ネコ好きSENの洋画ファン

ワン5ニャン9と共棲。趣味は洋画と絵画。ライフワークは動物・野生動物の保護救済、金融投資。保護シェルターの設立をめざす

苛められっ子を持つ母親に是非見てもらいたい「3ビルボード」

2019-03-07 14:06:08 | 大好き★洋画いろいろ

 

 

 

ハロ~~~~~

お元気ですか?

あなたのSENです。

 

 

 

 

いまちょっと、やばいんですよ。

庭の雑草がどんどん育ってきて、

去年のような「手におえない廃屋みたいな庭」になる前に

なんとか雑草を抜かないと、と焦っている今日この頃であります。

 

 

 

 

さてさて、

今日は、このブログの本題に戻りまして「洋画」について

語りたいと思います。

 

え、なんですか?

そんな話は聞きたくない?

 

 

まあ、いいじゃないですか。

田舎に在住しておりますからに

とーぜん映画館なんて有りませんから

映画ネタもちょっと新鮮度を欠いておりますけどね。

 

 

 

 

さて

ぼくが注目している作品2つ「シェイプ・オブ・ウォーター」と「3ビルボード」について

ご紹介していこうと思います。

 

すでにご覧になられた方も多いでしょう。

レンタルにもなっていますからね。

まあ、2泊3日の「新作」扱いですが。

 

この2作品

今気づいたんですけど昨年2018年の90回アカデミー賞で

作品賞や監督賞(シェイプ)、主演女優賞と助演男優賞(3ビル)で分け合っていたのですね。

ええ、今頃。

 

 

 

 

「シェイプオブウォーター」

 

 

はい。

まず女優さんのサリー・ホーキンスが良いですね。

この女優さん大好きです。

 

 

ぼくがこのヒトを知ったのは「モード」(邦題では幸せの絵の具とかなんとか)

モードというリューマチに苦しむ中年女性が、孤児で育った貧しい漁師のもとに

家政婦として通いだすんですね。

 

 

いけすかない漁師役は、ぬわんと、あの、イーサン・ホーク!!!

えっ、あの永遠なる少年顔のイーサン???

 

はい。

もう「今を生きる」なんてぶっ飛びますから。

典型的なインテリ紳士だと思っていましたが、まあ、声優のせいもありますが

骨太のいかめしい漁師役もぴったりです。

 

 

モードをみすぼらしい女として乱暴に、暴言を吐き、ある意味虐待みたいに扱うのですが

そこはあのイーサンがやっている、というこの映画とは何ら関わらない理由で

ちょっと安心して観ていられるんですね、これが。なんでか。はは。

 

あ、話が脱線していました!

 

 

で、戻して戻して、このシェイプ~なんですが

女優さんはここでもあの「モード」のイメージのまま(孤独・貧困・病気持ち)です。

 

もしかしたらデルトロ監督はモードを見て

「この映画のイライザ役にぴったし!!」

と思ったのかもしれません。

 

 

さて、映画ですが、映画はまさにギレルモ・デルトロです。

ぼくの永遠の映画ベスト10にも入る、あの名作「パンズ・ラビリンス」にそっくりです。

この映画を受賞させる背景には

「パンズ・ラビリンス」があったからではないか、と自分では密かに思っています。

 

 

アメリカに呼ばれて、へんてこなSF映画を撮ってはコケてましたが

この《シェイプ」で本領発揮というところでしょうか。

 

 

 

愛嬌ある生き物(ここではカワイイ半漁人)が出てきて、

他の人は恐れるのですが

主人公はこの半漁人を愛してしまう。

 

 

この半漁人がね、これまた良い身体をしているんです。

スーパーマンの役者かと思えるほどの肉体美でして

ちょっと半漁人というより、半人間と言ったほうが良いような

やたらセクシーでして、

まあ、セクシーで

まあ

まあ

まあ、その話は置いといて

 

 

 

ふたりは互いの孤独な心を通い合わせるんですね。

 

 

ここからネタバレですよ。

イイですか、見てないヒトはここで止めて、見てからにしてくださいよ。

 

 

 

オチは「パンズ・ラビリンス」と同じ結果です。

とちゅうの暴力もいっしょ。

心なしの権力者によってイライザは射殺されてしまいます。

 

 

 

 

なんて悲しい!!!

