ペドロランド日記

スペインの国際村「ペドロランド」を中心にフランスとイギリスに発信地を移しながら、日々の出来事を綴っています。

フランスの汲み取り屋さん

2008-06-10 12:33:19 | フランスの生活
のち予報では夕方

昨日は久々の晴天で、気温も25度くらいまで上がったが、夕方から夜にかけて5時間以上激しい雷雨があった。今年の夏は天気が悪くて、フランスに来て3週間ちょっとになるが、1日中雨の降らなかった日というのが数えるほど(5日くらい)しかない。

その昨日、まだ天気のよかったうちに汲み取り屋さんが来た。この辺りでは下水道は本管にはつながっておらず、どこの家も浄化槽を備え付けている。実際には今年初めから村役場で下水道工事を始めているのだが、本管接続に各戸2000ユーロ(33万2千円)以上払わないといけないというので、わざわざ接続を望む村民はほとんどいないのだそうだ。

通常浄化槽は5年に1度程度汲み取りが必要ということであり、家を売るときには売り手の負担で汲み取りをしてから家の引渡しをするのが常識だそうである。が、我が家の場合はそれがされていなかったようで、そのせいか昨年トイレが詰まってたいへんな不便をした。不動産屋のファブリスが紹介してくれた配管工に来てもらって窮地を救ってもらったのだが(ファブリスの友人ということで、代金を払おうとしても受け取ってくれなかった)、今年もまた先週トイレが詰まったので、これはいよいよ浄化槽を汲み取ってもらわないといけないということになったのである。

実は昨年も同じことを試みたのだが、浄化槽の蓋がどこにあるのかわからない。そこで諦めていたのだが、今回はやっと蓋を探り当てることができた。蓋は地下20センチほどのところに埋まっていたのである。日本のように頻繁に汲み取りが必要なら当然もっと扱いやすくしてあるはずなのだが、5年に1度なら地面に埋めておいてもいいというわけなのだろうか。金曜日に汲み取り屋さんに電話をしてくれたブライアンいわく、まっさきに聞かれたことは「浄化槽の蓋は見えていますか?」きっと、浄化槽がどこにあるかもわからずに、とりあえず汲み取り屋に来てもらう人が多いのであろう。

浄化槽の中ではバクテリアが汚物を分解し、浄化された水が地面に染み出す仕組みになっているのだという。地面に染み出した水はとてもきれいで、飲めるほどなのだそうだ(実際に試したことのある勇気のある人はいないと思うが)。こうして分解しきれなかったものだけが浄化槽に残るので、汲み取りは5年に1度程度で済むのだそうである。このシステムを知らなかったときには、殺菌用の便座ワイプをトイレに流していた(流せると商品説明に書いてあったので)であるから、知らないということはこわい。大切なバクテリアを殺していたのだから、詰まっても不思議はなかったかも。それ以降は、殺菌と名のつくトイレ洗浄用品は避けるようにしている(特に浄化槽用と謳ったトイレ用品もフランスにはある)。

さて、実際の作業のほうはほんの10分ほど。代金は160ユーロ(約2万6千円)だった。浄化槽の大きさにもよるのかもしれない。お隣は200ユーロ以上だったそうである。お土産に会社のロゴと電話番号の入ったボールペンをもらった。これがショッキングピンクでなかなかおしゃれ。汲み取り屋さんの販促用品とは思えない。運転手兼作業員兼社長のブージョール氏と握手を交わし(実際には手が汚れているというので、手首を握って振ったのだが)別れた。