ならなしとり

外来生物問題を主に扱います。ときどきその他のことも。このブログでは基本的に名無しさんは相手にしませんのであしからず。

マフィンは簡単だ!

2010-08-28 22:24:48 | 料理
 え~炎天下で草刈りをしていたら危うく熱中症になりかけた梨です。ホント、暑いときは水分補給が欠かせませんね。今日はマフィンのレシピについてです。と言っても、甘いお菓子のようなマフィンではなく、主食になるような食べ応えのあるマフィンの作り方です。
材料
薄力粉 100g
卵   1個
砂糖  40g
マーガリン 40g
ベーキングパウダー 小さじ1

これが基本の生地になります。こいつに具材を入れていくわけですが、今回はベーコンとシメジを入れました。玉ねぎを刻んでも甘味が出ますし、チーズを入れてもいいです。


作り方
1.粉とベーキングパウダーを振るう。
2.マーガリンを溶かして砂糖と混ぜる。
3.2と1、卵を混ぜる。
4.具材を好みに切って入れる。
5.マフィン型に流し込む。ゴムべらがあれば楽。
6.マフィン型を隙間をあけて並べ、170℃で30分加熱して出来上がり。



あ、上に散らしてあるのは冷蔵庫に残ってたクルミです。
だいたい1時間もあれば作れます。前日に作って、次の日の弁当や朝食にどうぞ。

オレのケロフォルダが解放されるぜ!

2010-08-24 20:42:45 | Weblog
 今日は趣味で撮ったカエルの写真をupします。

おそらくツチガエルだと思うんだけどいまいち同定できない。だれか教えてください。



つぶらな瞳が可愛いシュレーゲルアオガエル。アマガエルと同所的に生息していることもありますが、鼻から目にかけての黒いラインがないのが見分けるポイント。また、このカエルとモリアオガエルは水面に伸びた木の枝に泡につつまれた卵を産むのは有名な話。



カエル可愛いよカエル。

進化と自然から学ぶということ

2010-08-20 00:01:59 | いい加減なモノ
 自然を尊ぶというのはまあ個人の自由だと思いますが、内実が伴っていなければ無意味ですよね。今回はそんなサンプルを見つけましたので突っ込んでみます。
ハーモニックトラスト

>病気にもならず、虫にも負けない、そんな強い生命が偉い!

基本的に生物とそれを作り上げてきた進化の歴史はそんなに甘くないです。昔、「福岡伸一の幻想を破壊してみた」でも書いたけど、進化は慈善事業じゃないんですよ。人間が食べやすいように品種改良してきた動植物というのは基本的に病気などの外敵に対する免疫が弱くなっています。具体例をあげるならハチ。養蜂で広く使われているセイヨウミツバチはダニなどへの耐性の面でニホンミツバチより劣っています。進化生物学的にいえば、免疫などに振り分けるリソースを削って、その分を人間の好みに合わせる方向に進化させています。何にもしないのに野菜の力だけで虫がつかないという野菜があったら、それは昆虫を忌避させるような物質を出していると思われます。いわば天然の殺虫剤に近いもの。
というかですね、それを突き詰めたらトリカブトやドクゼリみたいなほとんどの草食動物が忌避する毒草の類こそが一番偉いんじゃないですか?まぁ人間どころかセルロースならなんでもござれ、枯葉も食べちゃうシカですらめったに食べませんが。
自然に学ぶと言いながら自然のことを客観的に理解しようとしないのはどういうことなんでしょうね?

枯れる野菜と腐る野菜の見分け方

引用
あなたの周りの自然を見てみると・・・。
野を見ても山を見ても、腐っている場所はありません。すべては色づき、やがて枯れていきます。これはあらゆる植物に共通した現象です。
植物である以上は「枯れていく」、
これが本来の姿です。
自然の植物は「枯れる」のに、買ってきた野菜はなぜ「腐る」のか?自然の摂理に背いた結果ではないだろうか?そんな違和感を覚えます。
引用終わり

・・・・・・こいつはフィールドワークの経験がないのか?柿の実が熟れて鳥につつかれて地面に落ちて腐ったところを見たことがないんですかね。別に柿じゃなくても酵素や細菌に代表される分解者によって地面に落ちたりしたものが腐るくらいありふれていますが・・・。ただ、生きた葉だとタンニンなどが分解を阻害しているだけの話。
 お次は植物の基礎知識。