でも、

やがて別の世界でふたりは―――

 

 

 

 

 

 

ほんと良かったですよ。

映像もすごくきれいで、まさにファンタジー!!

 

残念なのは、あの……は、半漁人がネコを……喰らう……

(もちろん韓国映画のような本物の子を使ったりはしてません! ぬいぐるみ丸わかりのネコですが)

それでもぼくにはショックでして

まあ、ぼくには難でして、まあ、ベスト10には入れられませんが

まあ、

なんと言いましょうか、

サリー・ホーキンスがいい。

 

 

で、お次です。

 

 

 

 

「スリービルボード」 

 

 

 

 

 

これは1押しです。

ぼくのベスト10に、おそらく入ると思います

 

 

場所は古い因習の残る田舎町

娘をレイプされた母親が

なーんもしねえ警察を相手に、看板をおったてて「まじめに仕事しろ!」という話。

 

それだけなんですけど

登場人物たちのキャラとストーリーの運びがすごく良い。

 

ハリウッド映画で、これほどスカッとしたのはひさしぶりです。

 

 

主人公ミルドレッド役のF・マクダーマンドは

あの問題作「ファーゴ」で注目された実力派女優

彼女の映画ならまず間違いなし!って、ぼくにはクリントイーストウッド的な存在です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

警察を看板をおったてて批判するわけですから、ニュースにも取り上げられたりして

街の恥だ、とかなんとか街中から非難される。

無視される。

意地悪をされる。

 

でも

負けない!

 

母は強い!!

相手がガキでも容赦ない。

クルマにゴミを投げつけてきたガキの股間を思いっ切り蹴り上げ

役立たずな警察署に火炎瓶を投げつけて燃やしてしまう。

 

 

このミルドレッドの強さ!

あっぱれ!!

娘のかたきは絶対にとる!の、ぶれない覚悟!

 

 

 

 

ぼくはねえ、見ていてですねえ。

子供とかネコとか、理不尽に虐待されたら

ミルドレッドみたいに反撃していいと思いますよ。

 

 

バカとは付き合うな、とは言いますけど

学校なんかは檻の中ですからね。

バカもいるわけです、たっくさん。

 

 

自分の愛するものが理不尽ないじめに遭い

それで自殺(もしくは殺されたり)なんかしちゃったら

もう悲しくて悲しくてどうしていいかわかりませんよ。

 

 

そんなときにですね、

んとなくですね、

この映画では、どうしたらいいか、こうしたらいい、みたいなね

いえ、けっして、マルコムXみたいな暴力を勧めているわけではないんですけどね。

 

ただ

あなたの大切なお子さんが、理不尽なイジメに遭っている進行形だとしたら

進行形で、いままさに虐められている、としたら

この映画がなにかをおしえてくれるかもしれない

そう思います。

 

 

宙に伸ばしても何もつかめなかった手で

なにかをつかめるかもしれない。

 

先生や教育委員会はあてにならない。

自分の子は自分で守る、みたいな。

 

なにかを諭してくれるのではないかと思います。

そんな見事な映画でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いかがでしたでしょうか。

ではまた~~~~。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


SENのお金の悩み相談所 1回目の4

2019-01-22 13:00:05 | ファイナンス・インテリジェンス

 

 

みなさん、新年あけましておめでとうございます。

なんかもう春みたいな気候になってきましたねえ、昼間は。

 

 

わたしは暑がりでしてね。

外がまあ暑くて、気温なんかもわりと高いのに

店やビルディングの中はずっしり寒さ対策をしている。

あるでしょ、そんな感じでしょ??

