すちゃらかな日常 松岡美樹

サッカーとネット、音楽、社会問題をすちゃらかな視点で見ます。

【サッカー日本代表】ハリルは自己の哲学を押し付ける独裁者か?

2017-09-14 09:58:58 | サッカー戦術論
遅攻&ポゼッションで勝てなくなった日本

 ずっと謎だと思っていることがある。ハリルはもとから、持論として守備からの縦に速いショートカウンターを掲げていたのか? それとも日本に合わせてあのスタイルを考えたのか? おそらく後者なのだろう。なぜそう思うのか? 説明しよう。

 ハリル就任前、本田や香川がスタメンを張っていた時代のサッカーは、グラウンダーのショートパスを主体とするポゼッション・スタイルだった。

 グラウンダーのショートパスをつなぐには、当然パスのコースが必要だ。で、コースを切られているときは、彼らは何度でも横パスやバックパスをして最終ラインでボールを回し、時間を作ってはまた前につなごうとする。だがまたパスコースを切られてバックパス。これを繰り返していた。

 すっかりバックパスがクセになり、相手からボールを奪えばひとまずバックパスをする。で、ひと休みしてから考える。そんなスタイルになっていた。よくいえば一度ボールを保持したらぜったい相手に渡さない遅攻タイプのポゼッションサッカーだ。

ハリルの処方箋が日本サッカーを「矯正」した

 だがボールを奪った直後に横パスやバックパスをすると、みすみす相手に守備の隊形を整える時間の余裕を与えてしまうことになる。

 なぜって、それまで敵は自分からわざと守備のバランスを崩して前がかりになって攻めていたのだ。ゆえにボールを奪った直後は、相手の守備隊形が整っていない。そこで素早く攻守を切り替え、相手の守備の態勢が整う前に速く攻め切ってしまう。つまり相手ゴールに直結する縦パスを通して速攻をかける。そうすれば得点の可能性は高くなる。それがハリルの唱えるタテに速いサッカーだ。

 どうだろうか? ハリルが打ち出したコンセプトは見事に、横パスやバックパスを繰り返して敵に守備の態勢を整える時間をやり、ますます自分から攻めにくくしていた以前の日本サッカーを矯正する処方箋になっているではないか?

 おそらく分析オタクのハリルは以前の日本サッカーを分析しまくり、「彼らの欠点を修正し、勝てるサッカーにするにはどうすればいいか?」を考えた。で、実行に移した。そういうことなのだろう。

 別にハリルは自分がもともと持っていた高邁なサッカー哲学を押し付けているのではない。ハリルがしきりに唱えているのは、「改善策」なのである。

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