植物園「 槐松亭 」

バラと蘭とその他もろもろの植物に囲まれ、メダカと野鳥と甲斐犬すみれと暮らす

土にかえる(買える) その3

2019年12月14日 | 植物
 植物の中では、土を必要としないものもあります。最も代表的な植物はエアプランツと呼ばれる仲間。これには、根がありません、あったとしても木や地表にしがみつくだけの機能です。エアプランツは中南米のジャングルに生育しており葉っぱから水分と栄養を吸収するのです。蘭の仲間にも「着生蘭」は樹上などに種で増えますが、根はあって、樹皮や苔などに根を伸ばして、水を吸収します。多くの種類は葉からも水分を取るようになっています。

 そうした、特殊な進化をした植物を除けば、土が最も植物にとっては重要でありますね。
 基本となる土は、当然元からある庭や畑の土でありますが、これだけではすべての植物が適している環境にはなりません。栄養分(肥料)水はけ・水持ち・通気性などを満たす土をつくっていくのが大事なのです。
 総じて、水はけが悪い土や湿地、低地で日が当たらないところはあまり園芸向きとは言えません。そうしたところは、これにあった植物を植えるしかありません。粘土質の土壌は、園芸には不向きですから陶芸に使うしかありませんかね。

 地植えであれば、地下1M以下は砂礫、それより上が黒土と少しの砂に腐葉土などの有機物が混じっているのが理想でしょうか。もし、ワタシが、理想の園芸用の土地を作れるなら、深い山に分け入り何百年もの間に堆積した広葉樹の腐葉土を採取し、黒土と鹿沼土、赤玉土などをブレンドします。ここらから、土はタダではなく、買ってくるという話になっていきます。
 鉢植え・プランターなどの園芸用に最もポピュラーな用土といえば、市販の「培養土」か、赤玉土70%腐葉土30%の配合土になります。培養土は無難ではありますが、数年のうちに固くなって水を貯えなくなる(はじく)傾向があります。頻繁に鉢替え・土の交換をするのであれば、様々な用土に肥料をブレンドした清潔な培養土が一番ですが、ワタシは専ら赤玉土をベースに作るようにしています。植物ごとに過湿・乾燥・水切れに対する相性があるので、これに合わせて様々な用土をブレンドします。赤玉土は、それ自体には肥料成分はほとんどありませんが、つぶれにくく土に必要な団粒性(土同士に隙間がある多重構造)をもたらします。この団粒構造こそがよりよい環境になるのです。
  赤玉土70%腐葉土30%の配合土が、ほとんどの植物に通用しますので、困ったとき、よくわからないときはこの土を使ってください。

 混ぜる材料は、まず川砂です。塩分を含む海の砂はタブーです。ワタシの土地は元が砂礫層なので、これを混ぜれば事足ります。根腐れしやすい植物には砂を混ぜるのが一般的です。次は「鹿沼土」、栃木県で取れる子の土は火山で出来た軽石の一種で、微細な穴が無数にあいているので、水持ち・通気性、水はけがよいという理想的なものです。乾くと白くなるので、鉢の中の水分量がわかりやすくなります。これがもう少し固いもので「日向土」というものも使います。火山性の軽石で、非常に水はけがよく通気性も抜群ですが、保水性は低いです。同様に細かに砕いた軽石も同じような用途になりますが、さらに固く肥料は保ちません。
 更に、パーライト・バーミキュライトという人工的に作った補助的用土も使います。これについては、別の機会に紹介します。

 こうしたものは、ほとんどが根の通気性・排水性を考え、根腐れしないように配慮してブレンドします。保肥性にすぐれる黒土だけだと通気性が失われ水はけが悪くなるからですね。普段水もやらない畑ですと、黒土をベースにして保水性保肥性を優先しますから、これらの用土を使う必要性は低くなります。

さらに、盆栽用や東洋ランには、富士山の火山岩を砕いた「富士砂」、群馬の火山礫から作る「桐生砂」なども用います。水苔は、洋ランに多用します。スイレンなどの水生植物は「荒木田土」を使うのが有名ですね

こうした土の特性を考えながら、植物の性質、置き場所にあったブレンド土を作るのが、スタート地点なのですね。
土作りは、更に肥料・PHという要素を盛り込みます。これはまた、次にいたしましょう。


 
コメント
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