植物園「 槐松亭 」

バラと蘭とその他もろもろの植物に囲まれ、メダカと野鳥と甲斐犬すみれと暮らす

コロナが教えるもの その5 経済は死なぬ

2020年08月17日 | コロナ
ここのところ、著名人・芸能人関連での感染者が目立っています。吉本関連のお笑い芸人やアイドル、今度は錦織圭、です。別に有名人に罹りやすいわけではなく、全体の感染者が急増しているので、確率的にも有名な知ってる人が感染するわけです。
 こういった方々を、三密になっていたのではとか不用心でケシカラン、という気は起きません。もはや、コロナが広がり始めて半年以上、生活のため、あるいは一部の業界の要請で、スポーツ選手や芸人さんが嫌でも引っ張り出されるのですから、家にこもっていればいいのに、などと考えてはなりませんね。

 ワタシら、ただの年寄りは重症化が怖いので、自粛して人に合わないようにしています。もっとも、ワタシに限っては、コロナ以前から一人でガーデニングとメダカ飼育、書道、一人カラオケ、オフィスでブログ、などほとんど誰とも会わない生活なので大した変化はありません。

 そこで、本日は経済の話。
 日本のGDPでいうと、ここ1-3月は年率換算で3.4%の落ち込みでした。4-6月は更に悪化し、年率27%減になるのではともいわれています。(もっともこれは、政府が意図的に出している数字ではないかと邪推しています)。政府の出す統計値や情報が信用できないことは、ここ数年の安倍内閣と官僚のやってきたことから考えれば十分にあり得る話です。これだけ景気が落ち込んでいるのだから、Go-Toキャンペーンなどが必要なのだという正当化に使われるのですから。ですから、あえて経済の話でも、数値は出来るだけ出さないようにしましょう。

 確かに、海外旅行客が0になり、観光地は閑古鳥、繁華街からも人が消え、興行スポーツ関係も惨憺たる有様であったのです。自動車メーカーなども、中国からの部品輸入がストップしたりで生産中止に追い込まれました。外食産業の営業停止などのあおりで農海産物が売れないと一次産業でも悲鳴が上がっています。百貨店などの小売業・アパレル業界も相当なダメージ、なんらかの影響を受けて無い産業は皆無ともいえるでしょうね。

 しかし、一方でコロナの恩恵を受けた業界も少なくありません。まず、マスク・殺菌消毒剤メーカーから始まって、ドラッグストアを含めてメディカル関連です。次に食品持ち帰り・ウーバーイーツなどの宅配ビジネスは売り上げを伸ばしました。何よりネット販売です。三密を避けて家にいれば、欲しいものはネットでなんでも買えます。買い物が小売業からネットにシフトしているのです。夢グループの社長は顔色がいいこと。ジャパネットのCMは、BS・地上波を問わずやたらと宣伝しています。
 スーパーや普通の飲食店は、すこしづつ平常営業に戻りつつあるようです。コロナでも、人間食べなければ死んでしまいますから、需要は必ずあるのです。在宅が増えるにつれ家の建て替えやらリフォームまでも活況だと聞きます。つまり、すべての産業でマイナスということは無く、何割かは別の形で消費・売り上げの増加に結びついているのです。

 旅行に関していえば、よく持ち出される統計数字に「貿易外収支」があります。大部分を占めるのが旅行の収支なのです。最近ではインバウンドという言葉が一般的になりました。外国人が日本に旅行することを指すことが多くなりました。(一方で、日本から海外に行くのをアウトバウンドというのですが、海外旅行者でいいと思います。)いずれも、コロナ以降は限りなく0になっています。
 ここで、留意すべきは、日本人が海外に行かない分、浮いたお金と時間の一部はそのうち国内の旅行や金額が大きな消費に向かうだろうということ、つまりその分だけは景気的には純増になり得るということです。
 インバウンドが一向に回復しないのは、日本の検疫体制や病院の受け入れ・検査が全く不十分で、世界に警戒されるほど緩いコロナ対策が主因であります。本来は、1月からずっと徹底的な感染防止を行って、世界で最も安全な国をアピールし、海外にむけてCome-onキャンペーンを行うぐらいのことを目指せばよかったのです。

 横浜クルーズ船で躓いて、世界に無為無策が知れ渡り、以降、やることなすことが中途半端、「日本モデルが成功した」と言って胸を張った安倍さんは、とっくに雲隠れしました。

 もう一つ、忘れてならない真実があります。ワタシら年金生活者を含めて、国民のかなりの部分は、幾らかの不便自粛生活を強いられながらも、余計な外出が減り補給金10万円を貰い、外での飲食費・旅行費・遊興費が大幅に減った分だけ手元資金が潤沢となっているということです。国内での消費の落ち込みの何割かは個人の金融資産の増加になっている計算です。
 公務員・大手の会社員、売り上げが好調な業界、目先が利いていち早くコロナに順応した経営者なども、意味は同じです。
 ワタシなんぞは、ケチなヤフオク落札以外にお金が出ていかなくなりました。毎日コンビニで冷たい飲み物を買うだけで財布のお金が減りません。

 コロナを、なんとしてでも収束させるという強い意志と有効な対策、必要な予算を講じれば、その先には十分回復できるだけの消費が期待できます。ゆとり(お金を使い、消費税を支払う)を持った国民、旅行に行きたい、遊びたいと思っている人たちは決して少なくないのです。


 


 
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