 

もうコートを脱いだって暑くて、息苦しくて、、ちょっと苦労しちゃっています。

 

 

 

そうそう、そういえば

おとといのことですが

日曜ね

一昨日の日曜。

 

今の世知辛い日本を象徴しているなあ、と思うことを

目の当たりにするシーンがありました。

 

 

日曜の夜のことです、さっきも言ったけど。

いつもの台湾料理屋にいきました。

 

ラーメンだのチャーハンだの、あれこれ注文をして、

運ばれて食べていますと

日曜とあってか店も混んできます。

 

それで、

となりのテーブルに親子がやってきました。

 

父親は30代後半か40代

息子はどう見ても小学生、5年生くらいか。

いや、3年生かもしれない。

そのあたりの相違はわからんとです。

 

で、ふつーに注文してます。

 

 

それからなんです。

おれが、あれ? と思ったのは。

 

 

さっきも言ったように混んでいますから、

料理もちょっと時間がかかる。

 

それでもこの店は早い方で、

おれなんかはそれが好きなんですけど

 

 

で、その親子。

一言も話さない。

 

目も見合わせない。

 

親父は足を組み、姿勢を斜めにして、ずっとスマホを見ている。

 

小学生の少年は何をするでなし、ずっとテーブの木目を見ている。

 

料理が運ばれて、食事をしているときもいっさい話さない。

ぜんぜん。

親父は食べながらも左手のスマホを離さず、一言もなし。

 

少年を見ると

バツが悪そうな顔で食べている。

 

親子じゃないとしても、向かい合う2人の間に地球一周分くらいの距離がある。

寒々として、料理の味なんかわかるのかな、って感じです。

 

 

おれは先に食べ終わって出ましたが、

あの二人はおそらく最後まで会話なしでしょう。

 

 

で、

でね、

そのオヤジの。

スマホ命のおやじの

究極に驚いたのは------------------

 

そのオヤジ

ずっと見ていたスマホ

ずっと待ち受け画面だったのです。

 

複数アイテムが並んでいるだけのスマホの画面。

 

ずっとですよ。

動画を見るわけでもない。

ツィートを流しているわけでもない。

 

 

それってどういうこと????

 

わからんとです!!!

 

 

つまりは、子供と話したくないのでスマホを見ているふりをした、

ということなのでしょうか。

 

嫌な感じがしましたよ。

なんか子供が可哀相でね。。

 

少年よ、がんばれよ。

親は選べないが、大志を抱けよ。

 

 

さて、

えええ、さて!!!

 

前置きが長くなりましたが

いよいよメインの始まり始まり~~~~!!!

 

 

 

■□■□■□■□■□■□■□■□

 

 

 

 

 

◆ 

おれSENは

東京の郊外の

倒壊間近の、雑居ビルの2階で「お金の悩み相談所」を営っている。

 

独身、彼女なし、借金あり。

スーツは一張羅で

これをクリーニングに出すと1日中ジャージでいるしかない。

 

相談に応じる側がこの始末だから、客はほとんど来ない。

細々と株投資をしながら、陽気なネコたちとすごしている。

 

 

でもごくたまに

客が来ることもあるのさ。

 

世知辛い世の中だもの。

それぞれが、さまざまな悩みを抱えながら。

 

 

 

第1回 

その4

 

 

 

 

「それで、具体的には?」

 

 

 

 

「実は、わたしの全財産を特定の者に

相続させたいと思いまして……」

 

 

 

 

「3億ぜんぶを???

 

あ、いえ、それは可能ですよ。

相続には遺留分といって

強制的に財産の一部を分け与える制度がありますが

兄弟姉妹は対象外ですからね」

 

  

 

 

「家もですね。

ずっと住めるように―――それを確実にしておきたいのです。

わたしに何かあったとき、

第三者によって不正が行われないように―――」

 

 

 

 

「第三者というよりあのヒトたちでしょ。

そのなんとかぶんって―――」

 

 

 

 

「遺留分」

 

 

 

 

「そのいりゅうぶんがないからってさ、

わからないよね、どんな手を使ってくるか」

 

 

 

 

ガチャ。

いきなりドアが開く。

 

 

「SEN、おっと来客中だったか」

 

 

 

 

「なんだよ、もう!

