ならなしとり

外来生物問題を主に扱います。ときどきその他のことも。このブログでは基本的に名無しさんは相手にしませんのであしからず。

第4回全国タナゴサミットのお知らせ

2008-11-23 23:28:21 | 保全生態学
タナゴサミットの告知が来たのでこちらでも。
>2009年1月10日に大阪府の大阪市中央公会堂にて「第4回全国タナゴサミット」が開催されます。。「全国タナゴサミット」は,全国各地におけるタナゴ類の現状や保全活動について情報・意見交換を行う場として2005年にスタートしました。特に今回のシンポジウムでは,淀川のイタセンパラにスポットを当て,その復活に向けて河川の未来像について考えます。身近な環境問題に関心をお持ちの方は,是非ご参加ください。
>開催するにあたり、ポスター発表をしてくださる方を募集しております。
 タナゴ類に限らず、全国で淡水魚の研究、保護活動、あるいは河川やため池などの水環境の保全に取り組まれている方はふるってご応募ください。
全国タナゴサミット

セイヨウミツバチとニホンミツバチの競争

2008-11-23 00:49:13 | 外来生物
 あるブログに触発されてちょっこと調べてみました。参考文献にしたのは「松浦誠 昆虫と自然 2003 ニホンミツバチの復活 天敵・競合種との関係」です。この文献によればニホンミツバチは本来の生息域である農村や里山よりもコンクリートジャングルとよばれるような都会で増えているようです。どうして都会で増えているのかというと、天敵であるオオスズメバチが都市という環境に適応できないでいること。競争相手であるセイヨウミツバチが都市から姿を消していることの二つが理由のようです。
 セイヨウミツバチはニホンミツバチと蜜をめぐって競争関係にあり、時には相手の貯蓄している蜜を奪うことがあります。これを盗蜜といいます。セイヨウミツバチがニホンミツバチから盗蜜する際には、相手の口に自分の口を差し込んで腹の中に貯めてある蜜まで吐き出させます。養蜂されているセイヨウミツバチの場合は数にものいわせて周囲の蜜を集めるばかりか、近くにニホンミツバチの巣があると盗蜜に行くのでニホンミツバチにとっては悪夢のような存在といえます。このように蜜を集めるという点ではセイヨウミツバチはニホンミツバチに有利ですが、日本では一部を除き野生化していません。なぜ野生化できないのかはこの次に説明します。

そもそもあんたに度胸があるの?

2008-11-13 22:03:55 | 池田清彦
 池田氏がまた外来生物問題にしゃしゃり出てきた。養老氏との共著「正義で地球は救えない」で外来生物問題に言及しているようです。これの書評はそのうちやるとして、今回は「定説だってウソだらけ」で審議会は出来レースと言っている部分に突っ込んでみます。
>P92~93
池田 ブラックバスに関しては、日釣振の人が環境省の審議会に僕を入れるように推薦したら、環境省のお役人が「あんなヤツを入れたら審議会がグチャグチャに引っかきまわされる」と言って却下したそうですよ(笑)。

まあ役人さんの認識は正しいですね。池田氏にアカデミックな議論など期待するだけ無駄ですから。そもそもなんで初歩すらできん人間を委員に入れなきゃならないのか謎ですが。この池田氏の話が真実だとして日釣振のねらいとしては池田氏に会議を引っかきまわしてもらいたかったんでしょう。日釣振は特定外来生物指定の時点で専門家とやりあえるようなデータを持っていませんでしたし。
 さて、仮に却下されなかったところで池田氏が委員として出たでしょうか。僕はその可能性は低いと考えます。池田氏は以前、瀬能氏から反論をくらっており、審議会には瀬能氏も委員として出ています。ぶっちゃけ池田氏が出て行ったところでまた瀬能氏にフルボッコにされるのがオチでしょう。さらにその様子は議事録として記録されネット上にアップされます。はたしてそんな場所に藁人形を打つくらいしか能のないヘタレがのこのこ出ていくかどうか。何か適当な理由をつけて辞退するのではないでしょうか。まあ偉そうに専門家面して講釈をたれるくらいならぜひ外来生物に関する論文の一つでも専門誌に投稿してほしいですね。きっとこれもなんやかんや理由をつけてやらないでしょうが。

