植物園「 槐松亭 」

バラと蘭とその他もろもろの植物に囲まれ、メダカと野鳥と甲斐犬すみれと暮らす

土にかえる(加える) その5

2019年12月23日 | 植物
荒れた土を起こし、ガラや小石を取り除き、保水保肥に優れて、かつ水はけのよい土を用意出来たら、ようやく植物の植え付けになりますね。PHも調整し、おまじないでコガネムシやヨトウムシ対策で、数種類の殺虫剤を土に混ぜ込みます。

 鉢には、夏までにコガネムシが侵入することはありませんが、用心でぱらぱらと撒きます。すでにある鉢植えは冬になるまでに一度は殺虫剤を使った方が賢明です。一方地植えについては、コガネムシが一か所に集中することが無いので、それほど神経質になることもありませんが、根の周辺だけには十分撒いておくのが肝要です。

 さて、植え付ける植物が決まったら、用意できた地面に穴を掘ります。穴の大きさは当然、大きく育つ樹木・果樹には大きく、深くということになります。少なくても深さ、直径は50センチ以上の穴が必要なのですが、少し根の形状や育て方を考慮しておきます。 おおよそ、木の樹形は、根の張り方と相似すると言われます。円錐形に細く上に伸びる木は、やはり地中深く根を伸ばします。一方ツル性の植物(ブドウやつるバラなど)は、比較的地表近いところに広がって根を張りますね。

 さらに、観賞用の樹々なのか果樹なのかでも元肥の入れ方が違ってきます。
果樹は、何よりも根を深く下ろして根と幹を太らせるのが基本なので、出来るだけ深く穴を掘り(1Mくらいが理想です)、腐葉土・鶏糞・たい肥等を大量に投入します。これをけちると、栄養の吸収が弱く、倒れやすくもなります。長期間甘く大きい果実を育てようと思ったら、深いところに有機肥料を敷きこむのがいいと思いますね。 幼苗の場合、根が弱いものもあり、鶏糞など強い肥料を根に触れさせると「肥料やけ」をおこすことがありますので、最初に元肥、次に掘り出した土をかぶせ、バケツ一杯くらいに水を注ぎます。その後、苗を丁寧に立てて、腐葉土と元の土に殺虫剤一握りを混ぜながら埋めていき、最後に周辺の土を集めて、やや盛り上げていく、こんな感じで作業しています。

 一般の庭木は、さほど肥料を必要としません。ゆっくり育つのを楽しむなら、元からある土に少し腐葉土を混ぜるだけで事足ります。思った以上に樹木が高木になって、頻繁に剪定したり切り倒したりすることは避けたいですよね。それでも、しっかり根を張らせるために50センチ程度の穴を掘るのがいいように思います。

 ワタシは、油粕・コーヒー滓・たい肥・米ぬかを主原料に、発酵させた「ボカシ肥料」を自作しておりますので、適宜有機肥料として併用いたしております。持続性即効性に優れ、素晴らしい効果がありますが、効き目が強い分、根を傷めないように気をつけています。

 野菜は、サツマイモなどを除いて短期間に成長させるので、有機性の肥料と化成肥料を多めに両方使うようにします。元肥に腐葉土・たい肥を施す場合、肥料やけは要注意。更に、ジャガイモ・大根などの根菜類は、固いものにぶつかると、根が分岐したりイモが凸凹になりますので、離すようにした方が無難ですね。スイカやサツマイモなどは肥料が過剰になると「ツルボケ」といって、葉や茎に栄養が回って徒長する、実やイモが充実しないという現象が起きます。
草花は、大して肥料を必要としません。家庭菜園や花壇は、もともと肥料がたくさん残留していますので、そのままで十分であろうと思います。

 こうした野菜や草花の土を触る時、少なくとも土中の生き物には用心深く観察するのが大切です。ミミズが一杯いるのは土に有機物が多く、微生物が好む環境になっている、薬剤が過剰になっていないことなどのバロメーターであります。土中の酸素供給、有害なセンチュウ退治などにも一役買っています。
 一方、ヨトウムシ・コガネムシの幼虫などの根きり虫を発見したら、直ちに捕殺、出来れば周辺を篩でふるって取り除きます。一匹いたら、その10倍以上が周辺に居ます。用法には注意しながら、ダイアジノン・オルトラン・マラトンなどの殺虫剤を使用します。使わないと、果樹・バラ苗が生長不良を起こし、野菜類など作物が台無しになるので仕方がありません。

 こうして、だいたいの土作り・植え付けがようやく完了となります。
 案外、真面目にやると大変なのですよ


コメント
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