営業中なんだからノックくらいしてよ。

すみません、立石さん」

 

 

 

 

「いや、失礼。

お客がいるなんて一度もなかったから―――あれ、副社長?」

 

 

 

 

「え? あ、ああ

もしかして―――暮井さん?」

 

 

 

  

「奇遇ですね。

こんなところでお会いするなんて」

 

  

  

 

「こんなところで悪かったね。

ほう、

ふたりはお知り合いなんですか」

 

 

 

   

「仕事上の……

新規の取引先というべきでしょうか」

 

 

   

 

「そうですね、

そういうことになりますか。

取引は、まあ、まだわかりませんが」

 

 

 

   

「こ……ちらは……副社長の?」

 

 

 

  

「あ、あぼくですか?

こんにちは

はじめまして

森瀬と言います」

 

  

 

 

「あ……あ、どうも、わたしは……」

 

 

 

  

「おまえね、

自己紹介なんてしてる場合じゃないでしょ。

席を外しなさいよ。

ほら、早く」

 

 

  

 

 

 

 

 

  

{??」

 

 

 

 

 

 

 

  

 

「KEI?」

 

 

 

 

「ごめんごめん。

それじゃ出直します。

では副社長、森瀬くん。ごゆっくり」

 

 

 

「……」

 

 

 

 

 

  

 

 

 

 

 

つづく

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


SENのお金の悩み相談所 1回目の3

2018-12-09 20:22:33 | ファイナンス・インテリジェンス

 

みなさん、こんばんは。

いやあ、いっきに寒くなりましたねえ。

 

外飼いの子がいるのでチョー心配です。

犬小屋の中にネコハウスを置き、

たっぷりのふかふか毛布を敷いているのですが

雪が降ったりしたら、もう少し別の対策を立てないといけませんね。

 

 

さて、寒かったので昨日はラーメンを食べてきました。

 

 

ふつうにタンメンです。

 

でもって今日は、台湾料理。

 

 

今日もまたラーメンなんですけど、これが台湾ラーメンです。

微妙に中華とは違うんですよね。

中華よりスパイシーなんです。

それも独特のスパイシー。

 

わたしは中国はもちろん台湾にも行きましたが、食事はどちらも美味かったです。

(西安料理はイマイチ、観光として台湾はイマイチでしたが

 

さて、本題です。

 

 

 

 

 

おれSENは

東京の郊外の

倒壊間近の、雑居ビルの2階で「お金の悩み相談所」を営っている。

 

独身、彼女なし、借金あり。

スーツは一張羅で

これをクリーニングに出すと1日中ジャージでいるしかない。

 

 

相談に応じる側がこの始末だから、客はほとんど来ない。

細々と株投資をしながら、陽気なネコたちとすごしている。

 

 

でもごくたまに

客が来ることもあるのさ。

 

世知辛い世の中だもの。

それぞれが、さまざまな悩みを抱えながら。

 

 

 

第1回 

その3

 

 

 

 

「で、どんなお悩みを?」

 

 

 

「わたしは、すでに両親はなく、

姉がいるのですが、この姉ともほとんど音信はなく……

いや、なかった、と言うべきでしょうか」

 

 

 

「続けて、続けて」

 

 

 

「姉は、まあ、それなりの暮らしをしているのですが

なんと言いますか金遣いが荒く

娘さんの結婚式も、そうとう派手にやったようで……」

 

 

 

「あ、いますね。そう言うヒト。

まあ、お金があるんでしょうけど」

 

 

 

赤ん坊の頃に一度しか会っていない娘さんの

ご祝儀に300万円出せと」

 

 

 

「さ、300万円!?