引用
農学の常識は、わずか1メートルにも満たない、土の層での、植物の育つ栄養分であるチッソ・リン・カリの足し算、引き算の計算の上に行われています。
しかし、岩場の松の木も、山の樹も、野の草花も、チッソ・リン・カリを補わなくても、育っている。
つまりチッソ・リン・カリ以外の何かによって、自然界のなんらかの仕組みによって育っているということが考えられるのです。
引用おわり

断言してもいいけど、この人植物に関する基礎知識すらないですね。リンや窒素は風によって運ばれてくる時もあるし、土中の細菌が固定することもある。また、マメ科植物が土中や空気中の窒素を細菌の力で固定するのは有名な話です。自然に学ぶと言いながらその自然に対する初歩的な知識すらない人間がこんなことを嘯くのは滑稽を通り越して戦慄を覚えます。この先もあるようですがいちいち指摘するのも面倒なのでここまでにします。

カマキリの積雪予測と科学のシステム

2010-08-18 08:21:55 | いい加減なモノ
 お待たせしました。今回はオオカマキリ(以下カマキリ)は積雪を予測して卵を産むという俗説を検証したいと思います。この俗説がいつからあったか正確には思い出せないのですが、酒井與喜夫、湯沢昭「カマキリが高い所に産卵すると大雪は本当か」、日経サイエンス、1997年5月とありますので、10年前にはすでに広まっていたのではないでしょうか。高くてかさばる本を買うのもバカらしいので、今回は論文を取り寄せました。取り寄せたのは「地理的特性を考慮した最大積雪予測の実際‐カマキリの卵ノウ高さによる方法‐」です。この論文によれば、ここで使ったデータは、最大積雪深に関しては新潟県の報告書を使い、カマキリの卵に関するデータは著者らがフィールドで観察したもののようです。ただし、著者らは雪に埋もれるような低木や草に生みつけられた卵嚢はカウントしていません。さらに、調査対象は樹高が6~7m以内の杉のみです。
正直、フィールドワークとしてどうよと思いますよこれは。まず、カマキリが卵を産むのって杉だけじゃないですよね。サンショウやススキ、ノイチゴなんかにも産みつけます。これを批判している安藤喜一氏の青森県での調査によれば、カマキリは主にヨモギやナワシロイチゴ、オギ、ススキに卵を産み、杉はほとんど利用していないようです。杉だけ調べるってこの時点でサンプル偏ってませんか?カマキリで予測するというならカマキリの生態を反映したものにしないと。せめてこの地域では杉がよく利用されているとかのデータを出さないと意味がないです。この論文には書かれていませんが、どうやら著者らは雪の下に生みつけられた卵は死んでしまうと思っていたようです。だったらその思いつきからまず検証しなさいよ。この思いつきもやはり安藤喜一氏によって検証され、3ヶ月雪に埋まっていた卵でも25℃に加温したところほぼすべて孵化し、生存率も雪に埋もれていない場合とほぼ同等というデータが得られています。
 次に得られたデータの著者らの解釈を紹介します。これについては統計に関する知識が乏しいので僕の見解は示しません。
まず、著者らは、得られた高さのデータを3つに分けています。「高さ1」が卵の自然な状態における地上高です。「高さ2」が卵が付着している杉の木の枝を折れない程度に引き下げた状態での地上高です。これは積雪により枝が下がることを考慮しているとあります。「高さ3」が「高さ2」にいくつか補正を掛けたものです。式としては、
「高さ3」=(補正1)×(補正2)×(補正3)×(補正4)×(高さ2)
として計算したとあります。ここでの補正とは、補正1が吹きだまり、吹きさらしによる補正係数、補正2が樹高による補正係数、補正3が斜面方位角による補正係数、補正4が斜面傾斜角による補正係数となっています。こういった補正を何重にも重ねたうえで統計的に有意というのが意味があるのか僕には判断できませんが、安藤喜一氏は実際の高さに、樹高1mを基準として、樹高が1m増すごとに高さをさらに10%ずつ加算するという、科学分野ではやってはならない比較をおこなっていると批判しています。この加算というのは補正2のことです。
 個人的にダメと考えるのは、繁殖という適応度が一番左右される現象に進化生物学の視点を持ち込まなかったことです。それができれば、「雪の下の卵が死んでたら、そんなとこに生むカマキリはすぐに淘汰されていなくなるんじゃね?一度死ぬのかどうか検証してみよう」となるはずで、それをやらずに目に見えるものだけに飛びついたのが間違いの始まりでしょう。そして、サンプリングが偏っている以上、幾ら補正を駆けて統計的に有意といっても無駄なわけで、意味ないですね。
結局のところ、これは新たな仮説を出して、それが検証され否定されたという通常の科学のシステムに沿ったものです。


ニセ科学批判批判に思ってしまうもの(その言論の効果はいかほど?)

