2月15日 キャッチ!世界のトップニュース
韓国では旧正月に親族一同が集まって新年を祝うのが伝統の習わしとなっている。
独特な礼儀作法や慣習は
国外から韓国に嫁いできた女性にとって大きな壁となっている。
旧正月を1週間後に控えたある日
韓国の旧正月の作法について学ぶ教室が開かれていた。
参加していたのは日本など5つの国から来たおよそ20人。
韓国人の男性と結婚して韓国に来たばかりの人から10年以上住んでいる人まで様々。
共通の悩みは旧正月の礼儀作法がよくわからないことである。
(ウズベキスタン出身の女性)
「難しい旧正月のあいさつを習いに来ました。」
(ベトナム出身の女性)
「旧正月について学べば韓国での生活にとても役に立ちます。」
儒教の影響が色濃く残る韓国では
目上の方を敬う伝統的な挨拶がとても大切にされている。
しかし近年 核家族化が進んだり国際結婚をする人が多くなったため
古いしきたりにふれる機会が少なくなり
挨拶の仕方を知らない人も増えている。
そのためこのような教室が人気を集めているという。
「背筋はまっすぐ伸ばして
そのまま頭を下げます。
肘を床につけるように。」
1回のおじぎにも細かな決まりがたくさんあって意外に大変である。
韓国人の男性と結婚して5年目になる活美さん。
3歳になる娘とともに
これまで見よう見まねで行ってきた韓国の伝統的な挨拶をきちんと習いたいと参加した。
(活美さん)
「“セベ”は新年のあいさつなんですが
きょうはいちから学ぶことができたので
娘も旧正月で今年はできるんじゃないかと思う。」
活美さんは韓国の文化に慣れてこれまで以上に夫の家族に溶け込みたいと考えている。
待ちに待った旧正月の連休。
活美さん一家は忠清南道(チョンチュンナムド)にある夫の実家にそろって帰省した。
夫の父親は7人兄弟。
その家族が旧正月には総勢50人近く集まる。
しかし一般的には韓国では親戚同士の結びつきが以前ほどなくなり
大人数で集まる家は少なくなっているという。
旧正月を祝う料理の買い出しも50人分となると大変である。
用意した食材は大量である。
食事は夫の伯母の指揮のもと親類の女性全員が協力して作る。
(活美さん)
「私は嫁という立場なので自ら進んで台所仕事を見つけて
可愛がってもらえるようにするのが少し大変でした。」
(夫の叔母)
「一生懸命まねをしながら学ぼうと努力してくれました。
教えなくてもよくできていましたよ。」
(活美さんの夫)
「僕の奥さんも韓国文化に慣れて
大家族の1人になって
楽しんでいる様子を見るのも本当に僕の喜びです。」
旧正月の当日。
まずは先祖を迎え入れるための供え物の準備をする。
供えるのは焼き魚や蒸し鶏など約20種類。
活美さんをはじめとする女性たちが1日かけて作った。
そして新年のあいさつである。
年長者の祖父母にみんなが順番に行う。
最初は祖父母の7人の息子たち。
次に7人の息子の妻。
続いて孫たちの番である。
活美さんも娘と一緒に教室で習ったばかりの韓国伝統のあいさつをする。
旧正月に欠かせない食事は
韓国もお餅である。
お餅を食べることによって1歳年とると言われている。
(活美さんの夫)
「お餅を食べながら新年に1歳年をとって
元気でいられるよう願って
家族と食べます。」
活美さんは親類一同で集まるこの時こそ
夫の家族の一員であることを実感できるという。
(活美さん)
「これだけ集まるのはなかなかないので
大事にしていきたいと思います。」