植物園「 槐松亭 」

バラと蘭とその他もろもろの植物に囲まれ、メダカと野鳥と甲斐犬すみれと暮らす

巨悪もミニ悪もみんなお眠ですか

2021年03月25日 | 時事
だいぶ前の三谷幸喜さん監督の映画に「12人の優しい日本人」というのがありました。日本ではまだ実現していない陪審員制度 があったら、という仮定で作られていました。日本では、一般人が裁判の有罪無罪を評決するという制度は未熟であります。裁判員制度が出来ましたが、あくまでプロの裁判官がリードしますし、社会的にも認知度が低いのです。

 それに比べて検察審査会というの、裁判に入る前の段階、つまり起訴するか不起訴になるかの判断を、国民に委ね市民意識を司法にも反映させようという制度で、一定の効果があるようです。
 元をただせば、検察庁がだらしないのです。政治家におもねるとか身内に甘いとかの印象を一層強めたのが例の黒川さんでした。安倍政権で実現した内閣による官僚の人事権によって。精鋭の国家公務員は政権中枢に「キン〇〇」を握られてしまいました。検察庁も、11年前にあの元厚生労働省の局長だった村木厚子 さんの冤罪が明るみに出て、その時の黒幕が検察庁だったことが判明、それ以来偉そうなことが言えなくなりました。

 安倍政権になってからは、さまざまな政治的な事件・疑義がある事案を片っ端から不起訴にし始めたましたな。小渕優子さんあたりから、甘利議員、などの公職選挙法違反や賄賂事案をスルーし、桜を見る会から菅原さん、河合夫妻の買収までも知らんぷりをしました。コロナで安倍政権が腰砕けになって初めて河合案件が強制調査になりましたが、例の黒川さんのマージャン賭博はレートが低いという驚くべき理由で起訴を見送りました。

 黒川さんがマージャンでどチョンボ・自爆して、本来検事総長 と目された林さんが、それまで頑張って居座っていた稲田さんの後任に座ってようやくあれこれ動き始めたかに見えますが、少なくともいったん不起訴にしたものは蒸し返すことはありません。公務員の定年延長もちょっとだけ先送りになりました。

 そして検察審査会で次々と「起訴相当・不起訴不当」との判断が出始めました。国民はプロで法の番人である検察の判断が「不当である」と覆したのです。まずは菅原一秀元経済産業大臣 でした。事態が発覚したとたんに大臣を辞職したのが「有罪」の動かぬ心証、河合元法務大臣もそうでした。

 次に、桜の会で政治資金規正法違反罪で略式起訴された元公設第1秘書 も
不起訴不当という議決になりました。本来は、そんな微罪ではなく、安倍さんそのものの犯罪であったのです。

 さらに、黒川元検事長の賭博は「起訴相当」になりましたが、あわてて略式起訴し、罰金でおしまいにするそうです。裁判にしたくないのは、全てが明るみに出ると都合が悪い人が大勢いるからなんです。つまり、たとえ法律違反やも刑事罰が明らかでも、特定のグループに属する人たちには、特段の配慮を持って不起訴にし、裁判を回避するというのが、かつて巨悪を眠らせないと大見えを切った検察庁の「基本姿勢」となったのです。

 ほとんどが政府与党がらみ、検察は、鎖につながれ餌につられて尾を振るしかなくなりました。素人の評決に覆されるような情けない集団に成り下がりました。

 警察権力は強大ですが、法律通りに平等に対応することが二の次になりました。コンビニのコンセントを使って充電したり、一個数十円の万引きだってしょっ引いて立件します。ネズミ捕りに引っかかって呼び出しに応じない違反者は飛行機に乗ってでも逮捕します。

 この不公平・不公正の官憲の態度が自民党を増長させ、一方、国民の順法精神を蝕んでいるとどうして気が付かないのでしょうか。


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