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「豪華客船から脱出をうながす」ジョークに国民性

2019-03-13 07:00:00 | 編集手帳

2月21日 編集手帳



 国民性はジョークのタネになる。
世界的によく知られるものの一つがこれだろう。
豪華客船が沈み始め、
船長は外国人乗客に脱出を促すことになった。
さてどうやるか?

アメリカ人へ。
「飛び込めばあなたは英雄ですぞ」。
イギリス人へ。
「飛び込めばあなたは紳士ですよ」。
ドイツ人へ。
「飛び込むのがこの船の規則です」。
イタリア人へ。
「飛び込むと女性にもてますよ」

このなかの国の一つが従来のスマートなイメージをか細く見せていることは確かだろう。
イギリスである。
3月29日に迫る欧州連合(EU)からの離脱を巡り、
混迷が深まっている。
英下院では先ごろ、
離脱条件などを定めたEUとの協定案が圧倒的多数で否決された。
貿易ルールも定まりかねる国から、
企業が相次ぎ撤退するのは当然だろう。
さながら沈み始めた伝統と格式ある客船から逃げようと、
海に飛び込む光景に見えなくもない。
そこにホンダが欧州唯一の工場を閉鎖すると表明し、
さらに波しぶきを立てた。

ほかの日系企業の動向も注視されよう。
ちなみに前述のジョークの日本人版は、
「みんな飛び込んでますよ」である。



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