ペドロランド日記

スペインの国際村「ペドロランド」を中心にフランスとイギリスに発信地を移しながら、日々の出来事を綴っています。

スペインの病院に行ってみた

2006-03-22 10:29:38 | スペインの生活
近所に住むイギリス人のモーが気管支炎で入院しているので、スペインの病院見学かたがたお見舞いに行った。

聖ハイメ(ヤコブ)病院は、まだできて4年も経っておらず、最新設備を備えたきれいな病院だった。湖を背景に小高い丘の上に建っている。中身も広々として、清潔でひっそりとしている。

この病院は半官半民である。もともとは100パーセント私立病院の予定だったのだが、2階建ての建築許可しか取っていないのに、その上にもう1階無断で建ててしまい、これが発覚すると、地元の市議会が「3階を取り壊して2階建てにするぞ」と脅した。結局、病院側が折れて、一部の国民健康保険患者も受け入れることに決定し、3階の取り壊しを回避したのだった。

といわけで、モーのようなラッキーな国民健康保険患者は、最新式のデラックスな施設を無料で利用できるわけである。病室はホテル並み。個室・バストイレ付き、見舞い客用のソファーも用意されていて、テレビで外国語放送も見られる。医師は英語はもちろん、スペイン語のほかに数カ国語を話すし、病院付きの通訳も常時待機している。公立の病院だと、自分で通訳を雇って連れて行かないといけないのとは大違いだ。

2年ほど前に、やはりペドロランドの住民でオランダ人のオーパ(オランダ語でおじいさんの意味)とわれわれが呼んでいる人が脳卒中の発作を起こして、救急車を呼んだことがあった。この救急車が連れて行ったのが聖ハイメ病院だったのだが、まず健康保険に入っているか、クレジットカードを持っているかどうかを付き添いの人に確認し、いずれかでないと受け入れてくれなかったそうだ。幸い、オーパは旅行保険をかけてきたので、この病院で治療を受けることができた。

8時頃に夕食が運ばれてきた。病院の食事にしては遅いと思うのだが、そこはやはりスペインなのだろう。普通の家庭では9時が夕食の時間だ。食事はいくつかあるメニューの中から予め選べるのだそうだ。見舞い客用の食堂まであるが、ちらりと見たところ、まるでおしゃれなバーのようであった。

モーは1週間で退院してくる予定だが、自費で払うなら、たぶん1週間で2000ユーロ(約28万円)はするのではないかということだ。自宅からそれほど遠くない病院に移されたこともあり、本当に今回はモーはラッキーだった。