人は他人の過ちを指摘したり、批判することは得意ですね。
人の行いを批判しようとすれば、どんな相手も批判できるし悪口もいえます。
テレビを見てても、ああだこうだと批判したり、運転してても他のドライバーを批判したり
皆さんも経験あるのではないでしょうか。
しかしそのようなことは、結局は天につばするようなもので、すべて自分に振りかかってくるのです。
このようなことは古くから言われており、お釈迦さまが説かれた物語の中にも出てきます。
ある男がお釈迦さまが多くの人たちから尊敬される様子を見てしゃくにさわり、ある日のこと
道で出会ったのを幸いに、群集の中で口汚くお釈迦さまをののしりました。
しかし、お釈迦さまはただ黙ってその男の言葉を聞いておられました。
一言も言葉を返されないお釈迦さまに張り合いを失った男は、とうとうしゃべり疲れて黙り込んでしまいました。
その時にお釈迦さまは静かにその男にたずねました。
「もし他人に贈り物をしようとして、その相手が受け取らなかった時、その贈り物は一体誰のものであろうか」
こう聞かれた男は
「そりゃ、受け取らなかったら送ろうとした者のものに決まってるわい」
と男はわめくように言いました。
お釈迦さまは静かにこう続けました。
「そうですね、今、おまえは私をののしったが私はそのののしりを少しも受け取らなかった。
だから、おまえが言ったこと全て、おまえが受け取ることになるんだよ」
男は言い返す言葉がなくなり、すごすごと立ち去りました。
天に向かってつばをはくのではなく、飲み込むほうがいいですね。
合掌