ホテイアオイが・・・

2008-11-10 21:00:29 | 外来生物
 ニュースを見ていたら、諫早湾でホテイアオイが大繁殖というニュースが。
諫早堤防ホテイアオイ大繁殖 水門故障の恐れ、除去開始
なるほど。リンや窒素が溜まってホテイアオイが繁殖しやすい富栄養化状態になったわけですね。
ホテイアオイといえば、金魚やメダカを飼う時によく入れますね。一株100円くらいなのでなじみのある方も多いんじゃないかな。しかし、ひとたび野外に出たホテイアオイは厄介すぎます。栄養繁殖を盛んにするため一株のホテイアオイからその何十倍にも増えます。それが水面を覆うため、水中に光が届かずにほかの水生植物が成長できません。ビクトリア湖ではナイルパーチとともに猛威をふるっている外来生物の一つですし、IUCNの世界の侵略的外来生物ワースト100にも含まれています。日本では要注意外来生物になっています。要注意外来生物ですから売買や栽培に規制はありませんが、外に出ると厄介な植物なのでホテイアオイを楽しむのはスイレン鉢の中くらいにして決して川や池に捨てないでください。

まずは少し落ち着いたほうが

2008-11-02 23:32:07 | 熊森
 日本熊森協会の質問を見て少し脱力してしまいました。北海道庁にヒグマ対応をきく 
北海道でヒグマによる事故があり、そのため二頭のクマが捕獲されたことについて熊森が質問したようです。熊森の問い合わせはヒグマの捕殺数からはじまります。
>熊森「ヒグマの最新捕殺数を教えていただけますか」

道庁「熊森に言われて、9月10日に出した合計しかありません」

熊森「それでは、殺しすぎているのかどうか、気づくのが遅れてしまいます。すぐに出してください。こんなことを言われるのは、全国でも北海道だけですよ」

道庁「14の道庁の出張所に聞き取りをして合計を出さないといけないので、すぐには出ません。捕殺数が必要なら、きちんと文章で請求してください」

9月に合計を出したばかりなのに一ヶ月半程度で北海道のすべてを網羅した最新捕殺数がでるわけないでしょ。はじめから無理難題を求めるのは行政との関係作りにおいてマイナスだと思いますがどうでしょうか。
さらにやりとりは続きます。
>熊森「クマにいいクマ、悪いクマなどありません。道庁唯一のクマ担当者が、クマは狂暴な動物であるという誤った認識を持っておられるのは困ります。これでは、最後の1頭まで殺してしまう。共存できないです。クマに狂暴性などないですよ。もっと勉強してほしいです。餌がないから、人間の所に出てきただけです。北海道も開発しすぎて、クマなどの生息場所がせばめられる一方。クマが出てくるのは、人間が彼らの生息地を奪いすぎたのです。えさを探して出てきたのです」

道庁「えさのことは調べていないので知りません。あなた達の主張は、全く理解できません。どこまで人間が下がればいいというのですか。線を引いてください。」

熊森「現地に行かねばわかりません。クマにも喜びやさしさ、親子の愛情、みんな人間と同じようにあるのですよ。むやみに命を奪うのは間違っています」

道庁「私たち行政は、人間の安全を考えています。もうそんな話はいいです」

最後は質問というより主張になってます。というかあれだけ行政に異常だなんだと噛み付いて、自分たちに話が振られると現地に行かなきゃわかんないとか命は大事だといった精神論を語りだしてもヒグマの現状を改善するのに何の役にもたちませんって。たしかに無関係と思われるクマの駆除はほめられたことではないでしょうが、いきなり電話して相手を罵倒するのはいかがなものかと。そもそもこの熊森の一件は北海道庁側に何のメリットもありません。いきなりデータを要求され罵倒されたあげく、じゃあ貴方方はどうするのかと話を振られたとたんわからないとか自分達の主張を繰り返すだけの存在にどうしてクマ問題を解決してくれると期待できますか?熊森には北海道に顧問がいるのだからその顧問と話し合ったうえでアクションを起こすべきではないでしょうか。