年1回おこなわれるハゼ科魚類に興味のある人の集まりです。今年は岐阜で開催されました。
 で、肝心の内容についてですが今日は疲れているのでまたあとで書きます。ただ、面白い内容が多かった研究会でした。

まだまだ至らない

2009-07-01 21:40:06 | 外来生物
 ネットの醍醐味というのは自分より優れた見解に会えるということだと思います。わたくし事ですがつい先日そのようなことがありました。
始まりはたまに覗かせてもらっている「西から東へ」というブログにコメントしたことからです。

>>話は変わりますが、最近環境省のほうで特定外来生物同定マニュアルというものができたそうです。けっこう参考になります。

>うーん、今出ているものを見る限りあまり評価出来ないです。
同定のためであれば、間違えやすい在来種との対比や、特定外来生物の指定がされていなくても、要注意外来生物等、今後自然環境下で繁殖して影響を与える恐れが予想される種についても網羅しなくてはならないのではないかと思うので。
(環境省の都合が透けて見えますし)

例としては、カミツキガメで、ワニガメとの対比が無い

相変わらず、ミシシッピアカミミガメ、チズガメ等の種は無視
(要注意外来生物ですが、明らかに問題な種です)

なるほど、たしかにマニュアルには間違えやすい種との対比や要注意外来生物どまりでも問題な種の記載がありませんね。たとえば植物でいえばボタンウキクサがあるのにホテイアオイが無いのはまずいですね。ホテイアオイは野外に出た場合危険であるにもかかわらずまだ一般に流通している種ですから注意喚起をしなくてはならない種です。外来生物を主に扱うと銘打っているブログであるにもかかわらずそういったことに言われるまで気づかないというのもまぬけな話です。
上記のshuさんの発言にしてもしっかりと実用性の考慮やなぜ評価できないのか具体的に述べられており非常にわかりやすいものです。こういった思考や発言態度は見習っていきたいです。

連絡
ちょっと出かけるので日曜日までコメントなどの対応ができなくなると思います。