植物園「 槐松亭 」

バラと蘭とその他もろもろの植物に囲まれ、メダカと野鳥と甲斐犬すみれと暮らす

しぶ子ちゃん ドンマイ

2020年08月23日 | スポーツ
全英女子オープン、スマイルシンデレラ「渋野日奈子」選手は予選落ちでありました。前節のスコットランド女子オープンの予選落ちの不出来ぶりを挙げるまでもなく、予想されていたことです。

 昨年、まったくの無印で忽然と現れた「しぶ子」は、海外ツアー初挑戦で「全英女子オープン」メジャー初優勝という離れ業を成し遂げました。今回ディフェンディングチャンピオンとして呼ばれていったのですが、恐らく生涯でも初めての「リンクス」コース、結果が出るほど甘くはないのです。

 昨年の優勝は、無欲・怖いもの知らずで気楽にプレーをしていました。誰も勝つとは思わず、ノーマークの選手でしたから好きなようにラウンド出来たのです。しかし、今回前チャンピオンとして臨む以上、プレー以外のことにも神経をとがらせ、プレッシャーは想像以上だったでしょう。
 リンクスコースは、イギリスやアイルランド・スコットランドに多く見られ、海岸沿いの平坦な砂浜に作られています。猛烈な風・目まぐるしく変わる天候、ほとんど手を加えないコース設定により、とても普通のプロ選手にも歯が立たない難コースです。深く小さいポットバンカーがプレーをより難しくし、フェスキューやベントと呼ばれる草丈の長い野芝など伸び放題です。唯一芝を刈っているフェアウエーは、うねっており、ほとんど平らな部分はありません。大きな木や丘陵が無いので、海からの強風がまともに吹き付けるのです。リンクスで有名なのは「セントアンドリュース」「カーヌスティ」あたりです。

 日本のゴルフコースは「箱庭」と例えられるように、ラフまできちんと刈り込まれ、平らで距離が短い楽なコースが多いのです。プロのトーナメントともなれば、半年も前からメンテナンスを徹底し、絨毯のようなフェアウエーとグリーンを用意します。そんな恵まれたコース・環境でプレーすることに慣れた日本人選手は、海外の様々な難コースでは通用しないのです。

 しぶ子選手も面食らったでしょう。そもそも海外でのプレーには乗り気でなかったのです。また、このオフにだいぶスイング・ショットをいじっていたようです。構えた姿だけでも、ハンドダウンにして深く前傾していた去年のそれと大きく変わりました。
 それで、スコットランドで、見たことも無いようなリンクスから手ひどく洗礼を浴び、自信を無くしたのは想像に難くないのです。準備・経験や技術が万全でないのに、嫌なイメージのまま全英女子に臨んだということになります。リンクスでの試合に慣れて、戦い方を知っている百戦錬磨の選手で、なおかつ「神がかり」みたいな状態でなければ、勝つことは出来ません。

 今回、顔を見ても迷いやら苦悩の表情で、楽しんでいるようには見えませんでした。彼女は、屈託のない笑顔がトレードマーク、駄菓子をほおばりながら談笑する姿もありませんでした。

 彼女は、まだ若くスケールの大きな選手であります。国内外で経験を積み、悩み鍛えて更に強くなって行くのだと確信しています。なによりメンタルの強さ、ささいなことや失敗を気にしないおおらかさがあれば大丈夫です。
ガンバ、しぶ子!!
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