植物園「 槐松亭 」

バラと蘭とその他もろもろの植物に囲まれ、メダカと野鳥と甲斐犬すみれと暮らす

高校生は金の卵 縁日のヒヨコは買ってはいけません

2021年03月20日 | スポーツ
 さて待望の高校野球大会、春のセンバツが始まりました。昨春は中止、夏も春の選抜校同士の交流試合に置き換わりました。放送・報道や高校野球フリークは別として、実質的にはこれらの最大の目的はプロ野球への登竜門であり、プロのスカウトの飯のタネであります。

 スカウトたちは地方大会に繁く通って、金の卵の発掘にかかります。たとえ県予選で敗退しても、甲子園に出れなくても有望な選手は全国にいるのです。もっとも球児たちとその親は先刻承知なので、甲子園に出で目立つように、全国に点在する強豪校へ進学させるのが当たり前になっています。学校側の思惑とも合致します。

 そうした強豪校だからこそ甲子園に出場する可能性が高く、有望選手も多くテレビに映るので、プロのスカウトも、知名度が先行してる選手の中から推挙するのが手っ取り早いのです。あとは、リトルリーグをはじめ、年代別に出てくる日本代表選手がもっともねらい目になりますね。

 私論ですが、ドラフトでは高校生を中心に選ぶのがベスト(高卒だけでもいい)なのです。このブログでも複数回その理由を説明しておりますので、詳しいことは省きます。ものになるピカ一の際立った選手は、本人が希望してわざわざ大学社会人に行くのを除けば、間違いなく上位で指名されます。鵜の目鷹の目で調査した結果、指名漏れになったその他大勢の選手はいわば残り物、大半がやむなく大社での野球にすすみ、その中で、成長して即戦力として期待されるレベルの選手になった選手がやっと数年後指名されます。素材としてはあまり評価されなかった選手ですし、伸びしろが無いピークに差し掛かった選手が多いのです。

 また、大学に行ってちやほやされ楽をしたり、逆に監督の酷使や練習方法の間違いなどで選手生命を縮めた選手も実は多いのです。古くは江川、野間口、最近では斎藤佑樹や島袋などがすぐに浮かびます。あれだけの資質ながら、結局プロでは中途半端な成績で、とても十分な年月活躍したとは言えません。

 昨年秋のドラフトは、大学社会人選手が上位指名を受けることが目立ちました。これは、高校生の試合が極端に減りスカウトがその力量を見極められなかったせいで、それまで高校大学などを通じてそれなりの実績が把握できている選手が安全策で指名されたのです。

 さて、ここからが本題(笑)。我らが巨人軍、まもなくプロ野球の開幕を迎えます。先発投手では間違いない菅野を除けば、戸郷・今村と高卒選手が控えています。他の期待の高卒出身投手は、平良拳太郎 や高田萌生・田口麗斗 などせっかくものになったらトレードや人的補償で出されました。

 過去10年のドラフト指名の中で上位1,2位のうち9名が大・社投手でしたが、菅野以外は、どれもこれもろくに役に立たない「即戦力」でした。くじ運に恵まれなかったせいもあります。なにせ、競合してくじを外し続け、十数連敗( ノД`)シクシク…
 今年は畠と高橋が先発になんとか入りそう(去年は怪我でほとんど登板なし)ですが、他にまともなのが居ないから仕方ないので一軍に残っただけです。一軍でこの二人と鍬原3人で4年間で20勝22敗。戸根も桜井も敗戦処理レベル、太田もほとんど2軍暮らしで結果が出ていません。去年の新人大卒二人はいずれも故障・手術後でとても今年には使えないのです。
 
 さらにその前の6年間を見ると、ドラ1,2または高卒大社分離選考の1位合わせて12名中、坂本勇人以外はすべて自由契約か他球団へ移籍、引退しています。入団当初はもてはやされた沢村・内海・宮國・長野・大田泰示、などの有名選手も多いのです。坂本ですら外れ一位でありました。

 10年間で獲得した1,2位の高卒投手はたった3人、うち一人は素行不良と賭博で追放、もう一人は入団直後に手術、残ったのが今村だけなのです。ちなみに最近の若手で一軍経験がある嘱望されている投手は2018ドラフトの高校生3位直江大輔、4位横川凱、そして次世代のエースはなんと6位指名の戸郷翔征 くらいのものであります。

 野手で言っても、クリーンアップの岡本・坂本・丸は高卒入団なのです。他はほぼ大卒ですがみんなバイプレーヤーで、いまだに確固たるレギュラーポジションをとれていません。注目される次世代の若手も、注目のルーキー秋広・中山礼都 ・山下航汰 みんな高卒なんですよ。

 もう一度いいます。ここ十年以上でチームの柱になった大社投手は「菅野」だけ、あとはみんな先発ローテーションの水準に達していないか、クビになっっております。

 結論 巨人のドラフト戦略は、即戦力という絵に描いた餅を追っかけて、大社投手に傾注していたために「ばば」を掴まされてきたのです。ずーーーっとドラフト1位2位でチームの柱になる選手を獲得の権利をどぶに捨ててきたようなもの。優勝が少なくなったのも、パリーグのチームにコテンパンにされるのも、ひとえにドラフトを無駄にしたからなのです。あのソフトバンクが強いのは、名前ばかりの大卒投手を回避し、原石の高校生を育成と合わせて入念に選びじっくり育てたからです。キャノン甲斐、千賀、石川、周東 、モイネロ、どれも育成や高卒なんです。


 金色に輝く卵を手に入れ、雄鶏になるか卵を産む雌鶏になるかは、孵してみてからだ、と考えなかったんですね。孵化させる手間を惜しんでヒヨコを縁日で買って、卵を産ませようとしてえさをやっていたらみんな雄鶏だった、というお粗末です。
コメント (2)
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