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作文教育

2015年06月25日 | サ行

   小学校の作文指導、64%の保護者が不満

 小学生の子どもを持つ保護者の64%が小学校での作文指導の時間を不十分に感じていることが、小学館集英社プロダクションのドラゼミ教育研究所が発表した調査結果より明らかになった。

 調査は、小学校での作文学習の状況を把握するため、現在ドラゼミを受講している小学生の保護者616名とドラゼミに資料請求をした、小学生の子どもを持つ保護者206名の計822名を対象に実施した。調査期間は2014年11月10日~19日の10日間。

 子どもは作文を書くことが好きか聞いたところ、「嫌い・苦手」が47%ともっとも多く、「どちらでもない」32%、「好き・得意」21%が続いた。何をテーマに書けばよいかわからなかったり、長い文章をなかなか書けなかったりして苦戦している子どもが多いという。

 小学校での作文学習の状況について、88%が「作文を書く機会がある」と回答したものの、書く頻度は、33%が「年に1~2回」、31%が「年に3~4回」と少なく、月に1度以上作文を書いている割合は19%にとどまる。また、作文を書くタイミングは、遠足や運動会など行事の後や、長期休みの後に書くという回答が多かった。

 小学校での作文指導について感じることを聞いたところ、「指導時間がやや不十分に感じる」40%と「指導時間が不十分に感じる」24%の計64%が不満に感じている。一方、「大変満足している」1%と「満足している」9%、「やや満足している」25%の計35%が満足していると回答した。

 不十分に感じる理由は、「作文を書く授業時間が少なすぎる」「書く機会が少なく、組み立て方、まとめ方をよく理解していない」「作文を書いても添削はないし、先生からのコメントも短い」「子どもの書く作文がいつも単調」などの意見が寄せられた。

感想

 ネットで読んだ記事ですが、出典を記すのを忘れました。

 作文が苦手だという感想は、根本的には、テーマに気づかないからだと思います。換言するならば、先生や学校に対する意見や希望という一番関心のあるテーマが事実上禁ぜられているからだと思います。私の哲学の授業では積極的に学校や教育の問題を取り上げたので、生徒の関心を引いたのだと思います。拙著『哲学の授業』(未知谷)にまとめてあります。

 先生の批評のないこと、あるいは少ないことも大きな問題だと思います。先生や校長が文章を書いたり発表したりするのから逃げている状態で、どうして「意見と主張の言える」生徒を育てることができるでしょうか。

 かなりの評判になったらしい妹尾和弘の『私の目は死んでいない』(評論社2000年3月)でも、岡山県の県立高校の国語教師の妹尾が授業の初めの10分間で「今思っていることを、何でもいいから、書いてください」と言って書いて貰ったものを、教師はただ取捨選択して半紙1枚に編集して、「今、ここで」という題で出しただけです。

 これだけでも何もしないよりはマシですが、教師がテーマを出さないと社会性のある問題を考える事が少なくなります。又、批評がないと生徒の考えが十分には広がらないと思います。教師は指導者であって傍観者ではありません。

      関連項目

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