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節(ふし)

2007年07月07日 | ハ行
     節(ふし)

 1、薄いピンクのスーツ姿の田中〔真紀子〕氏は約1時間、新潟
市内で約 600人を前に「真紀子節」をふるった。
 (2007年07月04日、朝日)

 2、節には「音楽の旋律」という意味があります。新明解にはそ
こにさらにこう書いてあります。「浪花節のもじりで、その人独特
の口調や演説調を「~ぶし」と言うことがある」。

 3、問題はこの意味で節を使う場合、「真紀子節をふるった」と
言うのか、です。朝日の記者は「熱弁を揮(ふる)う」の連想でこ
う言ったのでしょう。

 「揮う」で新明解を見てみますと、「熱弁を揮う」の所には「発
揮する」という説明があります。やはり「真紀子節を揮う」は少し
似合わない気がします。

 4、ではどう言ったらいいのでしょうか。「真紀子節を聴かせた」
というのはどうでし
ょうか。

 5、辞書にも私が探した限りではヒントになるような事は何も載
っていませんでした。こういう使い方をすることが少ないからだと
思います。

 昔、ある生徒が試験の答案にこんな事を書いていました。

  ここで一句。
  名調子 そら始まった 牧野節 

 こういう使い方が普通だと思います。