本日は糖尿病のお話であります。糖尿病患者はその予備軍を入れると約1千万人いるそうであります。神奈川県は全国で一番人口当たりの死亡者の割合が少なく、ワーストはその3倍にもなる青森県です。これは運動量や食生活・酒量などが影響しているようです。
糖尿病では、血糖値が上がると、喉が渇き、目がかすむとか食後眠くなるなどの症状が出てきます。健常な人ですら食後に眠くなるのは、一時的に血中の糖分が増えるからです。一旦高血糖になると基本的には完全に治癒することはありません。数値が上がって悪化していくと、大きな症状が無いまま体中の器官や血管に重大な障害を及ぼすので、現状維持できるような生活習慣、血糖値の管理が大事になります。食事療法と薬事療法、そして運動によるインスリン効果の向上この三点セットが治療法です。
十年ほど前にかく言うワタシは「高血糖・境界型糖尿病」であると会社の検診で診断されました。喫煙歴が長く、運動嫌い、お酒と甘いもの好きでストレスを抱える勤め人でした。これは、すでに糖尿病の予備軍であり、放置すると「失明や足の壊死、人工透析」などがおきる重大な病になります、ということです。以来、急激なダイエットを敢行し、体重増加や食生活に配慮しながら基本的には現状維持、というより最悪の状況を回避してきました。それでも、油断して一度は「教育入院」を勧められ「インスリン注射」のお世話になる寸前まで行くほどの高い数値（HbA1c が10を超える）となったのです。
気を引き締めて、体重増加を抑え、初期的な弱い薬を服用し、炭水化物・糖質の摂取を極力減らしてきましたが、それでも、体を動かさないといつのまにか徐々に悪化し体調が悪くなってきます。それでなくても、年齢と共に血糖値は年に２％くらい上昇すると言います。
長雨が続いた梅雨と、それに続く猛暑、コロナでの外出自粛で、外仕事が減り、極端に運動や歩数が落ちていたのでしょう、体の状態から血糖値がだいぶ上がっていることを実感していました。食後には尿糖測定の試薬の色が変わるのがその証でもありました。これではまずいと思い立ってエアロバイクに乗り始めて、ひと月半が経過しました。
9000Kcalの運動量で体重が1㎏減る、有酸素運動によって筋肉への血流が増えると、糖が細胞の中に取り込まれ、インスリンの効果が高まるので血糖値は低下します。さらに、筋肉が増えることでも、代謝が上がり糖質を消化するので体重が減り、血糖値は下がりやすくなります。
一日1時間程度のエアロバイク漕ぎという運動のおかげで、このところ眠くなるとか、口内に起きる違和感など糖尿病特有の初期症状は解消しました。それで肝心の体重はというと、これがどうにもよくわからないのです。通算11000Kcalを運動で消化したので少なくとも1kgは減らなければいけません。しかし、日によってその数値は上下で1㎏以上違ってきます。その日に食べた食物の内容と量、摂取した水分量、お腹の中にたまった尿やうんちの量、これに気温や運動量が加味されます。真夏にゴルフを１R回れば軽く1㎏は減ります。ビールや飲み物を１ℓ飲めばその瞬間に体重は1㎏増えています。
毎日決まった時間に数回体重計に乗りノートに記録すれば、その推移は勿論把握できます。しかし、ワタシは思うのです。「何度体重計に乗ってもそれによって体重が減るわけではない。」と。体重計を木箱に載せて、数十センチ段差を設けて100回以上続けて昇降運動すれば別ですが(笑)。そんな記録する時間があったら体を動かせばいいのです。恐らく体重はそれなりに減った、でよかろう、同じことやってれば多分もっと落とせるだろう、と思います。
先ほど、いつものクリニックで、薬を貰い先月の血液検査の結果を聞きました。あぁ！やはり血中糖質の指標HbA1c が１以上増えていました。その値は採血した時点以前の２か月間の血液中の血糖値の積数を表わしているので、主に、エアロバイクを乗る前の体調不良だった期間の数値が反映されていたのです。しかし、朝ご飯を食べないで計る「空腹時血糖値」つまり採血時瞬間の血糖値は、朝食後にもかかわらず、93と正常値でありました。ひと月前の体内は正常な働きをしていたという証拠であります。また、いつも基準値を上回って、5.6項目が引っかかっていた肝機能や脂質の数値は、ほぼすべてが正常値に収まっておりました。
病気は、気合と努力で自力に治す、これがワタシの信条であります。そして運動はなんと劇的な効果が現れました。エアロバイク恐るべしであります。
