
ドイツとロシアを結ぶ海底天然ガスパイプライン「ノルドストリームⅡ」は、EU諸国の脱原発実現のカギを握っています。
全長2460キロメートルの内、未完成で残っているのは残すところ148キロメートルと完成に近づいています。デンマーク側で120キロ、ドイツ側で28キロが未完成ですが、ロシアはデンマークに協力するため、パイプライン施設船を9月末までデンマークの領海内に滞在させることになっています。
このように、とても重要な意味を有する「ノルドストリームⅡ」の建設を、売電政権は、米ブルームバーグと英ロイターによれば、できることなら阻止したいと考えているようです。それは、売電政権が、カーボン・フリーを最高目標にしていることと、ヨーロッパにおけるロシアの存在感が増すことを阻止したいという思いからでしょう。
しかし売電政権が、パイプライン敷設を支援する企業や保険会社などに本格的に制裁を課すとすれば、大きな問題が生じることになります。なぜなら、制裁対象に、英蘭ロイヤルダッチシェルや仏エナジー、ドイツ最大の化学メーカーBASF、ドイツ大手エネルギーのエーオンなどが含まれるからです。これらの大企業に制裁を課すとすれば、その影響には計り知れないものがあり、米欧関係は本格的に大波乱となり、NATOの存続も危うくなってくることでしょう。
そうなれば、喜ぶのは、ロシアであり、チャイナである、ということになってしまいます。
このことは、売電政権のカーボン・フリーがいかに馬鹿げた政策であるのかを雄弁に物語っています。
今日は、これで筆を擱きます。次回は、EUの主要2か国であるフランスとドイツのエネルギー事情にしぼってお話します。
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