マキペディア(発行人・牧野紀之)

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静岡県立高校のランクと川勝知事

2012年07月21日 | サ行
 川勝平太静岡県知事は6月25日の定例会見で、再び県教委をやり玉に挙げた。引き金は、いつまでも根絶されない教員の不祥事ではない。大学合格の高校ランキングだった。知事自らが切り出した。

 「100位以内に入ったのは1校だけで、それも80数位。あとはみな100位以下。本県の学力が落ちているのではないか」。

 県企画広報部によると、知事が指摘したランキングは5月19日付の週刊ダイヤモンド掲載「大学合格力・全国高校ランキング」。それによると、国公立大100校の合格者数を基にした全国順位で、県内最高は富士の85位。藤枝東の118位、静岡の153位と続く。

 1つのランキングで一喜一憂するのも考えものだが、学業優秀の学者出身だけに、この順位はよほど気に入らなかったらしい。教員の不祥事とランキングを結び付けた。

 「スポーツは素晴らしい。芸術も芸術回廊をやっているが、肝心の学力が落ちるようでは困る。これは倫理規範がおかしいということと関わると思うので、教育現場にもっと厳しい目を向けたい」。

 知事は公務をこなしながら、早朝3~5時に起きて登庁まで勉強している。筋金入りの勉強好きなだけに、学力向上を求める県教委への攻勢は、ますます熱を帯びてきそうだ。
(中日新聞ネット版、2012年06月30日。加藤隆士)

  感想

 「早朝3~5時に起きて登庁まで勉強している」そうですが、何を研究しているのでしょうか。「静岡県の教育行政には構造的な問題がある」と言ったものの「それが何であるか」は言えないお粗末知事が何を勉強しているのか、知りたいものです。

 知事が「委員会」とやらを作ってもたもたしている間に、問題は教員不祥事から高校の学力問題になり、今やイジメ自殺問題に広がっています。知事の歴史研究で培ったはずの研究方法は役に立たないのでしょうか。

 知事ならば、何よりもまず「静岡県政」を研究すべきではないでしょうか。県のホームページの大枠が石川時代と変わっていないのはどうしてでしょうか。現状が「学問的に正しいホームページ」だとでも思っているのでしょうか。

 そもそも知事は知事になる前は「静岡県立文化芸術大学」の学長だったのですよ。私見によれば、「一国の文化は大学で決まる」のです。同様に、「県の文化も大学で決まる」のです。大学の学長たる者、県全体の文化の現状を見渡して、その中で「自分の大学はどうするべきか」を考えて、手を打っていかなければなりません。

 先日、日経新聞に企業の人事課の評価する大学が載っていましたが、今や東大を抜いて秋田の国際教養大学が断トツだそうです。金沢工業大学も学長のリーダーシップの下で名声を高めています。川勝さんは静岡文芸大の評判を高めたでしょうか。


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