すちゃらかな日常 松岡美樹

サッカーとネット、音楽、社会問題をすちゃらかな視点で見ます。

【サッカー日本代表】日本が世界で勝つには? 結論なら出ている

2017-12-22 06:25:19 | サッカー戦術論
まずはカウンタースタイルで「負けないサッカー」を極める

 日本人てのは、何度失敗しても学ばない民族である。

 ジーコジャパンとザックジャパンは「攻撃的なサッカーを」「自らが主導権を握るアクション・サッカーを」と理想主義を高く掲げた。そしてW杯で見るも無残に玉砕した。

 いまハリルジャパンを盛んに叩き「我らにパスサッカーを!」と高邁な理想主義を訴える人たちは、いったい何度失敗したら気がすむのか? 「たとえW杯で負けても、理想を貫き前向きに倒れて死ねば本望だ」とでも言うのだろうか? まったく驚きを通り越して呆れてしまう。

 じゃあ日本が世界で勝てるサッカーとは、どんなスタイルなのか? その結論は、2010年南アフリカW杯で16強の岡田ジャパンがすでに出している。守備に重心を置くカウンタースタイルである。

4流国の日本がW杯で勝つ方法は1つしかない

 この記事で書いた通り、日本は世界レベルで見れば2流国ですらない。3流や4流だ。そんな底辺の国がW杯という世界の檜舞台で下克上を起こすには、方法はたったひとつしかない。そう、CWCで格上のレアルマドリーに対したグレミオ方式である。

 だって日本がロシアW杯で戦うのは、ポーランドやコロンビアなんですよ?

 いや別に守備的なカウンタースタイルが日本の「究極の目標=ゴール」だ、などと言うつもりは毛頭ない。私だってこの記事で書いたように、本来、日本人にはアジリティを生かした軽快なパスサッカーが向いていると思っている。長期的な方向性でいえば、そっちに芽がある。

 日本だって10年や20年(いや100年か?)ぐらい経験を積めば、試合の状況に応じて変幻自在にカウンターとポゼッションを使い分ける戦い方ぐらいできるようになるだろう。そのころには理想主義者のみなさんが訴えるように、2タッチ以内でワンツーを絡めて強くて速いパスをテンポよくつなぐ華麗なパスサッカーが日本もできるようになるかもしれない。

 だが「いま」すぐに、W杯でそれをやろうとするのはあまりにも無謀だ。その末路がどうなるかは目に見えている。このブログで何度も指摘している通り、すでにジーコジャパンとザックジャパンが身を以て証明したじゃないか?

 いやもちろん今の日本にだって、パスサッカーならできる。だがそれはアジア限定、Jリーグ限定での話だ。弱いショートパスばかりで狭い展開に陥る今の日本の小さいサッカーは、アジアやJリーグでしか通用しない。W杯ではたちどころに粉砕される。そんなことは欧州強豪クラブとJリーグのレベル差を見れば一目瞭然じゃないか。

 ヨーロッパの一流国のように、まるでシュートのようなボールスピードでカッ飛ぶ強いパスと、それをたったワントラップで止めて次のプレイへ移行しやすい位置にボールを置くワンタッチコントロール。最低限、これらを身につけなければ日本人はW杯で勝てるパスサッカーなどできない。

日本は進化の「過程」にある

 いま日本は山の五合目にいる。進化の過程だ。頂上はまだ遠い。いまは耐える時期だ。まずは守備である。ひとまずカウンタースタイルで、「負けないサッカー」を極める。0-1で負けたベルギー戦のように粘り強くしぶといサッカーをし、強いメンタルとハードワークで格上の強者に食い下がる。そして負けないようになる。

 話はそれからだ。

 そんな力強い粘りのスタイルを極めて五合目をクリアしたあと、その土台の上にパスサッカーを植え付ける。そのときやっと日本は、山の頂上めざしてアタックを開始する挑戦権を得るのだ。(それは「ハリル後」の重要なテーマになるだろう)

 まだ山の五合目にいるというのに、身の程知らずな理想論をぶちあげる人々はいつの時代にもいる。彼らはゲームでいえば、まだ1面や2面をクリアするかどうかの力しかないのに、いきなりボスキャラと戦おうとしているのと同じだ。

 そういえば今の状況はあのときの岡田ジャパンに酷似してきている。当時もW杯直前の強化試合で4連敗を喫し、世間の大バッシングを浴びて辞任騒動に発展した。そんななか岡田監督は大会直前に戦術をガラリと変え、自慢のパスサッカーをかなぐり捨てて守備重視に転換した。

 相手が格上ばかりのロシア・ワールドカップで、守備的なカウンター狙いの「グレミオ方式」を取るハリルジャパンのショートカウンターがハマって16強ーー。

 あり得ないことではない。

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