キッチン・トランスレーターつれづれ日記

つれづれなるままに日々のよしなしごとを綴ります。本、風景や花や料理、愛犬の写真などをご紹介。

お気に入り絵本2 絵と文、強力タッグの絵本

2011-04-21 15:07:29 | 
The Money Tree
David Small
Farrar Straus & Giroux (J)


  1月、ミス・マギリカディーの庭に奇妙な木が生えました。「鳥たちの贈り物ね、でも

  なんて不思議な形でしょう」3月、木はどんどん大きくなって、緑の葉が茂りました。

  ところが、その葉っぱは緑のお札だったのです! 5月、ミス・マギリカディーは近

  所の子供たちにそのお札をあげました。6月、当然ながら、お札をもらった子どもの

  親たちがやって来たので、ミス・マギリカディーは気前よくお札を分けてあげました。

  7月、8月、9月、うわさを聞きつけた人々が、お札を手に入れようとわんさかやって来

  ました。昼も夜も、はしごをかける者、木をゆする者。10月になって、木のお札は茶

  色くなってミス・マギリカディーはほっとしました。もう誰も来ないでしょう。いえいえ

  11月の吹雪の朝も、木の下の雪を掘り返してお札を探している人たちがいました。

  12月、ミス・マギリカディーは近所の子どもたちに木を切り倒させました。そうして、

  その木で作った薪を暖炉にくべて、一冬を暖かく過ごしました。

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  私なら、お金のなる木があって、それが採り放題だったら、やっぱり行くでしょうね。

  節分の豆まきやお餅まきなどで、争って拾い合い、人の分までもぎ取ろうとしたこ

  とがあります。ただ、お金がほしいというだけじゃなく、そういうのって人の性じゃ

  ないかという気もします。でもミス・マギリカディーは違います。一年間、お札を奪

  い合う人々を見続けて、さっさと木を切ってしまいます。すると、読んでいる私も、

  ほっとしたような気分になりました。こんな厄介なお宝なんかない方が良いという

  ような。人間、どちらの気持ちもあるのでしょうか。この本の書きぶりも、別に善悪

  を決め付けるようなものではありません。

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  何より淡々とした文章と、パステルカラーのふんわりした美しい絵が、本当によくマ

  ッチしていて、癒しの絵本です。最初絵が女性で、文が男性かと思ったのですが、

  絵が夫のデイヴィッド・スモ-ル、文が妻のサラ・スチュワートのご夫妻の作でした。

  このご夫妻、ほかにも数冊共作絵本がありますが、どれもわが道を行く女主人公の

  お話で、庭師でもあるデイヴィッド・スモールの庭や花や動物たちの絵が目を見張

  るすばらしさです。

The Library
David Small
Square Fish
The Gardener
David Small
Frances Lincoln Childrens Books
コメント
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