キッチン・トランスレーターつれづれ日記

つれづれなるままに日々のよしなしごとを綴ります。本、風景や花や料理、愛犬の写真などをご紹介。

Les Feuilles mortes -枯葉

2011-11-14 22:18:14 | アート
            

          「...突然気づいた。今日は私の大好きな風の強い、ひんやりした秋の

          日だということに。少女のころ林檎をかじったり、枯葉を蹴って歩いた

          りしたくなった、あんな一日だということに」

        「真珠の耳飾りの少女」で知られる英国の作家トレーシー・シュヴァリエの

        「天使が堕ちるとき」の一節です。生きる希望を失って鬱々としているヒロ

        イン、キティーは、秋のひんやりした空気に突然目覚め、自分の周りの世界

        に気づきます。私の大好きな場面です。秋のピリッとした冷たい空気には、

        人を覚醒させる作用があるような気がします。それと同時に、美しく色づい

        ても、はかなく散りゆく落ち葉は物悲しくもあります。

            

        イブ・モンタンの「枯葉」を聴いていると、泣きたいほど切なくなります。

          「...かき集められる落ち葉は、僕の思い出の苦さに似ているよ」kei訳

        フランス語の歌詞はすばらしく美しい詩です。(英語のもかなりいいけど)

            

        でも苔むした樹の幹の上に散る紅葉や銀杏の葉などは、なんとなく和の

        イメージかも。

          奥山に紅葉ふみわけ鳴く鹿の声聞くときぞ秋はかなしき  猿丸大夫
コメント
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