植物園「 槐松亭 」

バラと蘭とその他もろもろの植物に囲まれ、メダカと野鳥と甲斐犬すみれと暮らす

やっぱし・・・ 辞めて済むなら楽なもんだ

2020年08月29日 | コロナ
 なんの役にもたちませんが、ワタシの読みがピタリと当たり、総理が辞任いたしました。ワタシはホチキスの針が無くなった瞬間や、コピー用紙が終わるタイミングを予知する能力があります。あと、たまに、プロ野球の本塁打や、サッカーの得点が入る予感もして、なかなかの確率で当たるんです。

  今月初旬に、安倍さんの体調問題、よろめいたとか、官邸を歩く時間が長くなったと報道されるようになった時、こうなる予感がしました。

 衝撃の辞任、とか、びっくりしたとかの感想を聞きますが、そう驚くにはあたりません。彼には前歴がありますから。第一次政権を1年で投げ出した時の状況とよく似ております。タイミングよく病気が悪化するくせがあると揶揄して、批判を受けた野党の女性議員が居ましたが、ちょっと政治に興味のある方なら当然の感想です。彼女の場合は、ちょっと行儀が悪くて、品とセンスのないツィッターの表現だっただけのことです。

 しかしまぁ、日本人は寛容と盲従の性分と言えますな。優しいんですね。ここ数年、好き嫌いによる人事権を恣にし、あれだけの疑惑をすべて強権発動と虚偽で押しつぶし、コロナで失敗して雲隠れしたというのに、お腹が痛い、持病が悪化したと言えば、みなさん同情し、レガシーだとか、最長の在任期間の労苦を労うという、賛辞に似た意見や論調が目立ちますな。

 ちょっと批判的、アイロニカルな個人に対する意見を述べると、炎上したり袋叩きにする、というのは困った風潮です。自分の意見を堂々と述べる、それが民主国家であり、表現や言論の自由の原点でありましょう。当然根拠もない度はずれた個人攻撃は勿論、犯罪的なのですが。

 戦後病気で任期途中に辞任した総理で言えば、石橋さん、池田さん、大平さん、小渕さん、の4人が居ますが、脳梗塞で倒れた石橋湛山を除くと、辞任後まもなく亡くなりました。本当に首相というのは死を賭してギリギリまで頑張るものなんですね。それに比べると、前回の安倍さんは辞任後はさほど闘病生活を送るでもなく、ほどなく復帰、ほとぼりが冷めた頃合いで、返り咲きました。
  
 そして、この在任期間中にも、指定難病で体調不良などという情報は少しもありませんでした。過去に例をみないほど頻繁に専用機で外遊し、好きなゴルフに興じ、毎晩のように接待をともなうような、高級料亭・一流レストランで舌鼓を打っていたんです。意気軒高・威風堂々であったんです。
 
 唯一顔色がさえずしょんぼり元気をなくしたのは、ウラジーミルとか呼んで、さかんにロシアとの北方領土返還交渉の進展をアピール、ピークに差し掛かった時、いきなりはしごを外されて、まったく成果がなく白紙に戻った時でしたね。期待して、はしゃぎ過ぎたのです。

 今回、さすがに政権を放り出したという風に受け止められるのを予想・覚悟していたようです。病院を何度も訪れたのは、病気による退陣を強調したかったんではないでしょうか。投げ出したのでは、という質問にあえて否定しませんでしたね。慰留されても批判されてもそれでも辞めたかったのに相違ないのです。

 総理の口から、もしコロナの対応のまずさ、一連の疑惑への謝罪、アベノミクスの頓挫、消費税増税にもかかわらず財政悪化を招いた責任などを、陳謝しその引責辞任をすると言えば、まだ、歴史に名を残す首相だったと言えたのかもしれません。しかし、連続最長記録を更新した途端の辞任では、自分のレガシーや経歴のために国会を閉じたままじっと待っていた、と言わざるを得ないでしょう。もはやオリンピックという引退のフィナーレを飾るイベントも絶望的、落ちた支持率を上げる手立てもなく、残された巨額の財政赤字の始末は、増税しかありません。

 「コロナの今後の方針を示すことが出来たこのタイミングしかなかったんです」ってよ。態とらしい理屈をつけたんですな。こういう姑息な総理大臣をその座に座らせ続けていたのは、我々有権者にも大きな責任がありますね。

 体調がすぐれないのはその通りでありましょう。自分から招いたと言え問題山積し、身の回りには頼りになる側近・知恵袋・軍師も居らず、何かと言えば矢面に立たされて批判されてきたのです。
 命に関わるほどの症状の悪化もなく、事後の政治や社会を見届けるために天命をまっとうして頂きたいと、心優しい日本人のワタシは切に思う次第であります。

 明日は、安倍政権の8年間の「レガシー(業績・遺産)を総括いたします。
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