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すちゃらかな日常 松岡美樹

積極財政などの政治経済をすちゃらかな視点で見ます。ワクチン後遺症など社会問題やメディア論、サッカー、音楽ネタも。

【れ新の時代?】報道され始めたれいわ新選組、だが致命的な欠点も多く油断は禁物だ

2025-03-31 11:26:42 | 政治経済
メディアが手のひら返しするも「地方組織のなさ」など欠点はめだつ

 現金なもので、いままでれいわ新選組を完全スルーしてきたオールド・メディアが、同党の政党支持率が最近みるみるアップしてきたのを見るや、ここにきて自身の視聴率アップのために見事な手のひら返しをやり始めた。

 次々に各社が誌面でれいわを取り上げ、以下のように賞賛する記事を競って掲載しているのだ。

『山本太郎は日本のトランプになるのか? この夏、選挙で「れいわ新選組」が間違いなく「大躍進」を果たす明白な理由』(現代ビジネス)
https://gendai.media/articles/-/149505

 れいわ新選組は、もともと誰もが避けて通るタブーに触れてきた政党だ。だからいままで「表の世界」のメジャー界隈では、完全に日陰の存在だった。

 その証拠に居並ぶオールド・メディアは、片っ端から彼らをガン無視。ネットでしか知られてない状態が続いた。

 だがそんな状況が、このところにわかに変わりつつある。ネットでの支持が現実世界の結果につながり、先の衆議院選挙でグンと票を伸ばし国民民主党に続く「ライシング・スター」として脚光を浴びた。

上がる政党支持率、後追い記事も続々と

 政党支持率も上がる一方だ。

 それを受けてメディア報道も続き、例えば先日も「週刊ポスト」や「毎日新聞」「サンデー毎日」がれいわ特集を打つなど、いまや続々と各社が後追い記事を連発している。

『山本太郎が「浮世離れ国会」を弾劾 政治家は国民の苦境と無縁だ』(毎日新聞/2025/3/16)
https://mainichi.jp/sunday/articles/20250311/org/00m/010/001000d

『「週刊ポスト」本日発売! 山本太郎が吠えた!「野党まで財務省のポチだ」ほか』(NEWSポストセブン/2025/3/28)
https://www.news-postseven.com/archives/20250328_2031515.html?DETAIL

『れいわ新選組大特集/2 山本太郎が熱論 みんなが切り捨てられない社会をつくる』(サンデー毎日/2025年3月30日号)
https://dmagazine.docomo.ne.jp/article/834669c1bbf071ea2fc45cf66e1b5f55c61c4c54c72ca2d18099d1306bdd2f2a/08e326bf04ec63b4fae1762bd1652f59a9c035e4ffcf1a61754e216d11d6946c/

 かくて最近では各メディアの「選挙予測報道」でもにわかに躍進が予測されているれいわ新選組だが、彼らは従来から大きな課題を抱えていることもまた事実だ。

 それはあたかもタコが自分で自分の足を食らい、自滅しながらなんとか帳尻合わせをしているかのような状態ーー。実は彼らはそんな状況にある。つまり同党には明確なアキレス腱が存在する。

 幸か不幸か脚光を浴びなかったいままでなら、まだこれらの問題点はなんとか誤魔化しながらやってきた。

 だが増えてきたスポットライトの数のぶんだけ、それらの弱点が徐々に白日のもとにさらされ、そのうちにコップの水は満タンになりあふれてしまう可能性が高いともいえる。

 こうした致命的な問題点がもし表面化してくれば、党の崩壊にもつながりかねないかもしれない。いまのうちに早い手立てが必要だ。

 そこであえて褒めちぎる世間の報道合戦にあらがい、れいわ新選組が抱える問題点を一刻も早く解決すべく同党のアキレス腱を分析していこう。

【課題その1】地方組織が致命的に弱い

 まず最初に挙げられるのが、彼らには(実体的な)地方組織が存在しないことだ。単に地元のボランティアがそのたびにわらわらと集まり、出たとこ勝負で活動しているだけの印象がある。

 地方における明確に統制された組織力がないのだ。だからどっしりと地域の体質ごと、問題点ごとに根本から変えて地元に影響を与えるような、根を張った政治活動にまでは結実してない感がある。

 この出たとこ勝負で終わってしまう組織力のなさは、大きな宿題だ。

【課題その2】カネがない(慢性的な資金不足)

 彼らのバックには組合もなければ、業界団体もない。

 これは党の決定を外部に左右されずに済む大きなメリットであるが、逆にいえば「資金面」や「人員力」で協力してくれる組織がないことを意味する。

 既存政党のようなバックがないから、資金源と人の助けがない。ただひたすらカンパやボランティアに頼るしかない。だから慢性的にカネがない。これは深刻な問題だ。

 なのに山本代表は先日の文春の取材に対し、「われわれは(国民民主党やN党のように)SNSで勝ってるわけじゃない。全国を自分の足で地道に街宣して回り、フェイス・ツゥ・フェイスでやっている。それが我々の原動力だ」と意地を張って答えていた。

 だが資金力がないなら、なおさらカネがかかる全国各地への移動・街宣のような手段一辺倒ではなく、うまくSNSのようなカネのかからないツールをフル活用しながらやるべきではないか?

