JR東日本は、新型新幹線の最高速度を40km増の
時速360kmと設定して開発を始めます。
JR東海が推進するリニア新幹線の最高速度は、
時速603kmです。ただし、リニア中央新幹線の
線路延長の90パーセントがトンネルという
ことですから、総工費は5兆5千億円を超えます。
東海道を結ぶ新幹線が2線になり、輸送線路
延長が2倍弱になりますが、人口減少の中、
東京-大阪間の移動需要を約5割増の前提として
います。利用者が在来の新幹線からリニアに
シフトしただけでは、両方を運営するJR東海に
とって旨みはありません。どれだけ、エアーライン
から顧客を奪い、新規需要を創出するかです。
鉄道輸送収入の計算式は、
輸送収入=輸送人員×1人当たり平均支払額
1人当たり平均支払額=キロ当たり運賃(賃料)×走行キロ
テレワークが進むと、移動需要が減少します。
観光客にとって、外の景色は見られませんし、
速すぎて旅情もありません。そんなに急ぐので
なければ、割高なリニアは一度乗ればいいという
ことになりかねません。撮り鉄にとっても、
被写体として撮影できる場所が限られます。
リニア中央新幹線の収支計画を策定したときと、
2027年に予定されている開業時では、状況が
変わってしまったということがあり得ます。
公共性の名のもとに、一民間企業が始めた
プロジェクトに対して税金が投入される事態
だけは避けたい。