2010-08-15 23:39:49 | いい加減なモノ
ブルーギル(以下ギル):お久しぶりで~す。あのバカ半年以上も放置しやがって。リアルなら餓死しとるわ。酒になればいいのに。
ワニガメ(以下カメ):僕は何とかなると思うけどね。僕だけは。
ギル:今日のお題は「ニセ科学批判批判に思うこと」だそうで。
カメ:と言ってもニセ科学批判批判とよばれるものの全般に関する話ではありません。その中でも「ビリーバーも説得すべき」ということに関して管理人が思ったことを代弁します。管理人の思考があまりまとまっていないので興味のない方は飛ばしてください。

ギル:ニセ科学批判界隈にいると半年に一回くらいはこの手の話が出てくるね。
カメ:しかもどれもたいして変わり映えがしないという。何年もコミットしている人にはホタルみたいな風物詩ですね。
ギル:その特徴を列挙してみると、1.今のニセ科学批判には不十分なところがある2.なぜビリーバーの説得をあきらめるのか3.私の論理を参考にすればニセ科学批判は変わる、こんなところか。まだある気もするが。
カメ:そしてそのほとんどすべては「過去ログ読め」と言われる。
ギル:過去に繰り返されているからな。ループはつまらんよね。モンハンでも天鱗マラソンは苦痛だ。
カメ:マニアックなたとえをありがとう。ニセ科学批判界隈ってある意味査読付き専門誌だから、そこに向けて何か情報を発信するとなると過去に何が起きていたのか把握しておく必要がありますね。ニセ科学ではないけど、管理人の身近にあった例としては中立説を理解しない池田清彦の進化生物学批判か。
ギル:それに加えてなんでお前はやらないの?ってのもある。ニセ科学批判者には指図しておいてさて自分はとなると何もしていない。別にビリーバーを説得しにいって成果を上げたわけでもない。
カメ:例えると「この薬は効きますよ~」と言ってはいるが2重盲検されたデータのひとつも出さないといったとこですか。あれ?これなんて代替医療?
ギル:自分の論が効果的と思うなら実証してみろというわけ。
カメ:そこらへんも厳しいんだよね。ニセ科学批判界隈は。相手が悪い気もする。「薬が効きますよ~」と言っている相手はプロの医師みたいな人たちばっかだし。そりゃあデータのひとつも出してから来いと言われるよ。
ギル:ある意味他力本願なんだな。薬は出します。(私の)理論的には効果があるはずです。みなさんで試してください。・・・なんでお前の理論をわざわざ代わりに試さにゃならんのだ?
カメ:隗より始めよって言うもんね。効くと主張するならその立証責任は言いだしっぺにある。あんましまとまってない気もするけど今回はこの辺で。
ギル:ここまでお読みくださりありがとうございました。m(_ _)m

翳りゆく楽園

2010-08-14 19:59:17 | 書籍
「翳りゆく楽園」アラン・バーデック著 伊藤和子訳 養老孟司解説 ランダムハウス講談社
 すでに三中氏や向井氏に取り上げられていますが、こちらでも。400ページ越の本ですが、嵐のような忙しいこの一週間でなんとか読み終えました。一言でいえば「良書。ただし人を選び、その人間の知性が試される」といったところです。非常に良質なドキュメンタリーを見ているかのようでした。この本は大きく2部にわかれています。1部が陸における外来生物問題、主にハワイでのミナミオオガシラというヘビについての保全の話です。これだけでも十二分に面白いですが、2部の海洋の外来生物はさらに示唆に富んでいます。あまり書くとネタばれになりますが、とても重い保全生態学、進化生物学のテーマを扱いそれを上手くまとめている手腕には感心します。というわけで2部から先は買ってお楽しみください。
非常に示唆に富む内容で出てくる科学者達の扱うテーマも面白いので生態学をある程度勉強しているという人はさらに上を目指すために読んでも損はないと思います。
ただし生態学の素養がない人には薦められません。某福岡とか、某池田とか。
僕が一番危惧するのは外来生物、在来生物に明確な線が引けないからといって、すべてを相対化して外来生物も在来生物もいっしょくたに扱うこと。きちんと読めばこの本で出てくる科学者は明確な線が引けないからといっていっしょくたに扱うような思考停止はしていないんですけど。むしろそれを踏まえて何を自分は為すのかという先へ向いていますね。まぁその意味では巻末で解説と言う名の誤読を垂れ流している養老は予想通りですね。マジでこの本にこの解説はいらね。

