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トランプ米大統領就任 強まる不安に動き出す人々

2017-02-09 07:15:00 | 報道/ニュース

1月23日 国際報道2013


米大統領選挙後のいわゆるトランプ相場で
大手金融機関の3か月の決算が大幅に増益になるなど
経済的な期待がある一方で
先行きのない不安に揺れるアメリカ。
そうしたアメリカ国内で
自分たちの身を守るためにこれまで考えられなかった行動をとる人たちも出てきている。

(アメリカ トランプ大統領)
「すべてが変わる。
 今ここから始まる。
 なぜならこの瞬間は国民の皆さんのものだから。」
就任演説では“国民の側に立ち失われた夢を取り戻す”と述べたトランプ大統領。
しかしその主張に懐疑的な人々もいる。
マイノリティーの人たちである。
メリーランド州
イスラム教徒の女性を対象にした護身術の講習会。
トランプ氏の発言に影響を受けた差別や嫌がらせ 暴力への懸念から
イスラム教の団体が始めた。
「肩を上げるとともに腰を入れて手を振りほどけ!」
この日の講習会には約40人が参加。
大統領選挙後
移民や黒人などマイノリティーに対する脅迫行為などの報告が相次いでいるだけに
みな真剣である。
リーム・シャラフさん(26)は両親はエジプトからの移民で自身はアメリカで生まれた。
参加したきっかけは1月初めにあった10歳に対する暴力行為だった。
妹は学校で同級生に顔面を殴られ
「テロリスト」「国に帰れ」などとののしられたと言う。
(リーム・シャラフさん)
「妹はこぶしで両目を殴られた。
 なぜ10歳の子が同じ年の子に“国に帰れ”と言うのか。
 ここが祖国なのに。」
リームさんはもはや自分の身は自分で守るしかないと考えている。
(リーム・シャラフさん)
「他に選択肢はありません。
 これが私がおかれた現実です。」
すでにアメリカからの脱出を決めた人もいる。
東部ニューハンプシャー州に住む遜弘さん(34)。
より良い生活を求めて6年前に中国からアメリカにやってきた。
孫さんは大学院で情報技術を学んだあとソフトウェア開発会社に就職。
安定した生活を手に入れ
将来は永住することも考えていた。
ところが
(孫弘さん)
「将来が見えなくなりました。」
孫さんは最近 隣国カナダの会社に転職することを決めた。
トランプ氏の大統領就任で
マイノリティーに対する排他的な動きがさらに強まるのではと不安を感じたからである。
(孫弘さん)
「息子が差別される環境で生活するようになると感じます。
 それはよくない。」
この日 孫さんは転職先となる会社とのテレビ電話で
気になる差別の問題について尋ねた。
(孫弘さん)
「移民に対する嫌がらせや差別はありますか?」
(転職先の担当者)
「カナダでは異文化が共存しているので
 あなた方が来たら温かく迎えられます。
 あなたに会うのが待ち遠しいわ。」
こうした動きをカナダの企業はチャンスと捉えている。
カナダではアメリカ人を積極的にリクルートしようという動きも出ている。
経済発展のため移民の受け入れに積極的だったものの
これまでは巨大市場アメリカに人材を奪われてきたカナダ。
この機会に優秀な人材を確保しようとIT企業が合同で勉強会を開いた。
(講師)
「トランプ氏によってもたらされた変化で 
 不安を感じている人たちにアピールするチャンスです。」
参加者たちは
アメリカからカナダへ来て働くメリットを伝えるキャッチフレーズについて議論した。
(参加者)
「アメリカの皆さん
 価値観・生活・文化
 それに多様性を求めるならトロントを勧めます。」
(勉強会の主産者)
「トランプ現象は人材獲得のチャンス。
 アメリカ人にとってもカナダに来る絶好のタイミングだ。」
海外からの移民をひきつけ
国の原動力として北アメリカ。
トランプ大統領の就任でその根幹が揺らいでいる。




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