マジですか。それで結婚式ができちゃうじゃないですか」

 

 

 

「でも、ジュンは300万出したのに

文句言われたんだよね」

 

 

 

「えっ、 ジュン?」

 

 

 

「あ、すみません。

わたしのことです」

 

 

 

「親の家に住んでいるんだから

その半分をくれって。

家を売らないなら、現金で半分くれってさ」

 

 

 

「相続ですね。

ご両親がお亡くなりになったとき、

ジュンくんは分割相続されなかったのかな?」

 

 

 

「え」

 

 

 

 

 

「あ、しました、しました。

わたしが家を、姉は預貯金で。

それで、均等に分けたのですが

自分たちは子供もいるし、相手のかたの妹弟の面倒を見ているとか何とか」

 

 

 

「本当かどうかわからないけどね。

ようするにジュンがおとなしいから図に乗っちゃってるんでしょ。

言えば何でも出すと思ってるんだよ」

 

 

 

「浩二、それは言わないって約束だろ」

 

 

 

「だって、何も言い返せないんだもの」

 

 

 

「あのう、ジュンさんと浩二さん。

きちんと分けてあるなら

今さら家の半分をわたす必要はありませんよ。

拒否することができます」

 

 

 

「今のは一つの例でして……

まあ、そういう感じなので

はっきり言って付き合いたくない家族なのです」

 

 

 

「嫌いなんですね。わかりますう……」

 

 

 

つづく

 

 

 

 

 

 


SENのお金の悩み相談所 1回目の2

2018-12-02 12:40:49 | ファイナンス・インテリジェンス

 

 

おれSENは

東京の郊外の

倒壊間近の、雑居ビルの2階で「お金の悩み相談所」を営っている。

 

独身、彼女なし、借金あり。

スーツは一張羅で

これをクリーニングに出すと1日中ジャージでいるしかない。

 

 

相談に応じる側がこの始末だから、客はほとんど来ない。

細々と株投資をしながら、陽気なネコたちとすごしている。

 

 

でもごくたまに

客が来ることもあるのさ。

 

世知辛い世の中だもの。

それぞれが、さまざまな悩みを抱えながら。

 

 

第1回 

その2

 

 

 

「わたしが代表のSENです」

パソコンで作った名刺を、相手のグラスの横に置く。

 

「それでは、まず、ご相談を始める前にこの契約書にサインを―――」

 

 

 

「サイン?」

(契約書を手に取って)

「想定外の結果が出ても……効果が得られない場合でも……

ノークレーム、ノーリターン……金は必ず払う……」

 

 

 

「いえね、わたしの相談はぜんぜん役立たないと、金を払わない客がおりましてね。

いや、めったにいませんよ。

そんなの、ほとんどおりませんよ。

でも一応ってこともあるじゃないですか。

念のためって言うでしょう。

それで、こうして、相談を始める前に、契約書にサインしてもらうことにしているんです」

 

 

 

「わかりました」

 

 

 

「はい、サインをありがとうございます。

では早速、簡単な自己紹介をしていただけますか?」

 

 

 

「立石と申します。年齢は52歳。

自動車メーカーに勤めております」

 

 

 

52歳か。ほう、もう少し若く見えたけどねえ。

とすると、このふたりは親子かな。

「そちらは?」

 

 

 

「ぼくは森瀬です。21です」

 

 

 

名字が違う―――ということは親子じゃないのか。

「森瀬くんは学生ですか?」

 

 

 

「いいえ」

 

 

 

「それじゃ―――なにかお仕事を?」

 

 

 

「今は、なにもしていません」

 

 

 

無職か。

なんとなくな。

 

この青年の純粋な、透き通ったイメージは、世俗にまみれていないということかな。

可愛い顔をしているからホストに向いているけどねえ。

知り合いのナイトクラブに紹介してやっても―――うほほ。

 

「さて、立石さんは、どんなお金の悩みがあるんですか?」

 

 

 

「わたしは……あの、結婚しておらず、それゆえ子供もおりません。

大田区に古い屋敷と少しばかりのたくわえがあるくらいで」

 

 

 

「たくわえとはいくら程ですか?」

 

 

 

「だいたい1億……か、2億くらい」

 

 

 

「ええ、そんなにあるんですか。

それじゃお金の心配なんていらないじゃないですか」

 

やった、これはいい客だ!

