昔からよく食べものに付いて言われている諺に、
「剥かれて食われて身の冥加」は、
私の今は亡き両親からよく聞いた言葉です。
先日も、目の下、約30センもあるの天然物の真鯛の、
お供えがございました。
早速、調理に取り掛かりお刺身に、
煮物、焼き物と鯛めしなど
「鯛ずくし」の法楽と成りました。
当山では、鯛のあらは素焼きにして、おすまし汁にして頂きます。
内臓はきれいにしてから、バター、酒、塩胡椒をして、
アルミホイールに包み焼きをして鯛を食い尽くすのが
山主 寳顕流です。
これで、お鯛さんは、鱗と内臓の一部分が片手に乗るだけの量となりました。
以前、お魚から、お礼を言われたことがありました。
「貴方はいつも我々を食いつくしてくれてありがとう。
人の為に役に立っていると思う。成仏できます。」と
感謝されました。
その時、わたしを市場に連れていってくれた料亭の若旦那に対しては、
「こいつの所に行くのは嫌や」という声が私には、聞こえました。
食べものは、食べつくされて成仏できるのです。
「命は大切に」
粗末にしてはいけませんな。
南無大師遍照金剛