国際通貨基金(IMF)が、2022年の
世界経済成長率見通しを引き下げ
ました。3回連続の下方修正です。
昨年10月時点の予想世界経済成長率は、
4.9%でした。今年1月になって4.4%へ、
4月に3.6%へ、今回の7月では3.2%に
修正されました。
2023年の予想成長率も、前回の3.6%
から2.9%へ低下しました。
2022年の国・地域別成長率予想で、
米国が4月の前回予想(3.7%)から
今回予想(2.3%)への修正幅が最大
でした。米国は、2022年3月にインフレ
対策として量的緩和策を終了し、政策
金利の引上げに転じました。引上げ幅は、
1回目が0.25%、2回目が0.5%、6月の
3回目は27年7ヵ月ぶりとなる上げ幅の
0.75%でした。7月には再度0.75%程度
の利上げが見込まれています。
2月にロシアのウクライナ侵攻があり、
食料品や燃料価格の高騰を引き起こ
しました。エネルギーの調達不足が
懸念されるユーロ圏は、前回の2.8%
から2.6%へ下げられました。
中国は、ゼロコロナ対策により上海市が
4~5月の2ヵ月間、ロックダウンされました。
上海港は、2021年まで12年連続してコンテナ
取扱貨物量が世界一と、国際海運のハブ港と
して世界の貨物輸送の重要な集散地となって
います。中国の予想成長率は、前回の4.4%が
3.3%に見直されました。
コロナ対策で財政を出動し、債務が膨らんだ
新興・途上国は、米国金利の上昇にともなう
資金流出と自国通貨安による返済負担増加が
経済危機を引き起こすと危惧されています。
日本の予想経済成長率の推移は、
3.2%→3.3%→2.4%→1.7%でした。
7月に、オミクロン株派生種「BA.5」が
新型コロナウイルス感染症拡大の第7波を
もたらしています。
明るい材料がありません。