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「ハード・ブレグジット」 翻弄される欧州のイギリス人

2017-02-21 10:00:00 | 報道/ニュース

2月3日 国際報道2017


「ハード・ブレグジット」によって
人の移動を制限することによって大きな影響が出るとみられているのが
EU各国とイギリスを行き来して暮らす人々である。
このうちEU各国に暮らすイギリス人は130万人にものぼり
不安が広がっている。
イギリス人のアラステア・ビールビーさん(28)。 
2年前からベルギーのブリュッセルに拠点を置くPR会社に勤務し
将来はヨーロッパ議会の議員になるのが夢だった。
しかし母国のEU離脱が決まり
強い失望感を感じている。
(ビールビーさん)
「議会の建物の前を通るとがっかりする。
 自分の夢がもうかなわないと思うとね。」
ビールビーさんはイギリスの名門 ケンブリッジ大学出身。
在学中にフランスに留学したのがきっかけでEUに興味を持ち
ベルギーで就職した。
去年6月の国民投票ではEU残留を呼び掛けたビールビーさん。
しかしそうした訴えもむなしく離脱と決まった。
(ビールビーさん)
「打ちのめされた。
 結果を伝えるテレビを見て呆然とした。
 まさかこんな結果になるとは想像もしなかった。」
ビールビーさんはベルギー人とノルウェー人の友人とアパートをシェアしている。
EU離脱交渉が迫るにつれ
やりきれない思いである。
(ビールビーさん)
「将来のことがとても不安です。」
(ベルギー人の友人)
「心配しました。
 彼は悲しかったと思います。
 EUが抱えるたくさんの問題に一緒に立ち向かおうという時に
 イギリスが突然離脱を決めてしまったから。」
こうしたなかメイ首相が打ち出したのが「ハード・ブレグジット」だったのである。
(1月17日 イギリス メイ首相)
「移民の数を制限します。
 もう単一市場の一員ではないですから。」
メイ首相が示したこの基本方針は
域内からの移民の規制を優先させる
いわばEUからの明確な決別を意味するものだった。
このままではEU離脱後ベルギーの在留資格を失い
これまでどうり仕事を続けられなくなる恐れもあるのではないか。
「ハード・ブレグジット」の決断によって
ビールビーさんたちEU各国で暮らすイギリス人の間に動揺が広がっている。
(ビールビーさん)
「移動の自由の恩恵を受けて
 私も国も豊かになった。
 メイ首相は私たちの人生を交渉材料に使っているようなものだ。」
メイ首相の演説の翌日
ビールビーさんはブリュッセル在住のイギリス人同士で集まった。
ベルギーで働き暮らし続けるためには
ベルギー国籍を取得するほかかないという声が相次いだ。
(イギリス人の友人)
「イギリス人がEU市民でいられないから決断しなくては。
 幸いベルギーは2重国籍を認めている。」
「'90年代に育った私たちは
 EUの移動の自由が当たり前すぎて
 今までその重要性に気づかなかった。」
自分の人生を揺るがしかねない離脱交渉。
ビールビーさんは先行きに不安を募らせている。
(ビールビーさん)
「私たちの意思に反して大事なものが奪われるのは
 やりきれないお思いだ。」
 



 

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