同じ階に住む旧友のイリスが
骨折したメイを見るに見かねて
「災難に会ったメイの元気づけ!」と称し
彼女がお気に入りのフレンチレストランに車で連れて行ってくれました。
メイおばさん、初めての場所でした。
まさかこんな所にこんな瀟洒なレストランがあったなんて、、、、
と呟きたくなるぐらい、水際に近い
外からはわからぬビルの二階。
さすがイリスです。
彼女はスイスとアメリカの二重国籍。
母語はフランス語。
アメリカ生活がずいぶん長いのに
いまだにフランス語訛りの英語です。
なんたって口癖の「otherwise」が
どう聞いたって「オットワイ」になるのです。
それでも私たちは気心知れた親友です。
一歩中に入れば、こんなおとなの空間です。
たしかに若い人はあまり見かけません(笑)。
メニューのほとんどはオーソドックスなフランス料理。
ほとんどの料理に「クラシックな」という枕詞が付いています。
イリスが言います。
「私はクラシックなバターナッツのスープと、クラシックなロブスターのサラダにするわ。デザートはクラシックなスフレをシェアしない?」
メイが言います。
「私はクラシックなフレンチオニオンスープと、クラシックなシーザーサラダにするわ。デザートはクラシックなスフレをシェアしましょう。」
そして運ばれてきましたよ。
シーザーサラダは最近の流行で、目の前で作って
お皿に盛りつけてくれます。
向こうの方で寝そべっている茶色い物体はアンチョビです(笑)。
メイおばさん、ロメインレタスばっかりのシーザーサラダが大好きです。
デザートのスフレは三種類。
ラズベリーとチョコレートとグランマニエ。
「メイが選んでいいわよ。」
「じゃ、ラズベリー!」
ふわふわ、フワフワ、puffyです。
うわっ、ここ、大人のムード!
フレンチ大好きな夫さんを連れてこなければ、と思って
帰り際にカードをいただこうとしたら
マネージャーが出てきて丁寧にご挨拶をなさった後で言いました。
「本日はありがとうございました。残念ながらこのお店は今週末で閉店することになりました。」
えっ、どうして?と問いかけたい気持ちをぐっと抑えて言いました。
「最後に間に合ってラッキーでした。
今日はありがとうございました!」
人も出会い、レストランも出会い、みんな出会い。
そして出会いはみんな妙。
読んでくださってありがとうございました。
ランキングの方もどうぞよろしくお願い致します。