 街宣のたびに山本代表が聴衆に期待する「募金のお願い」と、「SNSなんかには頼らないぞ」宣言はその点でちょっと矛盾しているのではないか?

 カネがないからこそSNSも活用すべきなのであり、カネがないなら全国をこまめに回る街宣は(ときには)加減を考えた方がいいのではないか?

 やれるところまでフルにやり、あとは倒れてハイおしまい、では元も子もない。

「相手の顔が見える街宣をやりたい」「あくまで足を使って回りたい」という崇高な理想と(気持ちはよくわかる)、「カネがない」という現実との間には、埋めがたい大きなギャップがあるように思える。

 その意味で山本代表には、もう少しいい意味での妥協も必要なのではないか? 

 理想を追い求め、坂本龍馬のように「前向きに倒れて死ねれば本望だ」ではなく、死ぬ前にそれを防ぐ合理的で前向きな解決策をひねり出すべきだろう。

【課題その3】人材の「使い捨て」戦略と「隠蔽性」の問題は?

 上記の通りカネがないから、もし候補者が落選したら当然それっきり「使い捨て」になる。れいわの行くところ、そんな屍が累々だ。

 これまで選挙に敗れては揉め事が起こり、またカネの問題もあって何人もの「被害者」が出た。彼らはいずことも知れず消えて行った。

 これは結党以来の短い歴史を見ただけでもいえることだ。長い目で見て人を育てることができない。

 また例の女性のセクハラ疑惑問題に象徴される通り、内部で何らかのトラブルが起こっても有耶無耶のうちに始末される「隠蔽性」も問題だ。

 どうもこの党には、公開性や透明性がない。臭いものにはフタをして終わり、の感がある。

 果たしてこのままでいいのだろうか?

【課題その4】構成員の釣り合いや決定権の強さにバランス配分はあるか?

 れいわ新選組は実に個性的なキャラクターであふれている。

 例えば福岡の奥田ふみよさんのようにひたすら熱く押しが強くて感動的な人や、逆に北海道の野村パターソン和孝さんのように静かで知的な飄々としたアイディアマンもいる。

 また経済にめっぽう詳しくバランス感覚あふれる政策委員の長谷川ういこさん、説得力と論述力、論理性にひときわ秀でる高井たかし幹事長、外交・安全保障分野で日本一のプロである伊勢崎賢治さんなど、あげればキリがないほど多士済々だ。

 実にバラエティに富んでいる。

 ただし「決定権の配分」という意味では、どうだろうか? バランスが取れているだろうか?

 あの多彩なメンバーそれぞれが生き、また逆に生かされるような党内の「力の持たされ方や適正配分」になっているのかどうか?

 あのなかで「何かを決める」となったとき、もしや山本太郎代表の影響力や発言力、ひいては支配力がやはり大きすぎはしないか?

 そんな感じもする。

【課題その5】壊滅寸前の日本、もはや山本代表の「突破力」に賭けるしかないか?

 偏見かもしれないが……外から見ていると山本代表は発信力が強いだけに、外形的にも発言力と影響力が飛び抜けて見える。

 いまの単なる一政党に過ぎない現状でさえ、すでに山本代表の(悪く言えば)「独裁」になっているような感がある。(もちろん内情は知らない。あくまで推測に過ぎない)

 これがもし将来の政権を取った暁に、山本代表が首相になればどうか? 当然、そのとき彼は存分に自分の思う通りの意見や政策を押し通すだろう。

 果たしてそこで自分の考えに万一、まちがいがあった場合、それを指摘する党内の声に真摯に耳を傾けたり、謙虚に自身で自覚して「自分」を修正するたぐいの才能(つまりバランス感覚)はあるだろうか?

 ここはまだ彼の場合、完全には未知数な感じもする。

 というより「バランス感覚」などとはまるで対極にある、「オレのやり方はこうだ!」という力強い押し方で物ごとをやり抜くタイプだろう。

 まあこんなふうに政党の(ある意味での)欠点なんてあげればキリがないのだが…………特に山本代表の(あの難題を解決する突破力と見事にセットになった)独裁性に関しては、政権を取るまでに何らか修正してほしいなとは思う。

 ただし、だ。

 もはや日本は経済や産業、ひいては民主主義が完全に崩壊の極にある。瀬戸際のキワだ。平和で万全な国とちがい「独裁ガー」なんて言ってる場合じゃないのかもしれない。

 そんな日本の壊滅的な状況を「一発逆転」で一気に打開するためには、山本代表のあの粗暴なまでの突進力と決定力が必要なことはすでに明らかだ。

 そう考えれば(一時的には)彼が一種の独裁に近い才能の生かし方をし、先陣を切って事態を切り開いて行くのも致し方ないのかな? とも思えてくる。

 さて、あなたはどう思いますか?

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