上客じゃないか!!

儲かるぞ!

 

 

 

つづく

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


SENのお金の悩み相談所 1回目

2018-12-01 23:16:35 | ファイナンス・インテリジェンス

 

 

みなさん こんばんは。

 

美しい紅葉の季節をいかがお過ごしでしょうか。

 

なんといいますか

ドナルドのせいか温暖化のせいか

ぜんぜん落葉しませんでね。

 

で、

12月になって、

ようやく落葉になった、という感じで。

ええ。

 

ふだんなら11月の始まりくらいに、もうわんさか、毎日掃かなくちゃならないほど

黒い絨毯ならぬ落ち葉のジュータン状態になっているんですけどね。

それが―――

 

 

まあ、話は変わりまして

本題に―――ああ、その前に

 

わたし、テレビ番組はスポーツとニュース(Nスぺを含む)しか

見ないんですけどね、ほとんど。

え、

ご存知でしたか?

ご存じ。

ああ、そうですか。

 

 

ところがですね

まあ、大好きな「孤独のグルメ」(←いま再放送している)は見ていますけど

それ以外に

「ヒロシの迷宮グルメ」

「ヒロシのぼっちキャンプ」(←ぼっちはひとりぼっちのこと

大好きなんですよ。

 

 

 

 

 

ほんと、もう必ず見ていまして。

連続録画で予約して。

 

なんだかヒロシさんが大好きで。

このところ新聞の番組表を広げては 

ヒロシさんが出ていないかチェックする始末で―――

 

え、

本題、

本題、本題ね。

はい、本題行きま~~す。

 

 

 

「SENのお金の悩み相談所」

第1回

(写真はイメージです

 

 

 

 さ~て今日も、おれの悩み相談所が始まるぞ。

相談って言ってもお金に関することだからな。

秘密厳守の格安設定、今日あたり客が来てくれないかなあ。

 

あんまり客が来ないと

家賃も払えなくなるぞう。。。

 

 

おっと、ドアの向こうで声がする。

客かな。

よーやく客が来たかな。

うひょうひょひょひょ。

 

 

「なあ、やっぱりやめよう。おれがなんとかするからさあ」

「なに言ってるの。せっかく来たんじゃない」

「だってさあ、恥ずかしいだろう、そういうの」

「だいじょうぶ。秘密厳守って書いてあるから―――あ、可愛い! ネコだよ!」

「ここのネコだろう、首輪してるし。なあ、それより―――あ」

 

ガラガラ、と扉が開く。

 

 

 

「いらっしゃいませ」

 

 

「こ、こんにちは」

 

 

「どうぞ。そちらの椅子にお座りください」

 

40代くらいのサラリーマンだな。

身なりがいいから金回りは良さそうだ。管理職か、経営者か……

 

 

 

「気楽にしてください。

そうですね、なにか飲み物を……コーヒーでいいでしょうか?」

 

 

「え、あなたがいれるんですか―――あ、いえ、おかまいなく」

 

 

「ぼくはアイスコーヒー、ブラックで」

 

 

「アイスコーヒーですね。それじゃあなたも同じもので?」

 

 

「え、はい……わたしもブラックで……」

 

 

おれは椅子から立ち、横にある小型冷蔵庫から、

昨日98円で買ったUCCアイスコーヒーをだし

3つのグラスにアイスと、そのアイスコーヒーを注いだ。

 

トレイに乗せ、にっこり笑顔を作って振り返ると

若い方がじっと見ている。

凝視だ。

 

 

嫌なガキだ。

こんな安物のコーヒーなんていらない、なんて言いだしそうだ。

 

 

 

つづく