佐世保便り

2008年7月に佐世保に移住。
海あり山あり基地あり。そしてダム問題あり。
感動や素朴な疑問など誰かに伝えたくて…

北陸の旅~おわら風の盆・2日目~

2009-08-21 | 
今日は夕方から舞台踊りを見る予定ですが、昼間は踊りがないので、
八尾の町を散策することにしました。


江戸時代、越中と飛騨との交通の要所として栄え、
また、富山藩唯一の交易市場として繁栄を重ね、養蚕や和紙の都としても有名でした。

そんな江戸時代のたたずまいが色濃く残る街並みは、「日本の道百選」にも選ばれています。

曳山展示館、坂のまち美術館、和紙文庫桂樹舎などなどあちこち見て回りましたが、
やはり「おわら資料館」が一番見ごたえがありました。


ここには「おわら」に関するあらゆる資料が展示されています。
「おわら」の歴史、
唄や踊りについての解説、
民謡おわらを芸術的に高めた人々の写真や功績、
「おわら風の盆」を題材とした絵や歌や書の数々。











ここにあるように、おわらを芸術的に高めた功労者として川崎順二の名は良く聞かれます。
そして、彼の周りに集まった「甚六会」のメンバーたち。
その解説を読んでなるほどと合点がいきました。

「俺だって都で学問すれば、芥川龍之介のような文学者になれる」
「俺だって都で働けば、渋沢栄一のような実業家になれる」
「だけど親が許してくれない。跡取りとしてこの地に縛り付けられる」

そんな不満を内に秘める若者たち。
向上心と自信と野望に満ちた若者たちが、そのエネルギーのはけ口として、
郷土のおわらに「何か光るものを感じ」、その改良や創作に情熱を注いだという。

そうだったのか…
その情熱が唄の中にも踊りの中にも凝縮されているから、あんなにも人の心を惹きつけるのか…

都への憧れ、
陽の当たるところへ出られない悔しさ、
諦めの中に見出した地元の宝、
その宝物を磨き上げることにここで生きる意味を見出したに違いない。。


そんなふうに勝手に納得して、今夜は夕方6時からの前夜祭ステージを鑑賞しました。
(あいにくの雨で外での踊りは中止となりました)

若者の司会者が踊り方の説明をしてくれて、
私たちも客席に座ったまま、手の振りだけでも覚えようと努力しました。
が、なかなか…。















踊り手だけでなく、演奏者としても若者が活躍しています。


「おわら風の盆」があるかぎり、八尾の町は若者を都会に盗られる心配はないのではないか、
一度出て行った若者も必ず帰ってくるのではないか、
そんな気がしました。

町おこし、ふるさと再生などの看板を掲げてはムダな税金を使っている石頭の方々、
一度足を運んでみては? 越中八尾おわら風の盆!

文化こそが人を育て、町を育てるのです。
そして、魅力的な町には、箱モノがなくても、高速道路がなくても、
人は集まってくるのです。




コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 北陸の旅~おわら風の盆~ | トップ | 北陸の旅~散居村~ »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

」カテゴリの最新記事