日暮しの種 

経済やら芸能やらスポーツやら
お勉強いたします

中東でまん延 模倣品流入の実態

2017-02-24 07:15:00 | 報道/ニュース

2月7日 キャッチ!


ここ数年 中東の市場において
いわゆる海賊版や偽ブランド品のまん延が深刻な問題となっている。
WCO(世界税関機構)が発表した2015年のデータで
各国の税関が輸入品の中から押収した模倣品の数によると
サウジアラビアに入ってくる数は1億4600万個以上で
2位ロシアの10倍以上となっている。

世界有数の原油輸出国として知られるサウジアラビア。
高い購買力を背景にショッピングモールには多くの有名ブランドが軒を連ねている。
しかし街角の商店街には中国などで生産された模倣品と見られる商品であふれている。
WCO(世界税関機構)によると
サウジアラビアは模倣品の輸出先として1位にあげられるほどである。
そしていま模倣品は
一般の商品だけでなく工業製品のパーツにも数多く見られるようになった。
中には日本のメーカーのパーツも含まれる。
日本企業の担当者が首都リヤドの修理工場を視察したが
そこでもやはり部品やフィルターなどが見つかった。
担当者はすぐさまサウジアラビアの税関当局と協議を行い
対策の強化を求めた。
(サウジアラビア税関 模倣品対策班 班長)
「日本側の懸念がわかりました。
 模倣品撲滅に向け一緒に働きたい。」
協議の中で日本側がサウジアラビアに求めたのは
隣国のUAE(アラブ首長国連邦)との連携の強化である。
UAEが模倣品対策のカギを握るとみているのである。
中国などから出荷される模倣品の多くは
UAEを経由してサウジアラビアに輸出されることが分かっている。
国際的な物流のハブとして発展してきたUAEは模倣品の物流拠点にもなっている。
日本企業の担当者はUAEのドバイで取締まりにあたる政府機関をたずねた。
ドバイでは去年は約6,000万点の模倣品が押収され
被害総額は300億円にのぼるということである。
(UAEアラブ首長国連邦 ドバイ経済企画庁幹部)
「模倣品取引の格好の場にならないよう卸売業者の取締りを強化しています。」
UAEが模倣品の経由地となっている背景として指摘されているのが
空港などで税関の手続きが簡素化されている「フリーゾーン」と呼ばれる制度である。
自由度の高い貿易を実現するために導入されているこの制度が
模倣品の取引に悪用されているという報告がある。
このため空港では
貨物が発送される数日前から到着するまでの流通経路をきめ細かく把握し
分析できるシステムを新たに投入した。
また警戒されるのは空港だけではない。
ドバイにある中東最大の港 ジェベルアリ港では
最先端の機器を使って取締りを強化しているが
麻薬や武器などと違い
普通に梱包されている模倣品を見破るのは至難の業である。
また年間のコンテナ取扱量が1,500万個に及ぶため
大型の機械でもすべてを検査するのは不可能だと話している。
(ジェベルアリ港 検査官チーム班長)
「我々には経験もありシステムもありX線装置もあります。
 これらを合わせて模倣品を止めようと努めています。」
UAEはたくさんの港があることも対策を難しくしている。
1月もインド洋側の港を経由して自動車部品の模倣品50万個が押収された。
税関を通り抜けた模倣品はさらに巧妙な手口によって市場に流される。
知的財産の法律事務所は独自に情報を取集。
取締り当局に通報して模倣品の摘発に協力している。
担当のマリヤムさんは当局によるプリンターカートリッジの模倣品の摘発に立ち会った。
(知的財産 法律事務所 マリヤム・カドミリさん)
「見てください。
 ノーブランドのトナーカートリッジは中国製です。
 シールを剝がしてブランドのステッカーに張り替えるのです。」
大量の中国製カートリッジにはブランドのロゴは付いていない。
UAEに着いてから日本やアメリカのブランドのステッカーを張るという手口。
模倣品はこうして作られる。
模倣品を押収して業者に高額な損失を与えれば
再発を抑制できるはず。
そのためにはブランド側の努力も不可欠だとマリヤムさんは指摘する。
(知的財産 法律事務所 マリヤム・カドミリさん)
「取り締まりを続けるブランドには模倣品業者は警戒しますが
 取り締まりのないことが分かれば業者同士でその情報を共有します。
 ですからブランド企業は常に市場で騒いでいなければならないんです。」




コメント