戦争が終わったとき、貧しさのどん底でしたが、この当時、進駐軍の目に
他国に見られない光景がいくつかございました。
三沢基地に当時務めていた某米軍将校が外出中に日本人の子供たちにお菓子を与えて
基地に帰ってきたところ、ある日本人の婦人が訪ねてきました。近くに住む農家の主婦でした。
彼女は、「子供があなたからお菓子を貰ったが、タダでいただくわけにはいかない」といって
持ってきた野菜を受け取ってくださいといってききませんでした。その米軍将校は、我々はこんな国民と
戦ったのかと身が引き締まる思いがしたそうです。このご婦人は人の施しに感謝の念を抱くということが
子供の頃から教え込まれていたのでしょう。
占領軍の米兵が日本の街角で靴を靴磨きの少年に磨いてもらっていたとき、たまたま持っていた
ジャム入りのパンを与えました。するとその子どもは食べずにポケットにしまったそうです。
腹が空いているはずなのに不思議に思い、「なぜ食べないの?」と訊いたところ、「妹に食べさせる」と
答えたそうです。それを聞いてその米兵は日本は良い国だと感心したそうです。
日本人は前述のように優しさ、律儀さを持っているのですが、今日の現実生活の中では、覆い隠されて
しまっているようです。
お釈迦様は、私たちはみんな、もともと仏(ほとけ)になる可能性を備えているとおっしゃっています。
それを仏性(ぶっしょう)といい、だれでもがもち合わせているのですが、ただ残念なことに
その仏性は心のほこりに覆われているため、その光が出てこないのです。
私達の中にある仏性を磨くと、本来持っている優しさなどがもっと現れてくるでしょう。
仏教に親しんで行を行うといいですね。
滝に打たれたり、瞑想したり、お経を唱えたり・・・写経もいいですね。
当山でもいろいろと趣向をこらして仏道修行、仏道体験を通して仏の教えに触れて頂いております。
あなたもご自分のたましい磨きをしてみませんか?
合掌