① 原語は Aufheben であるが、ヘーゲルは最初はこの語を簡単に否定の意味に用いていた。例えばノールの編纂した『青年時代の神学静文集』の268頁、300頁などがそうである。しかし次第にこの語に肯定の意味をも導入しきたり、遂に大論理学の「成の止揚」という項の註解において、この語に、やめにする、終りにするという否定の意味と共に、保存するという肯定の意味をも与えて、自分の哲学の術語とした。これアウフヘーベンが止揚と訳される所以である。現象学においても、勿論この意味において使用せられることはあるけれども、しかし現象学はまだ過渡的段階で、この語はまだ明確に術語とはなっていない。(金子武蔵氏の説明。同氏訳「精神の現象学」上巻468頁)
参考
01、Aufheben(止揚)という語の二義を想起したい。第1に、取り除くこと、否定することである。第2に、保存することである。(小論理学96節への付録)
02、この「止揚」は観念の活動であるから、それは同時に保存することであり、明らかにすることである。(歴史における理性71頁)
03、Aufhebung(止揚)、そこではVerneinung(否認すること)とAufbewahrung(保存)つまりBejahung(肯定すること)とが結合されている。(マルエン全集補巻1、581頁)
04、止揚、外化を自己内に取り戻す対象的な運動としての止揚──対象的な存在を、その疎外状態の止揚によって獲得するということについての洞察が疎外の内部で言い表されたもの。(マルエン全集補巻1、583頁)
参考
01、Aufheben(止揚)という語の二義を想起したい。第1に、取り除くこと、否定することである。第2に、保存することである。(小論理学96節への付録)
02、この「止揚」は観念の活動であるから、それは同時に保存することであり、明らかにすることである。(歴史における理性71頁)
03、Aufhebung(止揚)、そこではVerneinung(否認すること)とAufbewahrung(保存)つまりBejahung(肯定すること)とが結合されている。(マルエン全集補巻1、581頁)
04、止揚、外化を自己内に取り戻す対象的な運動としての止揚──対象的な存在を、その疎外状態の止揚によって獲得するということについての洞察が疎外の内部で言い表されたもの。(マルエン全集補巻1、583頁)