2月19日 キャッチ!世界のトップニュース
東南アジアで最も人口が多く
堅調な経済成長を続けるインドネシア。
誰が次の5年の舵を取るのか注目されるが
2期目を目指すジョコ大統領の対立候補は元軍人のプラボウォ氏である。
この2人の選挙戦が本格化するなか
ジョコ大統領が就任以降実施してきた政策の成果が問われている。
再選を狙うジョコ大統領が
この5年間 力を入れ成果を上げてきたと主張するのが貧困対策である。
この日は貧困層が多く住む地域を訪れ
自身が始めた支援プログラムの利用状況を視察した。
このプログラムは資金がない人たちに政府が低金利でお金を融資する制度。
新たな事業を始めて生活を安定させてもらおうというものである。
(インドネシア ジョコ大統領)
「皆さん 仕事に一生懸命取り組んでください。
また数年後 お会いできるのを楽しみにしています。」
この制度を利用しているルムシーさん。
夫と2人の子どもの4人家族である。
夫はこの地域で盛んな魚やエビの養殖業を営んでいるが
ひと月の収益は日本円で2万円程度。
天候によっては魚が育たないこともあり収入は不安定である。
(ルムシーさんの夫)
「時期によっては収入が全く無くなることもあります。」
そうした状況から抜け出そうとルムシーさんは4年前
プログラムの融資を受けて自宅食料品や日用品の販売をする売店を始めた。
(ルムシーさん)
「店の収入で生活をよくしたいです。」
受けた融資額は合わせて4万円。
返済は週にわずか500円程度なので大きな負担ではないという。
支援プログラムのおかげで生活が大きく改善されたと感じているルムシーさん。
次の5年もジョコ大統領に政権を担ってほしいと考えている。
(ルムシーさん)
「この地域の人たちはジョコ大統領支持だと思います。
子どもが教育を受け
貧困から脱してほしいです。」
ジョコ大統領が貧困対策とともに力を入れているのがインフラ開発。
海外からの投資の誘致である。
近年 中国からの投資が伸びているインドネシア。
投資額はジョコ大統領が就任した2014年と比べると3倍に増えているが
一方で問題も起きている。
スラウェシ島中部のモロワリ。
ニッケルなどの天然資源が豊富にあることで知られている。
この地域ではジョコ政権誕生後
中国からの投資を受けて地元企業と中国企業が合同でニッケルの採掘・加工施設の操業を始めた。
関連工場で働いていたチェンドラさん。
中国の投資によって地元の人たちは必ずしも恩恵を受けていないと話す。
(チェンドラさん)
「政府はここで起きていることに目を向けていないのです。」
工場で働く人たちが撮影した内部の映像。
多くの中国人労働者や中国人向けの宿泊施設が確認できる。
インドネシアでは国内で外国人の単純労働者が働くことは禁止されている。
しかしモロワリには中国から単純労働者が大量に流入し
地元の雇用を奪っているとチェンドラさんは訴える。
さらにインドネシア人の給料は3万円ほどだが
中国人労働者はそれを大幅に上回る給料が支払われているという。
(チェンドラさん)
「同じ仕事をしている中国人の友人は10万円以上の月給があると話していました。
賃金のことを会社は公開しないのです。」
チェンドラさんたちは1月24日
工場の前で賃上げを要求するデモを行った。
参加者はジョコ大統領の政策を批判し
対立候補プラボウォ氏への支援を訴える声も上がったという。
こうしたなか17日に開かれた大統領選のテレビ討論会。
対立候補のプラボウォ氏は
“天然資源の開発はインドネシア自らの手で進めるべきだ”と主張した。
(大統領選候補者 プラボウォ氏)
「私たちが抱えている問題は
私たちの資源が私たちの手にないということだ。」
(チェンドラさん)
「プラボウォ氏の主張ならば
もっと雇用が生まれることになります。
海外からの投資は社会によい影響を与えるものでなければいけません。」