植物園「 槐松亭 」

バラと蘭とその他もろもろの植物に囲まれ、メダカと野鳥と甲斐犬すみれと暮らす

土にかえる(蛙) その4

2019年12月17日 | 植物
 5,6年前でしたか、まだ園芸を始めて何年も経たない頃、夕闇迫る中、菜園でガサっと物音がしました。よく懐中電灯で照らすと一匹のカエル(ヒキガエルでしょうか)が居ました。周囲をコンクリートの駐車場や道路・住宅に囲まれたこの園芸スペースに、どうして紛れ込んできたのでしょう。
 その頃はまだ、全体が畑になっておらず、ワタシもそばに寄らない茂みや未整備の角・壁際などが残っていたのです。あちこち探すとねぐらも見つけました。
 周囲に石積みをしたり、板で目隠しをしたところ、いつのまにか姿を消してそれっきり。ワタシにいじられるのを嫌ったか、新たな放浪の旅に出たか、小動物に襲われたか、定かではありません。

 その後、薔薇のエリアに「アマガエル」が1、2匹生息しております。前回で失敗したので、写真に収めた以外は目を合わさないようにしています。そろそろ土の中に入って冬眠するのでしょうか。

本題の土作りであります。
前回までは、土の種類や混合について紹介しました。実際その土をどうブレンドするか、あるいはどんな多重層を作るかは、植物の種類で異なりますから、経験がものをいいます。
 そうした中で、考えなければならないことがもう一つ、PHです。日本の風土では、ほおっておくと概ね酸性に傾きます。空気中の二酸化炭素や火山性の硫黄系の成分、粉塵、化石燃料による排気などが雨中に混ざり、酸性が強くなるのですね。大体PH5.6を下回ると酸性雨と呼ぶそうです。これが大地に降り注ぐので、土壌も酸性が強くなります。化成肥料が酸性化を促進するともいわれます。

 植物は、大体が弱酸性を好みます。pH6.0~6.5ですね。土のPH値を計って、5以下だとほとんどの植物にとっては適しませんので、調整を行います。通常は消石灰・苦土石灰を混和するのです。野菜作りのノウハウに、植え付けの1,2週間前に行うよう説明があります。これを撒きすぎて、あまりPH値が大きくなると(アルカリ性が強い)ヨウ素欠乏症などの障害が出ます。植える植物が好むPHを知っておくことが大事なのです。

 例えば、ブルーベリーは酸性土を好むことでよく知られています。植え付けするときには十分な量の腐葉土を土に混ぜますが、もうひとつ「ピートモス」が欠かせません。そもそもピートモスは、沼地などの底にシダやコケ類の繊維が長年堆積し泥炭層になったものを乾燥させて作ります。今は、水苔などで人為的に作っているようです。泥炭のような状態から乾燥させるので、乾燥しすぎると水をはじきますし、水に浸かっていると粘土のようになり通気性もなくなるので、よく土に混ぜることが大切ですね。
 柑橘類も酸性土壌が適していますが、ブドウはこれを嫌います。
 逆に玉ねぎ・ごぼう・ミズナなどはアルカリ性の土に適していますので、必ず石灰を混ぜ込むようにします。 雨が降る度に、すこしずつ酸性に傾くわけなので、定期的なPH測定がベターでしょうね。

 ここまでで、ようやく土づくりが終わったと思ったら、大きな間違いであります。元肥と害虫対策が更に重要なのです。
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