トカゲの死骸

　県の演劇研究会常任委員会から帰ってただいまぁ～と言うと嫁と子供たちはお風呂中。誰もいないリビングから台所へ歩いていくと台所の床に爬虫類の死骸が。誰だ！こんなところに死んだトカゲを投げたのは…。よく見てみるとおもちゃのティラノザウルス。リアルなんだなぁこれが。
　死骸に見えたからって訳じゃないけど死に様についてちょいと。実はつい先日、オートバイで出勤途中の市立伊丹高校の先生が交通事故で亡くなったという記事が新聞に出ていました。面識はなかったのですが、自分に近い人ってことでちょっと気になりインターネットで検索。多くはヒットしなかったのだけど、その先生が作っていたであろうHPを発見しました。このバイクに乗ってたんだなぁとか、つい一月前にオイル交換とかブレーキパットを変えたんだなとか日常が見えるんですよ。きっと自分の死を予見してなかった事が手にとるように分かるんです。なんとも言えませんでした。
　ほんの数百年か前までは死ぬことが日常的で、武士は朝家を出るときに、今日は生きて帰れるだろうかとか、自分が死ぬときはこうして死にたいとか考えていたと思うんですよ。今どれだけの人が自分の死に様を考えて毎日を送っているのかと思ったら、自分は甘えた生活を送ってるんだなって結論に達します。床に落ちたティラノザウルスから、ふとふと考える自分の死に様、そして生き様…。
　明日も背筋を伸ばして家の門を開け、何事もなかったように笑顔で家族の元へ帰りたいものです。