すちゃらかな日常 松岡美樹

サッカーとネット、音楽、社会問題をすちゃらかな視点で見ます。

【プレミアリーグ 23/24 第3節】マンUが11対10の「駒落ち」戦を制す 〜マンチェスター・ユナイテッド 3-2 ノッティンガム・フォレスト

2023-09-01 05:00:50 | イングランド・プレミアリーグ
なんと前半4分までにフォレストが2点を取る異例の展開に
 
 プレミアリーグでは8月26日、第3節が行われ、マンチェスター・ユナイテッドとノッティンガム・フォレストが対戦した。場所はユナイテッドの聖地、オールド・トラフォードだ。

 彼らは立ち上がりに連続失点したが、エリクセンとガゼミロのゴールで同点に追いつくと、最後にブルーノ・フェルナンデスが運命のPKを決めて衝撃的な逆転勝ちを収めた。

 この試合、ユナイテッドは序盤にまるでフリーズしたかのように聖地で強烈なパンチを食らう。

 まずは前半2分だ。ユナイテッドのCK崩れで、ボールを回収したフォレストのFWタイウォ・アウォニーが敵陣からドリブルで70メートルを完全独走。最後はご丁寧にフェイクを入れて敵GKアンドレ・オナナを転倒させ、ゴール右に押し込んだ。彼は昨季から数えてリーグ7戦連続ゴールだ。

 続く同4分には右サイドのFKからのボールを、フォレストのDFウィリー・ボリが頭でコースを変えゴール右スミに叩き込んだ。これで早くも2点をリードしたフォレスト。彼らは相手ボールになるや「さあ来い」とばかりにリトリートし、自陣に5-3-2の堅陣を組んで完全に立てこもった。

 ここからの展開はもうお分かりだろう。コーナーに追い詰めた(かに見える)格下ボクサーをチャンピオンがひたすら連打する。で、敵が構える堅城に開いたかすかな穴を頼りに、敵の大将の首を取りに行くのだ。

 ユナイテッドのフォーメーションは4-2-3-1。GKはインテルから移籍してきた元カメルーン代表アンドレ・オナナだ。最終ラインは右からアーロン・ワンビサカ、ラファエル・バラン、リサンドロ・マルティネス、ディオゴ・ダロットが構える。CMFはブラジル代表のカゼミロとデンマーク代表クリスティアン・エリクセンだ。

 2列目は右からアントニー、そしてPL月間最優秀選手賞の常連でポルトガル代表のブルーノ・フェルナンデス、アカデミー育ちでマンU一筋の10番イングランド代表マーカス・ラッシュフォード。ワントップはASモナコから19才でマンUに来た(一時セビージャを挟み復帰)のフランス代表アントニー・マルシャルだ。

ユナイテッドが反撃の狼煙を上げる

 ユナイテッドの1点めは17分だった。ブルーノ・フェルナンデスの強烈なシュートを敵GKマット・ターナーが弾く。そのこぼれ球をひろったラッシュフォードが、少しドリブルして左のポケットから速いクロスを入れる。

 エリクセンが一瞬でワンタッチ・ゴールを決めた。1-2だ。

 あとは5-4-1、5-3-2、5-2-3と微妙に形は変わるがフォレストが自陣に引き、まだ前半だというのにほぼハーフコートマッチだ。やれやれな展開である。

 たまにフォレストがボールを奪うと、数人が上がって鋭い攻めを見せはする。もしくはロングボールを敵陣に1人残ったワントップのタイウォ・アウォニーに入れる。そんな駆け引きが前半いっぱい続いた。

 ユナイテッドは完全に前がかりになっているので、彼らの背後のスペースを狙って一発のロングボールで、というテは確かに有効だ。かくて前半が終わる。

マンUがデザインされたセットプレーで2点目

 後半に入り、ユナイテッドは立ち上がりからDFバランに代えてDFビクトル・リンデロフを入れる。

 フォレストはすっかり正常運転に変わり、今度はふつうに攻めるようになった。確かに引き過ぎるより、こうして前に出て陣地を回復する方がかしこい。攻撃は最大の防御なり、だ。

 さてユナイテッドの2点目はトリッキーにデザインされたセットプレーからだった。後半7分だ。

 ゴール右からのFKをブルーノ・フェルナンデスがなんと真横に蹴る。受けたラシュフォードが今度はゴール方向へ縦に浮き球を入れた。これにB・フェルナンデスが走り込み、ヘディングでワンバウンドの折り返し。仕上げは飛び込んだカゼミーロが腿でワンタッチしてから右足でゴールに「パス」をした。2-2だ。

 さてこれで同点になりフォレストがどう出るか? である。引き続き引き気味で引き分け狙いで行くのか? それともゾーンを上げて勝負の1点を取りに行くのか?

 結果は後者だった。フォレストはまるで別人になったみたいに敵陣目がけてラインを上げる。これで勝負は面白くなった。迎え撃つユナイテッドは後半15分に、マルシャルに代えてイングランド代表FWジェイドン・サンチョを投入する。

フォレストがDOGSOで1人退場になる

 フォレストは仕込んだセットプレーを操りながら、すっかりアグレッシブになって攻撃した。彼らは攻めると案外、鋭い。15分過ぎにはユナイテッドのボックス付近でパスを繋いで圧をかける。

 そうこうするうちユナイテッドのボールになり、逆に彼らがカウンターを打つ。今度はフォレストの背後にスペースがあるだけに攻めがいがある。勝負はすっかりイーブンになり攻防が続いた。

 だがそんな「平手」の戦いは続かない。22分だった。カゼミーロが自陣から縦にロングフィードを入れると、ライン裏のスペースで徒競走になった。そしてボックス手前で揉み合ったB・フェルナンデスがジョー・ウォーラルに倒される。主審はDOGSO(決定的な得点機阻止)と判定しウォーラルにレッドカードを出す。フォレストはついに10人になった。

 これでまた「駒落ち」戦に戻ったわけだ。だが格下が駒を落とす将棋なんて聞いたことがない。格上のユナイテッドが優勢になるのは当たり前だろう。フォレストは5-3-1で対応する。またハーフコートマッチだ。だがさっきと大きく違うのは、攻め手の方が1枚多い点だ。

 かくて31分。フォレストのダニーロが魅入られたようにボックス内でラッシュフォードを倒し、PKが宣言された。キッカーはB・フェルナンデスだ。彼はきっちり左下スミに決めた。とうとうユナイテッドが3-2とリードする。

 このあとフォレストのFKやカウンターであわやの場面もあった。彼らは崖の上に立ったときの方が思い切りがよくなる。だが、しかし得点は動かず。そしてゲームセットを告げる主審の笛が鳴った。フォレストは静かに「投了」した。

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