『うちの秘蔵っ子』という阿川弘之選の著名人のペットフォト&
エッセイ集があります。皆さん、犬、猫、兎、蜥蜴、はては鯰
まで、いろんな動物を飼っていらっしゃる。でもやはりたいて
い犬か猫のようです。柴犬なっちゃんを飼っていることもあっ
て、その中でも中野孝次さんの『柴犬三代』を面白く読みまし
た。同じ柴犬でも、性格その他まるで違うんですね。一番初め
に飼った柴犬は、敏捷で、散歩大好き、猟犬であった先祖の血
を引いているように感じられ、二番目のは、柴犬なのに20キロ
もある超巨漢ののんびり屋、三番目に飼ったのが、臆病で、散
歩に行くにも、抱っこして外に連れ出さなければならない甘え
ん坊のメス柴だったとか。
うちのなっちゃんは、まさにその三番目のタイプ。
臆病で、おとなしく、そのくせ、相手が優しそうとみると、大き
な犬にでも、つっかかり、ちょっとでも反撃されると、尻尾を巻
いて逃げる内弁慶。
散歩は好きだけれど、呆れるほどノロノロ歩き、リードを
放して走らせてやっても、すぐ座り込む体力の無さ。
このごろは日がな一日、こたつの周りで寝そべっています。猫?
外から帰って「ただいま」と言っても、近づいてくるでも、
尻尾を振るでもなく、完全無視。可愛げのないこと。
それでも、たまに潤んだ目で見つめられると、何だか無
性に可愛い。やっぱりうちの秘蔵っ子ってことですかね。