ならなしとり

外来生物問題を主に扱います。ときどきその他のことも。このブログでは基本的に名無しさんは相手にしませんのであしからず。

僕らは無価値ではない1円玉だ

2012-09-30 14:31:53 | 議論
 もう半年近く記事のないブログなのになぜか300~500PVを稼ぎ出すのが不思議な梨です。半年前に倒れた身内は軽い後遺症が残ったものの元気になりました。ここを閉めると宣言した時は清々したものですが、書かなきゃ書かないで溜まってくるとは難儀なものです。
さて、今回は「勉強」ということについて。
要点だけ先にまとめると
・価値を見余った要求は意味がない
・教育や啓蒙は一個人をケアしません
・情報を求めるなら対価は払え

私たちは勉強がキライです

僕が上記のまとめを見て思ったことは「だったら勉強しなくてもいいよ」です。モチベーションが上がらないならやらなくたっていいでしょう。幸か不幸か今の日本は放射線の知識がないくらいで即死するような修羅の国ではありません。為政者など社会的責任のある立場なら話は変わりますが、一般人がやらなかったところで大勢に影響ないですし。だったら手間のかかる勉強などせずに楽しいことやって過ごすのも人生の戦術としてありでしょう。所詮僕らは1円玉です。大量に失われることがあれば社会に大きな影響を与えますが、大多数はいくらでも替えが効く。そんななかで1円玉を磨くのに100円や500円玉と同じだけの扱いを求めるのがどだい無茶な話。
例えば僕がいなくなろうが梨の代わりなんてそのうち出て来ますよ。4年か5年自然に触れ、保全生態学や論理学を大学レベルの教科書できちんと勉強すれば僕以上の人間になれる。
逆説的に言えば僕程度になるにも習熟に数年を要するということでもありますが。
僕は勉強は最初に教科書3冊読むだけの根性を出せるかが分水嶺と見てますし、そこを越えない人には何をやっても無駄とも思ってます。教科書を蔑ろにして勉強しない人間なんてたとえそれらしいブログ記事を読んだところでわかったつもりどまりです。どうせここを2年近く見ていてなお熊森の何が問題かもわからなかった人間も2人は確認してますし、昔ほど啓蒙に夢は見ていません。
そもそも教育や啓蒙というのも“なるべく”大多数に理解してもらえるのがいいのは確かですが、その中で一個人が理解しなかったところで大して影響ないわけで。とことん自分を磨いてもらうつもりなら端から大多数に向けた教育や啓蒙に頼らず家庭教師を雇った方が早いですよ。
そしてそういった個別のケアなど高度な要求をするのなら最低限対価は払わないとだめでしょう。善意の専門家の手弁当に甘んじていないで情報に対してお金を払うくらいはしないと。僕の場合はこれはいいと思った本はなるべく購入しています。それが著者への支援になりますからね。タダでできることには限界があります。一声支持の声を上げた程度で教える側のモチベーションが続くと思うならおめでたいし、個別の応対まで求めるならそれは情報弱者を隠れ蓑にした社会的強者の搾取というのですよ。現実を見ても武田邦彦などデマを流す側は強力な支持者勢の確保とそれによる資金源の確保を成功しています。そこが崩れない限り奴らは平気な顔でデマを流すでしょう。

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2 コメント

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勉強の壁について (machida77)
2012-09-30 23:48:45
こんばんは、町田です。
自分の中でもあまり整理できていませんが、梨さんに水を向けていただいたこともあるので、ブックマークコメントに書いたこととあわせて、この件について少し書きます。
まず、今回の一連の話題で扱われたような「勉強」は、好奇心で始めるといったものよりは生活に近い必要性にかられて学習するようなものでしょう。物凄く単純な言い方をすると「勉強しないと生活に関わる」といったものです。こういったテーマで「好き嫌い」という話は、分析としては良いのですが言い訳・口実としては許容しがたい。勉強する機会や時間がない人はしょうがないですが、嫌いだということは勉強しない理由としてはどうなんだと。
ここまではブックマークの補足です。問題の切実さや学習の内容の難しさで認識が変わっていく話なのかもしれませんが、少なくとも今回の話の発端はかなり切実な問題として受け止められてきたものですからTogetterを読んだ時に気になりました。
しかし、個人で勉強するというのは難儀な壁を抱えています。私が院生の頃、読書研究をやっていた後輩がいまして、社会人で読書量が多い人でも体系的に読んでいる人が少ないという研究を報告していました。図書館でも利用者が内容に信頼のおける本を選ぶというのは難しく、同様に金や時間をかけても学術的に検証されていった結果から遠い方向に行ってしまうことはあります。
専門家と市民の間をつなぐ役割が成り立ちにくい理由の一端も同じようなものと思っています。図書館というのは、そういった市民のコストを低減するのが理想なのですが、色々と難しい。その難しさについては自前で記事を書きたいのですが、うまくまとまっていません。
遅れて申し訳ありません (梨(管理人))
2012-10-04 00:54:15
machida77さん
コメントありがとうございます。多少理解できてきました。
僕自身はブログでも書いたように最近投げやりになってきてますね。する気がないならしなくたっていいよと。
体系的に勉強するというのはおっしゃる通り難しいですね。僕の場合は出版年が近くてそれぞれ別の著者が書いた大学レベルの教科書3冊を初歩理解の目安にしてます。3冊の中でそれぞれ矛盾しているようなことがなければまぁ信用できるだろうと。これは自分の経験則も若干入っていますが。大学のような高等教育機関でも勉強のやり方そのものを教えることはまれですしね。僕のいた大学ではやる気のあるやつはやればいいよという風でやる気のある学生にはいろいろ資料などの道が開けていましたが、そもそもの資料検索法などは我流で身に付けましたし。