すちゃらかな日常 松岡美樹

サッカーとネット、音楽、社会問題をすちゃらかな視点で見ます。

【セリエA 23/24 第4節】ブラホビッチ&キエーザの2トップが3Gで仕上げる 〜ユベントス 3-1 ラツィオ

2023-09-21 09:43:28 | その他の欧州サッカー
鎌田がセリエA初アシストを決めた

 セリエAは9月16日に第4節を行ない、ユベントスがホームのアリアンツ・スタジアムでラツィオと対戦した。ユーベが先に点を取って常に試合をリードし、守っては鉄壁の城塞をゴール前に築いた。

 ユベントスはブラホビッチとキエーザの強力2トップが豪快に計3点取り、あとは5-3-2で手堅く守って一丁上がり。これがイタリアのサッカーだ、と言わんばかりだ。絵に描いたような試合運びだった。

 ラツィオの鎌田大地はスタメン出場して1アシスト。サッリ監督はこの試合で5人を交代させたが、鎌田をいちばん長く引っ張った。期待の現れだろう。だがチームがサッリの描く精密機械のような戦術を実現するには、まだ時間がかかりそうだ。

 ラツィオのフォーメーションは4-3-3だ。GKはイバン・プロベデル。最終ラインは右からアダム・マルシッチ、ニコロ・カサーレ、アレッシオ・ロマニョーリ、エルセイド・ヒサイが構える。

 中盤は右から鎌田大地、ダニーロ・カタルディ、ルイス・アルベルト。3トップは右からフェリペ・アンデルソン、チーロ・インモービレ、マッティア・ザッカーニだ。

キエーザが今季3ゴール目を叩き込む

 ラツィオのフォーメーションは4-3-3。一方。ユベントスは3-5-2だ。サッリのチームは例えばサイドにある相手ボール時、そのボールに対し横方向を極端に絞る。逆サイドの選手がピッチの中央くらいまでボールサイドに寄せている。

 試合開始からほんの10分だった。ユベントスは右サイドからプラスのクロスが入り、ブラホビッチがワンタッチで決めて見せた。早くも先制だ。また14分のユーベの右方からのデザインされたFKは、受け手が完全にフリーになっていた。

 ラツィオは「可能ならワンタッチ縛り」みたいなサッカーだ。少ないタッチ数でパスを繋ごうとするが、ユーベの守備が堅くなかなかうまく行かない。そして24分。ゴール前で鎌田がワンタッチで左足のボレーシュートを見せるが、わずかにボールはバーの上へ。あれを決めていれば、また称賛の嵐だったが…………。

 そして26分だ。ユーベのキエーザが今季3ゴール目を叩き込む。右サイドから流れてきたボールを、左足アウトサイドでゴール左スミぎりぎりにワンタッチで決めた。ボールは唸りを上げながらスッ飛んで行った。すごいシュートだ。2-0になる。

サッリのチームは思案投首だ

 ラツィオはペナルティアーク辺りで縦にクサビのボールを入れるが、パスは繋がっても2本まで。落としたボールが連鎖して行かない。あの落としたボールを受けるとき「あそこで3人目の動きを入れたいんだろうな」などと、やりたいことはよくわかるが…………という感じだ。

 要はパスの受け手に動きが足りない。複数の選手による連動性がなく、なんだか壊れた時計のようだ。サッリの考えるサッカーを実現するには、かなり高度な技術と運動量が必要になる。時間もかかる。

 一方、ユーベはラツィオがゴール前で超ショートパスをワンタッチでパン、パン、パン、と繋いでくるのを読んでおり、ゴール正面のペナルティアーク辺りに密集した頑強な人垣を作ってはね返す。確かにあのゾーンを固めておけば失点しないだろう。彼らの守備はロジカルだ。何しろ2点の先行は大きい。

 かたやラツィオはサッリに与えられた教科書と局面とを照らし合わせながら、思案投首でボールを繋いでいる感じだ。スムーズさがない。それに横パスやバックパスでなく、縦方向への有効なパスが少ない。なんだか「ポゼッションサッカーの成れの果て」という印象だ。

 ラツィオの前半のポゼッション率は66%ある。だが有効なパスが決定的に足りない。

ルイス・アルベルトのゴールでラツィオが追撃

 後半の立ち上がりからラツィオはダニーロ・カタルディを外し、アンカーをニコロ・ロベラに代えた。一方のユーベは金持ちケンカせず。相変わらず守備時5-3-2で手堅い。

 それにしても鎌田はサッリに本当に認められている。この試合でサッリは5人の選手を代えたが、鎌田をいちばん長く引っ張り残り10分まで使っている。

 確かにゴールへ直結する際どい動きをしているのは彼なのだ。その証拠に51分、鎌田が敵ゴール脇のハーフスペースでドリブルを使ってチームを動かした。見応えのある際どいシーンだった。

 ユベントスは相手ボール時、人への寄せ方に強い圧迫感がある。ギリギリまでボールホルダーとの距離を詰める。で、行けると踏んだら、相手のカラダを突き抜けて敵を通り過ぎるような勢いでデュエルを挑む。こんな強度の高い密着守備をされたら、蛇に睨まれたカエルのようになってしまいそうだ。

 そんな64分だった。ラツィオが1点を奪う。ペナルティアークの手前で、鎌田がカンビアーゾに強く寄せてボールを奪った。そのこぼれ球をひろった10番のルイス・アルベルトが、右足インステップでゴール右上スミへ豪快に決めた。鎌田はセリエA初アシストだ。

ブラホビッチがドッピエッタを達成する

 だが続く67分にユーベがとどめを差す。マッケニーが右サイドのハーフウェイライン辺りからブラホビッチのいるゴール前に向け、「ここしかない」という素晴らしいピンポイントのアーリークロスを入れる。

 かたやブラホビッチはゴール前で3対1と不利だったが、胸トラップから左足でひとつ触って余裕をもって右足で決めた。まるで精密機械のような2人の凄まじいゴールだった。ブラホビッチはドッピエッタ(1人で2ゴール)達成だ。そして試合終了である。

 ユベントスは、ブラホビッチとキエーザの2トップが実に素晴らしかった。また残り15分くらいで、途中から入ってきたティモシー・ウェアの守備も見応えがあった。彼はあのジョージ・ウェアの息子。まだ23才だし、伸びそうだ。

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