とりあえず

2010-08-12 00:08:54 | Weblog
 すみません。今週は荒らしのような忙しさでブログの更新ができません(朝8時から夜10時までほぼネットにアクセスできない)。カマキリと積雪もオオカミ再導入も資料だけはそろえたので首を長くしてお待ちください。

「恐怖の外来生物種たち!!」は駄本

2010-08-06 22:13:53 | 書籍
 書店にあったのでパラパラと読んでみましたが、なんじゃこりゃ。いい加減、デタラメもいいところです。まず、この本では外来生物を3段階の迷惑度というもので評価していますが、基準がまるでわかりません。グリーンアノールが3なのに対しミナミオオガシラやオオクチバス、ブルーギルが2でこれはこの本の中でのライギョの評価と同じ。まるで実際の事例に基づいておらずいい加減です。そして外来生物の本なのになぜか一緒に扱われているヒグマやオオスズメバチ。こいつら在来生物なんだがいったい何がしたいんですか?
著者の外来生物種研究会というのも実態がよくわかりません。とにかく読む価値がない駄本ですので書店で見かけても買わないことをお勧めします。

取り急ぎ 三重の淡水魚保全シンポに行ってきた

2010-08-05 22:20:42 | Weblog
 今日は朝から三重の淡水魚保全シンポに行っていました。現地ではシャトルバスの送迎があって、とても快適でした。だいたい200人強が会場にいたでしょうか。半分くらいは40代以上の方々で、10代20代は少なかったです。
来ていた人もオオクチバス専門委員会座長の多紀保彦氏や長野県の内水面漁業の委員である片野修氏などそうそうたる面々でしたが、秋篠宮殿下がおられたのにはびっくりしました。ま、遠くからチラッと見ただけですが。きちんとしたレポは来週あたりに書くつもりです。

「みんなでつくる淀川大図鑑」に行ってきた。

2010-08-04 20:03:28 | 外来生物
 昨日は、大阪市立自然史博物館まで特別展示「みんなでつくる淀川大図鑑」を見に行ってきました。まずは博物館へ行き、チケットを買って博物館へ・・・・・・と思ったら、淀川大図鑑のほうは隣の建物で展示されているんでした。なにやってるんだか。
ま、まぁ気を取り直して博物館の見学です。上の方にある写真はナガスクジラの骨格標本です。大きすぎてカメラに入りません。
博物館の方も充実した展示内容でした。マチカネワニなど大昔に日本に生息していた動物や現生生物の骨格標本、生態系の仕組みをわかりやすく伝えるゲームなどかなり面白かったです。特に、ゲームでコリドーの必要性や人の影響、ドングリの芽生えなどを子供にもわかりやすく伝えているのはよかったです。博物館の展示を一通り見た後は隣接している植物園を見に行きました。蓮池にチョウトンボが飛んでいたりしてきれいではあるのですが、やたら大きなアカミミガメがいたりブルーギルがいたのはすこし憂鬱になりましたね。
植物園をあらかた見たところで本日のメインである「淀川大図鑑」です。
平日ということでそれほど人は多くありませんでしたが、小学生~高校生が何人かと保護者が数人いました。展示内容としては、淀川に昔生息していた生物の標本を中心に、なぜ淀川に生物が多かったのか、そして減少してしまったのはなぜかということを説明するというものでした。今ではほとんど見られない植物の標本なども多数ありましたね。
先ごろ発表された新種の魚類、ヨドゼゼラの標本があったのは仕事が早いなぁと思いました。減少要因の一つである外来生物も一区画ブースがあり、ワニガメやジャンボタニシ、オオクチバスなどが生態展示されていました。
感想としては、結構面白い展示でした。八月半ばにはイタセンパラも展示されるらしいので暇があれば是非、行ってみるといいと思いますよ。