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ホロコースト歴史家が警鐘 世界の行方は・・・

2017-02-02 07:15:00 | 報道/ニュース

1月18日 国際報道2017


アメリカを代表する歴史学者
イェール大学 歴史学部 ティモシー・スナイダー教授。
日本の研究者の招きで来日し
“世界はホロコーストの時代に近づいている”と訴えた。
(イェール大学 歴史学部 ティモシー・スナイダー教授)
「いまや世界中で
 1930年代の歴史を理解しておかなくてはならない時代なのです。」
(アドルフ・ヒトラー)
「我々はドイツ人の誇りを抱いて進む。」
ヒトラーの号令のもと600万人にものぼるユダヤ人が命を奪われた悲劇。
スナイダー教授は
旧ソ連や東ヨーロッパで封印されていた資料を紐解いて全貌をえがき
著作は30カ国以上で出版されてきた。
(「ブラックアース」)
我々は
ヒトラーと同じ惑星に住んでいる。
仮に我々が
自分たちは何らかのグローバルな陰謀の犠牲者であると考えるなら
ヒトラーの方へとじりじりと進んでいく。 
世界はいま大虐殺に至った時代とどんな共通点を持っているのか。
スナイダー教授がまず指摘したのが
アメリカでトランプ大統領が誕生する一因となったグローバル経済への反発だった。
(イェール大学 歴史学部 ティモシー・スナイダー教授)
「21世紀の今グローバル経済は危機にあります。
 実は同じことが100年前にも起きました。
 当時も貿易で豊かになったのに
 第1次世界大戦
 大恐慌へと向かったのです。」
大恐慌の中で広がっていたグローバル経済への反発。
ナチスは“世界経済からドイツを守る”と主張し
苦境にあえぐ人々に支持されたという。
(イェール大学 歴史学部 ティモシー・スナイダー教授)
「ファシズムは危機を脱却するために
 “自分の国が第一”の経済を作ると訴えました。
 いま私たちは同じような状況にいます。
 アメリカという大国が
 “グローバル化で得をしていない
  今のルールには従うべきではない”と言い始めているのです。」
もうひとつ懸念していることが
アメリカで真実が揺らいでいることである。
(アメリカ トランプ大統領)
「CNNはニュースをでっちあげている。
 お前たちは“うそニュース”だ!」
真実が軽視される風潮。
“かつてのドイツでも人々は次第に自分たちの信じたいことしか信じなくなった”と
スナイダー教授は警告する。
(イェール大学 歴史学部 ティモシー・スナイダー教授)
「ヒトラーにとって“真実”はどうでもよく
 需要なのは“でっちあげた神話”でした。
 1930年代のドイツの人々も
 私たちと同じように教育を受け洗練されていました。
 にもかかわらず
 ナチスの圧力のもとで次第にヒトラーに従うようになっていったのです。」
ファシズムの時代との共通点。
スナイダー教授がさらに懸念しているのが
ロシアをはじめ世界で広がりを見せる強権的な政治体制である。
強権的な政策を進めるときにプーチン大統領がたびたび引用するある思想家がいるという。
(ロシア プーチン大統領)
「“ロシアを愛するものはロシアの自由を望むべし”
 イワン・イリインの言葉だ。」
思想家 イワン・イリイン(1883~1954)。
“ロシアは強大な権力で統治されるべきだ”と訴えていた。
(イェール大学 歴史学部 ティモシー・スナイダー教授)
「イリインは優れた思想家でしたが
 自由や民主主義は“悪”であり
 廃止すべきだという理論を唱えていました。
 プーチン大統領はイリインの思想を利用することで
 自らの体制を正当化しているのだと思います。」
世界に広がる強権的な体制
真実の軽視する風潮
その先へ突き進めば“20世紀のような悲劇”が起こりかねないと危惧している。
(イェール大学 歴史学部 ティモシー・スナイダー教授)
「いま世界の政治が1930年代のころに戻ろうとしています。
 当時起きたのは大恐慌
 極右政党の台頭
 世界大戦
 最後がホロコーストです。
 あの時のようにはなてはいけないのに
 私たちは歴史を忘れつつあります。」
はたして21世紀の世界はどこへ導かれるのか。
スナイダー教授は悲劇を繰り返さないために
真実を伝える戦いに負けるわけにはいかないと言う。
(イェール大学 歴史学部 ティモシー・スナイダー教授)
「ロシアの策略によって
 ロシア自身を含めたすべての人々にとって破滅的な結果を招くことは十分にありえます。
 ジャーナリストや歴史家は真実についてもっと強く発信し
 人々の関心を呼び起こしていかなくてはならないのです。」









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